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大森元貴から絡まれてから約1週間……

未だ勧誘には懲りないらしい。

頼む、先生。こいつを止めてくれ。

元貴「わーかーい!帰宅部はいろーよ!」

滉斗「( ˙-˙)スンッ」

元貴「帰宅部はいろーよ!」

滉斗「( ¯-¯ )スンッ」

元貴「若井!帰宅部はいろ……」

滉斗「っうるせぇ!」

元貴「うお、びっくりしたぁ」

あ、やべ。

ついイライラしすぎて大声を出してしまった……

元貴「まったく、若井って子は……つれないなぁ!」

滉斗「だ、か、ら!俺は帰宅部なんか入んねぇ!」

元貴「えー?でも他の部活入る予定ないでしょ?」

滉斗「っ……いや、サッカー部入る予定だし。」

元貴「うっそだぁ!絶対うそ!」

滉斗「はぁ……?なんでそんなこと……」

元貴「だって若井見学に行ってないじゃん。あ、見学行かないで行っちゃうタイプ!?」

滉斗「はぁ……違う。入んない。」

元貴「え、入んないの!? 」

驚いている割に、元貴の顔は輝いていた。

絶対あれじゃん。

「こいつ勧誘できそう!」

とか思ってそうじゃん。

元貴「入る予定無いなら帰宅部入ろ!」

フラグ回収早っ!

そしてこいつは折れないな……

何百回入んないって言えば折れるんだ……

滉斗「はぁ……いやだ。俺、廊下行っくる。」

元貴「え!ま、待って!」

滉斗「うるさい!ついてくんな!」

元貴「……っ!」







あぁ、俺、言いすぎたかな……?

……いや、これくらい言わないとどうせ折れないだろうし。

大丈夫、大丈夫な……はず。



こんなんだから俺、友達関係上手くいかないんだろうな……

小学校も、中学校も……

きっと、高校でも……






元貴「……ぃ!若井!大丈夫!?」

滉斗「っ!元貴……?」

元貴「あ……ごめん。話したくないんだよね……?でも、泣いてたから……」

滉斗「……え?泣いて……なんか……」

泣いてなんかないと言おうとしたが俺の口から出たのは嗚咽だった。

滉斗「っ…………」

元貴「あ、ごめん……大丈夫?そろそろ授業だしさ、教室戻ろ?行ける?」

滉斗「っ……うん……」

なんで俺泣いてんだろ……

かっこ悪いな……高校生にもなってこんなことで泣くなんて……

元貴「手、繋ご?」

滉斗「え……?なんで……」

元貴「俺ね、昔仲良かった友達から聞いたの。」


―――悲しい時は、泣いていいんだよ。甘えていいんだよ。


―――1番身近にいるのは家族だけど、2番目に近くにいるのは友達だと思うから。


―――友達とたくさん頼って、迷惑かけて、ぶつかり合うことも大切だよ。


―――だって友達は、家族も知らない君の顔を知っている時もあるんだから。


元貴「でも、俺、関わっててわかると思うだろうけど、空気読むの苦手でさ……」

滉斗「うん……」

元貴「他人の気持ちを理解するのも出来なくてさ……」

滉斗「うん……」

元貴「でも、寄り添うって言うことなら出来ると思って……考えた結果が手を繋ぐって行動だったんだけど……嫌、かな?」

滉斗「いや……大丈夫。」

そう言って俺は元貴と手を繋いだ。

周りから見たら子供みたいだろうだろうけど……

そんな恥ずかしさなんかなかった。

元貴の手は少し冷たいけど、俺にそっと寄り添ってくれる感じだった。






元貴「で、帰宅部の件なんだけどさ!」

滉斗「またぁぁぁぁ!?」


出会ってから1週間、

未だ帰宅部の勧誘は続いている。

うざったくて嫌だけど……



少し、楽しいと感じてしまう自分もいるのは事実だった。

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コメント

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メンタル鋼なの?大森節が炸裂してるな。へこたれないの凄いわ。

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