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「うっわ〜〜!ここ落ち葉めっちゃ積もってる〜〜〜〜!!!」
「こらHoola、まだ飛び込むな。整えてからって言ったろ」
休日の午後、学校近くの公園に集まったHoolaとHyehehe。
今日はふたりで「デカい落ち葉の山を作ってダイブする」という、
秋だけのアホっぽくも尊い計画の日だった。
「よっし!Hyehehe、うちがこの辺の集めるから、あんたはそっちお願い!」
「なんで命令口調なんだよ……ま、いいけど」
ふたりはせっせと落ち葉をかき集めた。
真っ赤なもみじ、オレンジの桜の葉、黄金のイチョウ……
秋の色が山のように集まって、ふわふわした宝の山になっていく。
「でけた〜〜〜!!よし、飛ぶよ!!!」
「ちょ、おまっ……!」
ズサァアアッ!!!
「うわぁあ〜〜〜〜〜〜!!!」
「わっ、まじで飛んだ!お前ほんとバカ……」
ふわふわの葉に埋もれて笑い転げるHoola。
その無邪気な笑顔を見て、Hyeheheもつい――
「ま、せっかくだし……俺も」
ザシャァッ!!
「っわ〜!お前も来た!?」
「うるせぇ、お前があまりに楽しそうだったからだよ」
空を見上げると、木々の隙間から差し込むやわらかな光。
落ち葉の山の中でふたりは肩を並べて寝転がりながら、
気づけば自然と手が重なっていた。
「なあ……Hoola」
「ん?」
「またこういうの、来年もやるか」
「うん、やる!!てか一生やる!!うちらずっと一緒だし!」
「……言い切るなよ。恥ずい」
ふたりはくすっと笑い合って、
またもう一度、落ち葉の中に身体をうずめた。
⸻
その日の夕方。
Hyeheheの家で、ふたりはココア片手にゲーム中だった。
「くっそっ!また負けた!!Hyehehe手加減してよ!!!」
「いや、ガチでやってんだけど……お前が下手なだけだろ」
「むぅ〜〜〜……じゃあ今度こそリベンジ!!」
ふたりの手にはゲームのコントローラー、
机にはマシュマロがぷかぷか浮いたホットココア。
寒い秋の夕暮れでも、部屋の中はあたたかかった。
それは暖房のせいだけじゃない。
ふたりの間に流れる空気が、優しくて、安心できて、あたたかかった。
「ふふ……なんかさ」
「ん?」
「今日、うちすっごく楽しかった」
Hyeheheはちょっとだけ目を伏せて、言葉を探すように黙った後――
「……おれも。お前といると、楽しいわ」
そう言って、ココアを一口飲んだあと、
そっと、Hoolaの頭に手を乗せた。
「また、こういうのしような。今度は冬だな」
「うん……ねぇ、ハグして?」
「……まじで甘えんのうまいなお前」
でも、断らなかった。
Hyeheheはそのまま、Hoolaをそっと抱きしめた。
あたたかいココアの匂いと、彼の体温。
Hoolaは安心して、目を閉じた。
「うち、幸せ〜……」
「知ってるよ」
どこまでも、やわらかい夜だった。
⸻