テラーノベル
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「さぁ、反省会をしようか!」
あれ、さっきまでのなんか甘酸っぱい空気感何処にいきましたか? と、いうか反省会って何?
「どこでする? 執務室? リサちゃんの部屋? それともボクの部屋?」
含みのある言い方をしないで下さい! 誤解されます。アリス以外に誰もいないけど。
「執務室でお願いします」
「はーい」
アリスはカラカラと笑いながら、執務室に私を連行していった。
いったい、何をされるんだろう。
ーーー
「まずは、魔法からだね」
あの、その前に私、すごーく気になるものがあるんですけど。
その、後ろにあるチェストの上に置いてある縄。いったい何の為にあるんでしょうか……。
そういう趣味は……流石にですね……ないですよ。
「で、リサちゃん聞いてる?」
「あ、はい」
「聞いてないでしょ?」
「ハイ」
アレが気になってしょうがないんです。
「もー、もう一回きちんと言っておくけど、ボク以外の前で魔法は使わないこと!」
「はい」
「今回、魔法を見たミュカ、キーヒは連れてきたしボクが口外しないように言っておくよ。逃げたヤツらは結界しか見てないから、何がおこったかわからないだろうし、放っておいて問題ないと思う」
「はい」
「ただね、リサちゃん。気がついてる?」
「え、何を……?」
はぁー、とため息をつかれる。
え、私はいったい何をやらかしたんでしょう。
「結界、癒しの魔法は、守護魔法。聖女の使う聖なる魔法だよ」
あれ? そうだっけ? そういえばそんなこと聞いたような。
「あれだけの聖なる魔法を使ってリサちゃんは体大丈夫? 何か調子悪いとこない?」
「うん、特に何も」
「それも、不思議だね。リサちゃんの聖なる力は10なんだよね。あれほどの奇跡を起こして、精霊への聖なる力の譲渡による疲れや眠気なんかがあると思うんだけど」
?
そんなこと言われても、特に変わったことはないかな。
「リサちゃんには本当に謎が多いね」
謎といえばその縄も、いったい何ですか。怖くて聞けないけど。
ふぅと、もう一度ため息をつくとアリスが少し難しい顔になった。
「リサちゃん、聖女の子に何かした?」
「え?」
突然の質問にびっくりする。
「ボク達が聖女、カナのところに行ったのは彼女が眠っている時だけだよね?」
コクンと頷く。
「兄上がイシイリサを探してる。正確には聖女が、だろうけど。イシイリサってリサちゃんのこと?」
あ、そういえば名字を名乗ったのはカナちゃんと、知っているのは横で聞いていたライトだけだったかな。
「私の本名だよ。石井莉沙」
「何で、カナが起きているときに会ったことがないはずのリサちゃんの名前を知ってるのかなぁ?」
あ…、説明……しとくべきでしたか?
「ごめんなさい」
アリスが少し怒ってる気がしたので、先手をうって謝っておく。
「怒ってないよ。でも、謝ると言うことは、覚えがあるんだよね。何があったのか教えてくれるかな」
うそ! 絶対怒ってる! ゴゴゴゴという音とともに怒りの炎が見えます! (見えないけど)
あと、しっぽがペシッペシッてしなってますよ!
私は昨日、何があったのかアリスに説明した。もちろん、あの事(ライト耳元囁き事件)は省いて!! 顔がまた赤くなってないか心配だけど、鏡がないから確かめようがない。
あれからライトには会ってないのよね。ミニライトには二人あったけど。可愛いミニライト達のことを思い出してクスッと笑ってしまった。
「リサちゃんまだ何か隠してる?」
「あ、ちょっと別件を思い出しただけです!」
「ふぅーん」
ジーッと見られて、アリスに疑われているのがわかるけどさすがに恥ずかしくてあの事は言えないっ!!
「リサちゃんがカナを起こしたのはわかったけど、ライトの説明が……兄上達にバレるのは困るなぁ」
うーん、と腕を組んで悩む。
そうだった。光の精霊と話せるのは聖女だけ、私も話せる(というか姿まで見える)なんて言ったら……、
「カナの夢ってことで誤魔化しておくしかないのかな」
「あ、でも私、カナちゃんと一緒に話そうって約束してるんだけど」
「それは、無理かもしれないな」
「どうして?」
……、少しの間のあと、アリスが答えた。
「兄上が、リサちゃんを怪しんでいるんだ」
「え?!」
寝耳に水だわ。なんでそんなことに?
「急な昏睡はリサちゃんが来てからだし、目覚めたカナは会ったことがないリサちゃんの名前を言い出すし。リサちゃんの魔力がカナに悪い影響を及ぼしているんじゃないかってね」
「あー……」
それは確かに考えられそう。ライトのことを言えないんじゃうまく説明もできないし。
「兄上はカナのことを大事に思っているからしょうがないのかもしれないけど」
そうよね、カトル王子のあの顔や仕草を見ていればわかってしまう。カナちゃんをとても大事に思っているんだろうって。
「だからね、カナに会うことに関しては、兄上の許可がおりないと会えないと思うよ」
「そっか。できればはやくお話がしたいんだけど」
「時期を見て、それとなく話しておくよ」
いったい何時カナちゃんと話せるのかなぁ。
そう思っていると、急にアリスの耳がピンっとまっすぐに立ち上がった。
カツカツカツカツ
バーーーーーンッ!!
「アリスト様! 聞いてください!!」
濃い紫色の長い髪をなびかせ、同じく紫色の瞳に涙をためて、可憐な女性が入場してきた。
みおん
88
月城 蓮桜音
2,593
2,847
#いじめ
コメント
1件
いやー、今回もめちゃくちゃ面白かったです! 笑いと緊張のバランスが絶妙ですね。特に「ロープ」の存在が気になって仕方ないリサちゃんの内心がツボでした。あのギャグとシリアスの行き来が本当に上手い。最後の紫色の女性の登場で一気に空気が変わったのも、次の話が気になって仕方ない終わり方でした。カナちゃんとの会話がいつ実現するのか、すごく楽しみにしてます!