リクではないけど久しぶりに書きまぁす!(息抜きにちょーどええんや…)
タイトルをつけるなら、
「好き嫌い撲滅作戦!」
_______________________
「とと〜」
「なんやー?」
「これあげるー」
「おー?…ってトマトやんけ!!ちゃんと食べんかい!」
「いややぁ〜」
「やだ言ってもダメですー!好き嫌いは良くないで?」
「うー…」
拾ったときから少しずつ年齢が上がり、成長していくにつれてゾムに好き嫌いが出てきた。
それの代表例がトマト。
嫌う子が多いらしく、嫌いな理由も食感だったり味だったり見た目だったりとさまざまなため、食べさせるのに苦労する野菜らしい。
たしかに、ペースト状にしても赤色は残るし中に入ってる種とかも残ってしまう。だからといってそのままだしても絶対に食べてくれない。
「ゾムはトマトのどこが嫌いなん?」
「ぜんぶー…」
今だに皿の上にポツンと残るトマトを眺めながらゾムはそう言った。
全部…なるほど、つまり味も見た目も食感も嫌いという訳か。
いやこれ詰みやんけ
うちの軍で食べる野菜はほとんどを基地内にある畑で作っているため、そこらのスーパーや輸入品と比べて新鮮でおいしいのに…
「あ、トントンとゾムじゃん」
「ひとらぁん」
「ひとらん、畑か?暑いのにありがとな」
「いえいえ〜楽しくてやってるものだからね〜」
「はたけー?」
「そうそう、ゾムが食べてる野菜のほとんどを俺が管理してる畑で作ってるんだよ」
「じゃ、じゃあこのとまとも…?」
「そうだよ〜」
そう言われた途端、少しの間隔をあけたあとパクッとひと口で目の前のトマトを食べた。
「えっ、!?ゾムトマト嫌いなんじゃなかったの!?」
よほど嫌いなのか顔を歪めながら激しく頷いていた。
「多分、ひとらんが作っとるからやない?」
「なるほど…」
数十分かけてようやく飲み込めたゾムはふう、とため息をついた後コップのお茶をガバガバと飲み顔を歪めて首を振った。
「うへぇ……とまときらい…」
「あらら…好きにはなれなかったかぁ〜」
「でも食べられただけ成長やな」
偉い偉い、と頭を撫でてやれば嬉しそうに頬が緩んでいた。
_______________________
「よし、じゃあやるか!」
「おー!」
「ゾムはこれで土をかけてね」
「はぁい!」
「トントンは倉庫から苗取ってきてくれる?」
「はーい」
ひとらんの提案により、トマトを自分たちで育てれば克服出来るのでは?ということで、ひとらんの畑に来ていた。
「よし、ゾムー!土かけて〜」
「はぁーい!」
ザクザクと土をゾムの手に比べたら大きなスコップを使ってかけていく。
真剣な眼差しでかけるその姿が可愛くてついつい写真を撮ってしまった。
_______________________
「終わった〜!」
「おわりー?」
「うん、終わりだよありがとね2人とも」
「おひるー!」
朝から始めた作業は太陽が真上になった頃に終わり、ちょうど腹の虫も音を立てた。
「お昼そうめんにしよっか」
「やったぁ!」
トマトが食べ頃になった時、ちゃんとゾムは食べれるのか楽しみになった。
_______________________
「ほうほう、それはいいことをしたな」
「でしょ!!ぞむね!らんらといっしょにつちにごはんあげたんやで!!!」
「ふむ、肥料のことかな?」
「そー!らんらがなえのごはんっていってたの!!」
「そうなのか、他には何をしたんだ?」
「えっとねー!あ!!そーめんたべた!」
「ああ、昼はそうめんだったのか」
「ととがねー?いっぱいたべていいよーって!!」
「よかったじゃないか」
「んへへ〜ぐるもこんどいっしょにやろーね!」
「ああ、約束だゾ!」
昼休みの最中、やたらと興奮した様子で総統室に入ってきたゾムを膝に乗せながら話を聞いてみればひとらんの畑でトマトを植えたらしい。
これは収穫時に側で見守らないとな
_______________________
「よし、じゃあ今から収穫していくよ」
「はぁーい!」
「はーい、ってなんでグルさんもおんねん」
「なんでって、何を言ってるんだ!ゾムが収穫をするって聞いたからこの目に焼き付けにきたんだゾ!!」
「いや、あんた仕事は!?」
「んなもん終わらせてきたに決まってるんだゾ!」
「なんでこんな時だけ有能やねん…」
突然来たグルッペンにツッコミを入れつつ、トマトを収穫するゾムを眺める。
「そうそう、ここを…こうやって、」
「こー?」
「うんうんあってるよ」
さっそく採れたトマトを嬉しそうな顔で見せつけてくるゾムをパシャリ、と撮る。
グルッペンなんか破顔してもうとるがな
「ゾム、トマトは好きになれそうか?」
「んー…まだわからん!」
「まあそれもそうやな」
全てのトマトを収穫し終わった後、木陰で休むゾムにグルッペンとそう聞いてみる。
ゾムはまだ知らない。
今から採れたてのトマトを食べることを。
「3人とも〜お待たせ〜」
食べやすいようにカットされた採れたてのトマトを持ってきたひとらんを見たゾムは全てを察したのか走って逃げようとする。
しかし、グルッペンによってそれは阻止されてしまった。
絶望したような顔でこちらに助けを求めるゾムを見た俺は心が苦しくなるがこれもゾムのためだ、と思い目を逸らす。
「ほら、ゾムが育てたトマトだよ」
「うー……」
「大丈夫!採れたてだからすごく美味しいよ」
「では私が先にいただこう」
そう言ってひょい、と皿からトマトをとり一口で食べる。その様子を神妙な目つきで眺めるゾム。
「ふむ、これはなかなかに美味いな」
「じゃあわいも食べよ」
ゾムに食べることを誘うように2人で美味いと言いながらトマトを食べる。
「うー…ん!」
意を決したのかトマトをひと口で食べたゾムを見守る。
「どうや?」
「……うぇ…」
どうやら自分で育ててもトマトは嫌いらしい。
克服をすることはできなかったが、食べ物を育てるということについて学べたゾムに少し成長を感じた。
次はトマトをケーキにでも入れてみようか
そんなことを考えながらトマトをまた口に放り込む。
_______________________
おまけ
「いちごぉー!」
「いちごは好きなんやな」
「かわええからすきや!」
「トマトは?おんなじ赤やで?」
「きらぁーい」
「そかぁ」
子供の感性は難しいとあらためて思ったトントンであった。
コメント
9件
zmさん、かわいすぎる💚
zmさん可愛いにゃんッ!
リアルで「うわぁぅぁぁぁぁぁぁぁいかたなやなかやまなたならなふそふじこ」(爆音)って声出た