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side.元貴
恋人に黙ってる代わりに自分とも関係を持ってほしいなんて。
脅すことを思いつく俺はなんて卑怯だと思う。
けど車の中でりょうちゃんの手を握ったらもう離せなくて自分勝手な想いばっかりが募っていった。
若井と付き合いだしたのに他の人とも関係を持っているなんて。
せめて一途にいてくれたら俺だって我慢出来たかもしれない。
他の人とも出来るなら俺は?
俺はずっとその横顔を一番近くで見てきたよ。
気づいてないと思うけど、泣き顔も笑顔も怒った顔も寂しそうな顔も···いつも側にいたつもりだった。
それなのに、いつの間にか遠くにいたなんて。
部屋に入って叱られた時みたいに小さくなって、でもりょうちゃんは言い訳なんかしないで俺にハッキリごめん、と言った。
「なにに対して謝ってるの?」
「···全部、だよ。若井とのことも、亮平くんとのことも、僕が男性とそういうことしてるのも、全部」
その時ばかりは正直で俺に嘘をつけないところに苛立ってしまった。
疑いながらも、若井との行為をみてしまっても、僕がそんなことするわけないでしょう、といつもの感じで困った顔して、けど笑って欲しかった。
全部知ってるつもりでいた、俺の見てきたりょうちゃんは、あくまでも一部で知らないことのほうが多かったんだ···。
知らないことなんて無くしたい。
どんな風に恋人に甘えるのか。
どんな風に浮気相手に媚びるのか。
その唇のぬくもりも柔らかさも、俺だけ知らないなんて、許せない。
知りたい、わかりたい、触れたい、りょうちゃんの全部。
だったら、こうするしかないでしょう?
そしてりょうちゃんを押さえつけてその唇を奪った。
夢中になって息が苦しくたって、りょうちゃんが抵抗したって関係なく···ずっと望んだものを味わった。
そしてなんで、と震えるりょうちゃんに俺は言い放った。
「俺とも、しよう?若井としてるようなこと、あいつとしてるようなこと。そしたら俺は、黙っててあげる」
目を見開いて声も出せなくて震えるりょうちゃんの服の下にある滑らかな肌を撫でた。
柔らかいお腹を撫でて胸の突起に触れると微かに声が漏れた。
もっと聞きたい、もっと触れたい。
服を脱がせようとした時、りょうちゃんの手が俺を制止した。
「ま···って、ちょっと待って···!」
「なに···?やっぱりだめとか···」
「···そうじゃなくて···その、準備、とかしてないから···で、できないっ···」
顔を隠してぶんぶんと横に振る。
準備。少し考えてその意味がわかった俺は正直そこまで経験もなくて、ましてや男の人相手は無い。でもあの若井との行為や···言動、そして色々調べたからわかっていた。
けどあまりにも興奮していたからすっかり忘れていた。
でもりょうちゃんは震えながらも俺よりずっと冷静で、その上俺のことを受け入れる覚悟が出来たってことなんだね。
「···随分余裕、だね」
「そ、そうじゃない···けど···でも···」
「うるさい···俺にこうされるのなんて何でもないってことでしょ···余裕なんて無くしてやるから」
りょうちゃんはもう何度も若井にもあいつにも、もしかしたら他でもたくさん抱かれて、あの時みたいに喜んで··· そう思うと苛立ちで体が熱くなるった。
「や、ぁ···っ?元貴、やだっ···!ひ···やめ···」
その気になって無かったら、なんて心配は無用だった。ズボンと下着を脱がせると硬くなったそこはねるぬるとしていて先を掌で撫でてから根元をぎゅっと掴むと一気に口に咥える。
自分が気持ちいいと思うところを考えながら舌で舐めあげ、ぢゅっ、とぬるぬるとしたものを吸う。
躊躇いなんてなかった。
俺が相手でも反応してくれたこと。
やだ、と漏らす声の甘さ、ビクビクと反応するそこ。
逃さないように手で扱きながら奥まで咥えたり先を舐めてやったりとひたすら責めていく。
その度にりょうちゃんは体を震わせ、あの夜みたいに声を上げた。
何にもされてないのに、好きな人が自分の手で、舌で感じてくれていると思うだけで幸せで満たされていく。
「ほんとに、ほんとに···だめ、なの、イく···からっ··」
いっていいよ。
いっぱい、気持ちよくなってもっとって欲しがって。
強く吸って手で強くぬるっとしごいた瞬間、どぷとぷっ、と白いものを吐き出した。
「やだっ、見ないで、いやぁ···だめ、ごめん、ごめんなさい···っ」
こうなったのは俺のせいだっていうのにりょうちゃんは謝りながら、俺の前で恥ずかしい姿を晒す。
見ないなんて無理だ、こんなに魅力的で可愛いのに。
「もう、りょうちゃんってば···こんなので恥ずかしがってちゃだめでしょ?何回したら慣れるかなぁ?恥ずかしがってるのも、可愛いけど···次は最後までしようね?」
優しく頬を撫でる。
その目が嘘でしょって訴え掛けるように俺を見つめた。
「···今回でおしまいなんて、言わせないから」
1度は離れた彼が今は俺の手の中にある。誰にどう思われたって構わない。
絶対、離してやらないよ。
コメント
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第7話、読ませていただきました。元貴くんの内面がこれでもかと描かれていて、苦しいほどの独占欲がひしひしと伝わってきました。「知らないことなんて無くしたい」という台詞に、彼の溜め込んだ想いの重さが凝縮されていて、ぞっとするほど切なかったです。りょうちゃんが「準備」と言って一瞬冷静になるギャップも、感情的でリアルでした。続き、すごく気になります。