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・○○しないと出られない部屋
・梵天軸
・何でも許せる方向け
・通報NG
・諸注意
・蘭はる
・誤字脱字注意
《灰谷蘭さん・三途春千夜さん。ここは今からここに示されるお題全てクリアするまで出られない部屋です。お2人の準備が出来たらゲームスタートと仰ってください。この扉は全てのお題をクリア出来たら開きます。》
「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?」
辺り一面白い壁のこの謎の密室に、三途の絶叫が響き渡った。
―――
ズキっ”この何とも言えない謎の頭痛で俺、三途春千夜は目が覚めた。寝起きに頭痛がするのはヤクが切れているからしょうが無い。いつものようにベッドの横に置いてあるヤクに手を伸ばそうとするがヤクが取れない。それだけでは無い。俺はベットから床に落ちるほど寝相は悪く無い。それなのに俺がいる場所はベットの上では無く白い床の上だった。この時だ、今いる場所に違和感を覚えたのは。
「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?」
辺り一面、真っ白な空間に白い壁で一面だけ白いドアがあった。その上にモニターがあり、文字が映し出されている。そんな光景が視界の中では広がっていた。約八畳程の密室に俺1人……では無かった。
「…あ”ぁ…三途うるさい…」
俺の隣でもう1人…まだ目は覚めてないようだ。
「はぁぁぁぁ?何でてめぇもここにいんだよ。さっさと起きろよ灰谷ぃぃ!”」
「……だから三途うるさいって…」
よりにもよって、わけが分からない部屋に俺1人ではなく、俺の同僚…いや…部下の灰谷蘭と2人で同じ密室にいるんだよ。
よく思い出せ。ここに至るまで何があった…?まず昨日は数人の部下を連れて、敵対組織のアジトに行って組織を崩壊させた…はず…その後アジトに戻って報告書出して…家に帰って寝た…はずだ。
待てよ。昨日家に帰ったか…?ボスに報告書出してアジトを出た所までは覚えてるんだが…。そこからの記憶が飛んでる。
「……!?何で三途が俺の横にいんの?」
「俺も知らねぇよ。目が覚めたらこの部屋に居たんだよ。」
「は?」
「俺らはこの意味わかんねぇ部屋に閉じ込められたってワケ。」
「ん…で…?脱出方法は?」
「…チッ…あのモニターに書いてある。」
俺は唯一の出口のあるドアの上にあるモニターを指さした。
「…お題全てクリアするまで出られない…か。」
ど”ッ”
俺は一度勢いよくドアを蹴ってはみたもののビクともしない。力ずくで脱出する事は難しいみたいだ。
「…チッ」
「……ははっ…w…ビクともしねぇじゃん。春ちゃんって雑魚なんだね…w」
「…うっせぇ…死ねよカス。キメェ呼び方すんじゃねぇ殺すぞ。」
大体何でこいつは余裕があるんだよ。普通こんな状況で煽りとかしてる場合じゃねぇのに。まぁそうか…こいつ普通じゃねぇもんな。納得。
『準備は出来ましたか?』
モニターの表示が変わった。この妙な空間を操ってんのは誰なんだよ、気色悪りぃ。
「……チッ…さっさと終わらすぞ。灰谷」
「OK〜」
「「ゲームスタート」」
《この部屋は自分に正直になって、素直にならないと出られない部屋です。》
《今からいくつかの指示を提示します。全て正直に、嘘を着いたり誤魔化したり指示を無視し従わなかった場合、次の指示に進みません。最後のをクリアするまで扉は開きません。》
「…指示の内容によるよね。」
「ふざけた指示にすんなよ。」
《①好きな人は居ますか?Yes or No》
《※本当の事を言うまで次の指示に進みません》
「1個目からふざけた質問してんじゃねぇよ。」
「好きな人か…春ちゃんいないの?」
「居ねぇよ。それにキメェ呼び方すんなって言ってるだろうが。んで…てめぇは居んのかよ。」
好きな人なんて居ない。俺の事なんて何とも思って無いだろうし、逆に嫌われて居るだろうからこれ以上嫌われたくない。それは俺が自分の中でついている言い訳。ずっと自分の中で言い続けるはずだった。こんな状況であっても、俺は素直になる事は出来ない。それに嘘ついてるかどうか等、分かるはず無いのだから。
「春ちゃん本当に居ないの……?俺は居るけど。」
は?蘭好きな奴いるのか?そうか。そうだよな…。実は言うと俺の好きな奴は今目の前にいるこいつ…灰谷蘭だ。今の蘭の表情は何と言うか…そいつの事が大好きなんだな…って分かる優しいくてふわっとした表情だった。蘭は好きや奴にはこんな表情を見せるんだろうな。そいつが羨ましい。
「居ねぇって言ってんだろ」
「…ん…でも次の指示出てないけど?」
「壊れてんだろ。」
「…春ちゃん…?好きな人本当に居ないの?」
「…居ねぇから…それに春ちゃん呼びやめろ。」
「…今、目逸らしたでしょ?…居るんじゃない?好きな人。」
咄嗟に目を逸らしてしまった。やらかした。ていうかこの部屋怖ぇな。俺の心情何て丸分かりってか…。この部屋では言い訳…嘘は通用しねぇみたいだ。
