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早く会いたくて家から寄り道せずに、杏ちゃんを迎えにいく。
玄関に着いて、前髪を指で押さえた。
深呼吸してから、インターホンを押す。
? 「は〜い。」
返ってきた声に、胸が一瞬で冷えた。
掠れた、聞き覚えのない男の声。
指先が強張り、インターホンから手を離せない。
こはね 「あ、杏ちゃんを迎えに来た小豆沢で す……」
返事はなかった。
代わりに、鍵の開く音がやけに大きく響いた。
視界をふさぐ影が、想像していたよりずっと近い。
顔を確かめようと見上げた瞬間_
足元の感覚が消えた。
気づくと、背中に冷たい感触があった。
息を吸おうとするが、うまくできない。
体が重く、指先に感覚が戻ってこない。
__杏ちゃん。
その名前が浮かんだ瞬間、喉がひくりと鳴った。
床に手をつく。
掌に伝わる冷たさが、ここが家じゃないと教えてくる。
遠くから、人の足音がする。
? 「こは、ね……?」
その声は、聞き覚えがある。
こはね 「杏ちゃん?……」
_To be continued