下校時刻の19時を少し回った頃。
校庭の照明もすでに落ちて、窓の外には夜の気配が迫っていた。蛍光灯の青白い光が、それに対抗するように煌々と部室を照らしている。
ぺたん、ぺたんという見回りの教師がたてるスリッパの足音が近づいてくるのを聞きながら、俺と海生は机の下で息をひそめた。
「まずくない?電気ついたままだし…」
「ここまで見にこないっしょ。消し忘れだと思うだけだよ」
足音がひときわ大きくなり、止まった。
俺と海生は無言で顔を見合わせる。
「誰かいるのかー?」
ドアが開く音と、低く間延びした声が同時に静寂を破る。
この声は2年の学年主任の今田だ。野球部の副顧問もやっていて、違反にはすこぶる厳しい。
隠れて正解だったと思いながら、俺はじっと危険が過ぎ去るのを待つ。
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