テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「ねぇ、知ってる?昨日の噂。」
「え。何それ。知らない」
…私が通う、青風学園には奇妙な噂話が流れている。
例えば…
「昔の卒業生で、誰も知らない名前が名簿に載ってたんだって」
「なんで今更?昔の事でしょ?」
「…ううん。…それがね、どこかの空き教室に呪いとなって出るんだって。…しかも、入った人は呪いの影響で、消えちゃうんだって」
「噂…ねぇ…」
休み時間。騒がしい教室の中、ノートと睨めっこをしている。別に、ノートに何か書くわけでもない。なんとなく開いているだけ。
「そんなの、都市伝説みたいなもんだと思うけどな…」
「噂」。この学校の名物といっても過言ではない。
毎回誰かが行って、「何もなかった」と笑って帰ってくる。
意味なく開きっぱなしのノートをしまい、教科書を適当に出す。次は物理。移動教室だ。
騒がしい教室が廊下に逃げていき、遅れて教室を出る。
4階から1階に降りる途中、不思議な事が起きた。
全く知らない少年を見た。
確かに青風学園の制服は着ている。しかし、顔を一切見た事がない。ここは高等部しか入れないはずだし、入学式の時に全員の顔は見たはずだから、間違いはないはず。
…じゃあ、一体あの子は?
「昔の卒業生で、誰も知らない名前が名簿に載ってたんだって」
盗み聞きした会話が頭の中でフラッシュバックする。
「もしかしたら…あの子が__」
「楠さん?そんな所で止まってないで。授業に遅れますよ。」
先生に声をかけられ、跳ね上がるほどびっくりする。
「ご、ごめんなさい…」
…放課後。噂になっている名簿を探すべく、生徒会長室の資料の中から探す。
黙って部屋に入った為、バレたら怒られる事確定である。
「生徒会長は怒ったら怖いからな…まぁバレないか!」
そんなノリで探していたら、一番古い名簿と一緒に、集合写真が出てきた。
…人数を確認する。
名簿には、計83人の生徒、写真には、82人が写っていた。
「…なにこれ。辻褄が合わないじゃん。」
休みがいるのかと疑ったが、わざわざ“全員で”と書かれているくらいだし、全員なのだろう。
資料を片付けながら、ふと思い出す。
「どこかの空き教室に呪いとなって出るんだって。」
空き教室は、高等部には3つしかない。
片付けが終わったタイミングで、深く深呼吸をする。
「さぁ、解明しに行きますか。」
勢いよく生徒会室のドアを開けた先には、笑顔で花蓮を見る会長が居た。
「楠さん?許可なしで生徒会室に入ったの…?」
「違います!!違いますから!」
そう叫びながら2階へダッシュする。
嫌な事が、起こりませんように。
コメント
1件
【リオン】 第1話、読ませていただきました! 噂話のフックがとても綺麗で、一気に引き込まれました。特に「名簿には83人、集合写真には82人」という不整合——このシンプルなずれが不気味で、設定の巧みさを感じます。主人公・楠さんの「さぁ、解明しに行きますか」→会長にバレてダッシュ、という緩急も人間味があって好きです。まだ掴みの段階ですが、この歪みがどう解けるのか、次が気になります。続き、楽しみにしていますね!
#御本人には関係ありません
桃 華恋🍑
37
#いじめ
るあ🩵🦊🌙
185
#近未来
鳳蓮荘
936