テラーノベル
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しにがみ視点
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朝の校門は、いつもよりざわざわしていた。ざわめきの中心は、生徒会室の窓からも見える――その人。
クロノアさん。
風に揺れる前髪、少し面倒くさそうに背を伸ばして歩くその姿は、どこか映画のワンシーンみたいだった。
だけど、その人はヒーローだった。僕を、守ってくれたヒーローだ。
あの日、突然だった。
音楽の授業が終わって、僕は廊下を歩いていた。ふと気配を感じて振り返ると、知らない男がいた。
――制服でもない、目が異様にギラついてる。
「……あれ?」と違和感を覚えた瞬間、手首を掴まれた。
怖かった。声も出なかった。誰か助けてって、頭では思っていたのに、体は動かない。
「しにがみくん!」
その声が聞こえたのは、ほんの数秒後だった。
俺の目の前に立ったのは、クロノアさんだった。
kr「……離れろ。」
その声は静かで、でもはっきりと響いた。
男が何かを言い返すより先に、クロノアさんは僕の手を引いて――代わりに、腹に何かが突き刺さるように感じた。
sn 「クロノアさん……!」
血が見えた。瞬間、僕の頭の中は真っ白になっていた。
kr 「……大丈夫。立てるか?」
傷ついてるのはクロノアさんの方なのに、僕の心配をしてくれていた。
それが、僕が“恋をした”瞬間だったのかもしれない。
コメント
2件
初コメ失礼します!はわぁぁあ!!✨ノアさんかっけー!しにーピュアだなぁ!頑張れ!次も、楽しみにしてます!