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「お腹すいたでしょ?何か食べたいものはある?」
「ううん、食欲無いから…大丈夫」
「そう…飲み物だけ持っていくよ」
「ありがとう」
彼女はそういい、微笑んだ
“キッ”
レールの音が止まる
「ついた。ここだよ、僕たちの新しい箱庭」
「わぁぁ…すてき」
彼女はキラキラした瞳で新しい家を見る
そこにはこじんまりとした可愛い赤い屋根のおうちが建っていた
☆
「家具とか運ぶの大変だったでしょう?」
「全部業者に任せたから、大丈夫だったよ」
「そう?手配とかありがとう、私がこんな体じゃなかったら…」
「なにいってるの、いいんだよ、君はそれで」
「うんん…」
彼女は車椅子にのっている、両足がないのだ
でも、僕は心の底から、そのことに喜びを覚える
彼女は少し不満そうに返事をしたけれど、僕はその顔ですら愛おしい
「はい、ジュース」
「あ、ありがとう!喉乾いてたの…」
彼女のは受け取るやいなや、早速飲む
「長旅、お疲れ様」
「あなたの方こそお疲れ様です」
「今日は簡単に料理するから、明日お祝いしよう」
「うんっ」
今日は引越し完了の日
新しい生活がここではじまる
☆
監禁生活1日目。