テラーノベル
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※高校生パロなので年齢操作をしています。
ハロー 廃酒わよ。
まだ挿絵と表紙絵を描けていないので、お話移行はちょっと待ってね〜ん 移行したらこっちであげた分は消すわ〜ん
ええ⁉️じゃあ、どうしてもう1話あげようとしているんですか❓手間じゃないですか❓💦
承認欲求の勝利 皆さんいつも♡やコメントをしてくれてありがと。
たのしんで!ご覧いただきありがとうございます。
Ⅰ.女神の娘
「聞いた?転校生くるんだって!」 最近、幾度となく聞いた文言。どんなに些細でくだら
ない噂話もすぐに広まるような村だけど、この話題を耳にする回数があまりにも多い。おそら
く女の子たちにとって、それは素晴らしく大切で貴重なんだろう。
大切かどうかはさておき、貴重だとは断言できた。こんな小さな村_貧しすぎるわけでは
なく、不足しても補える程度_にわざわざ住み移る人間など、相当な感性持ちかキチガイか、
鳥しかいないだろうと思っているが、まさか鳥ではあるまい。そうなると感性持ちかキチガ
イだけど、圧倒的に前者の方が関わりやすい。
そんなどうでもいいことを考えて数日。朝から異常なほどにクラスメイトが騒がしい。く
るのが今日ってことは、自分から知ろうとしなくても、すぐに理解することができた。
担任が入ってきて、水を打ったように静かになる。けれどまだ、例の転校生らしき人は見
えず、もう少しお預けらしかった。いつものように日直が挨拶をし、瞬く間に担任が話す番
になった。担任は転校生がきたと伝え(もう周知の事実なのにね!)、ドアに向かって入って
いいですよと話しかけた。
生きた奇跡。この世の美しい物を全て喰らい、己の血肉にして生きているんだと感じた。
歩いたところに星が舞うようだった。
入ってきたのは少女で、髪は短く、少し青みがかっていた。絵の具を塗ったような肌に、
すらりとした手脚。細いかと言われれば細いような、少なくとも余計に肥えているわけでは
なかった。
「こんにちは。隣の国から、きました、ジスです。」 透き通った綺麗な声で彼女は挨拶を
した。少したどたどしいが、それでも、どうせすぐに愛嬌へと変わる。美人というのはとんと
羨ましい限りだ。少し横を見てみれば、どこの席の誰もが目を輝かせていた。前に乗り出した
り、阿保の様に口をあんぐり開けている者もいる。自分でも気付かぬうちに眉を顰めていた。
まだ挨拶は続いてるらしいが、そんなこと、私には関係ない。もし私が人間でいていいならば、
前に立つ彼女はきっと女神だ。ふいと顔を窓の方にうつした。頬杖をつき、いつものように外
の景色をなんでもなく見ていた。自分の席は、やけに陽射しが強い。
朝のホームルームが終わると、すぐに彼女の周りに人だかりができた。女の子たちから響く
ような声があがる。彼女たちはよく学校で都会への羨望を語っているから、ジスの身に纏うも
の全部が珍しいのだろう。ジスの表情は全く見えないが、あの様子だと静かに優しく、一人ひ
とりの質問に答えてやってるんだろう。クラスの大半の女の子たちがジスの方へ向かったから、
私含む二、三人は、まるで退け者のようになってしまった。まあ、私に関しては今日だけでは
ないが。
私は一限目の準備をすると、また変わらず窓の外を見た。真っ当な感性と少しの素直さを持
ち合わせていれば、普段目にかかれない物を見たくないなどとは思わないだろうし、美しい少
女を何秒かじっと眺めてみたくなったが、私は決してそうしなかった。二週間もすればすぐに
忘れられるような話に気を取られているようでは自分が転校生を取り巻く背景の一部に成り下
がってしまうような思い込みで脳を支配されていた。既に背景だと言われればそうだろうが、
とにかく私にとっては重要だった。
お昼になると、また何人かの女の子たちがジスの席に集まり、昼食に誘っていた。中庭で開
かれる“お行儀の良い会合”では、それぞれの情報を相手に渡し、それを餌にしながら昼食を取
るんだろう。気分屋の女の子たちのことだ、そこに転校生を入れないという選択肢はなかった。
それに、彼女より優っているといえる唯一の観点が“学校“だ。持っている全てを、今日から数日
にかけてひけらかしてゆくのだろう。
当の人気者はというと、されるがまま、生まれたばかりのひよこのように女の子たちの後ろを
ついて行った。教室で昼食を取る者の僅かな会話が聞こえるだけで、あとはみんな好きな場所で
好きな相手と自由に食べている。
そのような関わり合いを、もう何年もしていない。理由は単純明快なもので__つまりは会合
を開くことができるくらい権力のある、カースト制度でいったら上位の女の子たちに嫌われてい
るからだった。特段何をしたってわけじゃない。ただ少しつった目と愛想の悪さと、そのほかど
こかしらの要素で不適合だとされたらしかった。
影響力というのは恐ろしいもので、たった数人に避けられただけでクラスメイト全員を敵に回
すのと同義になってしまう。それなりに理解がある者_例えば数人の男の子_もいたけれど、
興味をなさない不貞腐れた人間を庇うなんてのはそう長く続かなかった。そんなわけで、私はい
つも周りから一目置かれていた(これは悪い意味だろうけど)し、昼食時は外をふらつきパンとチ
ーズを齧るという始末である。ただ、授業にはきちんと出席をしていたし、定期考査ではそれな
りの点数を取っていた(得意科目だけ)ので、先生からは悪い印象を受けなかった_と、思いたい。
スカートを少し短くしていたことと、頻繁に廊下を走って注意を受けていることには目を瞑って
いただきたい。
いくら転校生がきたからって、時間の流れやそれ以外のことはいつもと変わらない。帰る時
間になって、また何人かの女の子たちはお昼と同じようにジスを遊びに誘っていた。成程。学
校だけでは飽き足らず、”村“まで武器にし始めたのか。 くだらない。彼女たちは私を”お行儀
の良い催し“には誘わなかったし、好都合なことに私も関心をもたなかった。また一人で帰って
好きなことをするか、部活動、または委員会に出席するだけだ。今日は前者だけど。
帰り支度ももう終わる頃、突然私の机の上に手が現れた。私より角ばっていて、骨がよくわ
かる。細くて爪の先まで綺麗な__思わず顔を上げると、そこには女神が立っていた。
ヤグルマギクより深い青が私を捉えていた。口元は微かに微笑んでいて、「お名前は?」な
んて言ってくるのだ。その後ろにまるで人間の様な文を添えてくる、この時は「まだ貴女から、
お名前を、聞いていないと、思うんです」だった。
確かに彼女に名前を教えた覚えはない。しかしあの女の子たちのことだ。危険人物というくくりで伝えていても
おかしくない。それでも、こいつは私の口から私の名前を聞こうとするのか。
そう思ったけれど、私は彼女の質問を完全に無視するのはむしろ、底意地が悪く不誠実で、
なにより私の品格を下げるような気がした。たとえもう悪くたって、自分からさらに悪くする
馬鹿はいないだろう。そんなわけで、片眉をあげて「チカ」と返すだけにした。嫌われ者の天
邪鬼が女神と交わす言葉なんてそれくらいで充分だろう。
コメント
2件
語彙力やばいね
やっぱ素質ありますよね?