憧れた。
初めて見た飴玉の絵、光が飴玉を貫通して、飴玉自体が海みたいに光っている。
かっこいいと思った。
自分の手で綺麗に光らせるのは楽しかった。
でも光を描けば描くほど自分という影が憎く思えてきた。
「絵は輝いているのに何故自分はこうも暗く影のようなのだろうか」
そんな事を何度考えただろう。
どんどん、どんどん絵が自分を現していく。
理想から、夢から覚めていく感覚になる。
今や現実味を帯びている絵は闇を、「自分を」堕としている。
やり直したい、また光を描きたい
自分は白い絵の具を手に取り広げていく。
でも消えない
一度自分が筆を進めた絵はいくら塗り潰そうと濁るのみ。
そう理解した次の瞬間には黒い絵の具をキャンバス全体に塗っていた。
黒が全ての色を呑み込んで隠した
やっと塗り潰せたのに満足が行かなくて、モヤモヤした。
だから削った
華やかで夜の闇でも美しく光るあの花をイメージしながら削った。
黒の下にある色の重なりがそれはそれは美しく儚い花火を表していた。
だからね、自分を隠して、時に見せる素顔がとても魅力的に見えるのはこれと同じだと思った。
仮面の下にある顔が見えた、そんな感覚と。
コメント
2件
いや心に響きますよこれは… まじ心臓ギュンギュンです(? 隠していた素顔が見えた時の魅力や 仮面の下から見えた顔とか…!! 共感できる所もあるのがゆのさんの 良いところなのでしょうか… ↑上から目線ぽくてすみません 投稿ありがとうございますっ!