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プレゼント
【*Attention*】
skfn より 紫赤 / BL / nmmn / 口調違い等
状況ご理解できる方のみお楽しみください♪
俺は今人生最大のピンチに直面している 。
明日はいるまと付き合ってはじめてのクリスマス 。
ちょっとお高めのディナーに行き 、プレゼント交換をし 、いるまの家でお泊りしながら25日を迎えるデートプランだ 。
問題はプレゼント交換 。
今までも誕生日とか何気ない時にプレゼントは送り合っていた 。
でも今回は訳が違う 。
はじめて”恋人として贈り物をする”ということを変に意識してしまったせいで 、前日になっても何を贈ればいいのか迷い 、今もショッピングセンターをうろうろしている 。
赤「 あ 、これいるま好きそ… 」
目に入ったのは装飾の多めなネックレス 。
紫の宝石が鈍く光り 、彼のイメージカラーを想起させた 。
でもプレゼントにネックレスって重くね?
アクセって意味があったりしてよくわからんし…
赤「 決まんねー 」
アクセ類は避けることにして売り場を離れる 。
相変わらずぶらぶらと店を見て回ると 、とある店の隅っこで小さな雑貨が目に入ってきた 。
赤「 お邪魔しまぁす 」
紫「 はいいらっしゃーい 」
時はとんで24日 。
ご飯前からちゃっかりイルミを堪能し 、ディナーをぺろっと平らげ 、いるまの家に着いたところ 。
黒と紫を基調に 、いるまの好きなものがたくさん並ぶ部屋 。
いるまの匂いで溢れていて頬が緩んでしまうのは秘密だ 。
紫「 じゃーお待ちかね 、プレゼント交換のお時間と行きましょうか 」
赤「 うぇ 」
紫「 おいその顔なんだよw 」
赤「 選ぶのめっちゃ大変だったんだよ… 」
紫「 そんなに?
今までも誕プレとか色々あったやん 」
赤「 でも付き合ってからははじめてだから 、その… 」
紫「 変に気にしちゃったわけだ?w 」
赤「 みなまで言うなよぉ 」
全てを言い当てられてどんどん小さくなる俺の声に比例しているまの笑顔が増す 。
紫「 まぁまぁ(笑
はい 、なつ 、メリークリスマス 」
赤「 !
メ 、メリークリスマス !」
少しぎこちないメリークリスマスを交わし 、黒の包装紙に包まれたプレゼントがいるまのもとへ 、赤の包装紙に包まれたプレゼントが俺のもとへと渡る 。
紫「 先開けていい? 」
赤「 どーぞ 」
俺が悩みに悩んでいるまに贈ったもの 、それは…
紫「 え!くま!!かわい!?!? 」
くまのぬいぐるみだった 。
成人男性にあげるものとしては如何なものかとは思ったが 、真っ黒の身体に光る黄色の瞳と紫色のリボンがいるまっぽくて 。
それにいるまなら喜ぶって知ってたから 。
赤「 かわいーだろー!
よろこべよろこべ 」
紫「 これは普通に嬉しいわ!
めっちゃ俺みたいなビジュだし(笑
手に持ってる赤いハートはなつだな〜 」
愛おしそうにくまを撫でるいるまを眺める 。
俺にとってはそんな彼のほうが愛おしかった 。
悩んだ甲斐があったな 。
赤「 じゃあ俺の番!
開けるよ? 」
紫「 どーぞー 」
赤「 なんかこれ軽くね?」
紫「 それは開けてみてからのお楽しみ(笑 」
赤「 こわ〜 」
若干の不安を募らせながら小さい箱を開ける 。
赤「 …ん? 」
中には赤の太めのリボンが入っているだけだった 。
アクセって感じでもなさそう 。
わけが分からなくて送り主に目を向けると 、勝ち誇ったような 、楽しそうな表情でにやにやしていた 。
いるま歴3年半 。
俺はこいつのこの表情が何を意味しているか知っている 。
それは 、悪戯の成功 。
紫「 さてなつくん 、もう一つプレゼントをもらってもいいかな? 」
赤「 え 、ちょいまってちょいまって!
もしかして”アレ”やらせるつもり? 」
紫「 そりゃもうクリスマスですから
『プレゼントは俺』やってもらわないとね
最近ゆっくり時間取れてなかったしなつ不足なんだよな〜 」
赤「 いや理由になってないって! 」
紫「 やだ? 」
赤「 やだ!
ちょっとかわいい顔で言っても騙されねーよ!? 」
俺にアレをやらせようとしてくるいるまを全力で阻止する 。
紫「 ふーん
じゃ 、なつは今日俺からのぎゅー要らないんだ? 」
赤「 …え 」
話が違う 。
俺だっているま不足だし 、今日はぎゅーしたまま一緒に寝るつもりだったのに 。
赤「 それは…ちがうじゃん… 」
紫「 じゃあやってくれる? 」
赤「 くッッ 」
あまりにも不利な状況にひたすら絶望する 。
このままでは俺の負けだが… 腹をくくる前に1つ確認すべきことがある 。
赤「 一応聞くけど 、俺でいいんだな? 」
紫「 うん 。なつがいい 」
赤「 お前の恋人つっても成人男性な? 」
紫「 うん 」
迷いなく頷かれてしまった 。
最悪な展開でしかないが 、いるまが喜ぶならやるしかないだろう 。
赤「 はぁ 、じゃあちょっと廊下出てて? 」
紫「 あ 、俺が出ていくんだ 」
赤「 そりゃこんな事させるなら少し暖房のない場所で待つくらいしてもらわないと 」
紫「 そりゃそうだわ(笑
じゃ 、呼んでな〜 」
呑気な彼氏が廊下に出ていく 。
俺は大きく深呼吸をしてリボンに手をかけた 。
赤「 い 、いるまー!いいよー 」
紫「 はーい!開けるぞー 」
いるまが入ってきて視線が交わる 。
先手必勝 。
何か言われる前に俺は例の言葉を放つ 。
赤「プ 、プレゼントはおれ 、です」
あー!!!恥ずい!!!
マジで誰か助けてくれ!!!
心の中でひた叫ぶ 。
きっと顔も赤いだろうな 。
紫「 … 」
赤「 なんか言えよ!? 」
ぎこちなくリボンが結ばれた俺を黙って見つめるいるま 。
俺にこんな事させといて黙るとはいい度胸だ 。
そう思って少し不貞腐れていた時 、俺はいるまの匂いでいっぱいになった 。
紫(ぎゅっ
赤「 ぅわ 」
紫「 ほんとかわいい
ありがと
大好き 」
赤「 え 、ちょ 」
紫「 あーかわいい
好き 」
どんどん強くなる俺を抱きしめる腕 。
止まらない「 好き 」
こんなに素直に伝えてくれるなんて珍しくて 、さっきまでの恥ずかしさは喜びに変わっていた 。
紫「 これやってもらうか悩んだけど正解だった…
なんでこんなにかわいいん
大好きだよなつ 」
こんなに喜んでくれるなら来年からのプレゼントは俺だけでいいかもなーとか 、こいつ結局プレゼントくれてないなーとか 、色々言いたいことはあったけど 、俺も素直に応えることにした 。
赤「 俺も好き 」
そういって抱きしめ返す 。
紫「 はは 、ありがと 」
好きを交わすこの時間がたまらなく幸せた 。
いるまと恋人になってからはじめてのクリスマス 。
外は寒いだろうが 、俺はいるまに暖められながら25日を迎えた 。
俺にとってのプレゼントはいるまの笑顔だったなんて 、一生いるまには言えないな 。