「チッ…居る。好きな奴」
「…やっぱり居たんだ〜。で…誰?好きな人?」
「…言う訳ねぇだろ。」
《次の指示は、お互いの好きな人の好きな所を言ってください。ただしおおまかな色々、全部等と答えるのは無しです。それと、簡潔過ぎるのもカウントしません。》
何だよこの指示。何で恋愛系の質問ばっかりすんだよ。気色悪ぃ。
「…春ちゃんは好きな人のどんな所が好きなの?」
蘭はニヤニヤしながら俺の方を向いている。なんでニヤつけるんだよ。
呼び方を訂正するのは疲れたからもうどうでも良い。次の指示もふざけてるな。好きな人の好きな所…こんな事言ってどうなるんだよ。こんないつも煽り半分の奴に何で言わないといけねぇんだよ。まぁそんな性格含めて好きなんだけど。それに好きな奴に好きな所を言うとか何の罰ゲームだよ。あぁ言いたくねぇ…でもこの部屋から出る為には言う以外の選択肢がねぇんだよな。腹をくくれ…俺…。
「…残念な性格までも魅了する綺麗な面をしてるトコとか…普段はふざけた奴だけど、意外と人の事を見てるトコとか…」
あぁ…言ってしまった…急激に羞恥心が湧いてくる。恥ずかしさのあまり、俺は片手で顔を覆って下を向いた。蘭にまたからかわれると思っていたが何も言われない。不思議に思い俺は蘭の方を向いてみると蘭の頬が若干赤くなっており呆然としている様子だった。俺が今恥ずかしいはずなのに、何でお前が赤くなってんだよ。
「…次…灰谷言えよ。」
俺はもう言ったから次は蘭の番。蘭の好きな奴の好きな所なんて聞きたくない。だが、この部屋を出る為に聞くしか無い。
「灰谷?」
「…あ…ごめ…。俺の好きな人はね…とにかく可愛い。ツンデレなトコとか、不器用だけど頑張ってる所とか…他にも…顔が凄く綺麗。俺一目惚れだったかも……」
蘭が好きな奴を思い浮かべる表情は、絵になるくらい輝く瞳をしていた。パープルとアメジストの混ざった瞳がキラキラと。そいつの事、本気で好きというのがわかる。俺が知らない蘭の顔を知っているそいつが羨ましくて仕方がない。それに蘭の好きな奴に俺が勝てるわけなくね?蘭の好きな奴、蘭を一目惚れさせるくらいの顔面って…整いすぎだろ…。
《次の指示はお互いの好きな人の特徴をあげてください。(答えて頂くのは見た目です。)先程の指示と同じく、抽象的な回答はカウントしません。》
「…まだあんのかよ…」
「…何が目的なんだろうね。」
さっきの指示と似たような質問だな。それにしても俺今現在進行形で失恋してんだけど…。その傷を抉るような指示すんなよ。それに何だよ好きな人の特徴って…。蘭って分かるくらい特徴言ったら蘭に好きバレするし…でも抽象的な答えもダメ…この部屋クソうぜぇ。
「…灰谷から言えよ…。」
「…んー特徴かぁ…まず目が綺麗。まつ毛が長くて、透き通った瞳をしてる。それに肌は白いし、髪も長くてサラサラしてる。身長は俺より10cmくらい低いかな。…後…可愛い。」
「…多くね…?」
「まぁねー…愛は重い方なんで。三途にもこのくらい言って貰おうかな。」
蘭本当にソイツ(好きな人)事好きなんだな…。蘭の純粋(?)な気持ちが俺の失恋の傷に響く。俺が蘭から言えって言ったんだもんな…。俺も…言うしかない…。
「身長が高くて…ルックスが整ってる。」
…こんな答え方抽象的かもしれない…。でも本人の前で言うとか本当に羞恥心でいっぱいになる。…あぁやっぱこれだけじゃ次の指示に進まねぇな…。
「…後、笑った時の瞳が綺麗。」
……俺今何て言った?笑った時の瞳が綺麗…さっき蘭が好きな奴を思い出してた時の瞳が凄く綺麗だったから咄嗟に言ってしまった。恥ずかしい…。
さっきから蘭全然反応しねぇな。いつもだったらしつこいくらい絡んでくるのに…。今も、さっきと同様、頬が少し赤い。いやさっきから何でてめぇが頬赤くしてんの?俺が余計恥ずかしくなってきたじゃねぇかよ。
よし表示が変わった。
《最後の指示です。お互いの好きな人を言ってください。》
「「……は…?」」
蘭と声が重なった。そりゃは?ってなるよな。意味わかんねぇもん。今までの指示は何とかまだ答えれた。でもこの指示だけは答える事が出来ない。
「…無理」
「…えー何で?俺は言えるけどな〜」
俺、この部屋のせいで失恋の傷が抉られまくってるんだわ…。その傷にトドメをさす事は出来ないし、何より蘭に、好きバレしたら、バカにされるか、ドン引きされるか…またはその両方の場合も考えられる。流石の俺でも耐えられない。
「三途は何で言えないの?」
「……じゃあてめぇは何で言えんだよ。俺は…叶わない相手だから…言えねぇんだよ…」
「叶わない相手とか分かんないじゃん…それに、多分俺はの好きな人と両思いだから、直ぐに付き合えると思うんだよね…」
んだよ…。これ以上失恋の傷付けんじゃねぇよ…。良いよな…蘭は好きな奴と両思いで…
「何が言いてぇ…?」
「……だから…俺の好きな人は春千夜なの…。」
「今なんて…?」
「俺が好きなのは、梵天のNo.2で不器用だけどそこが可愛い…春千夜だよ…。春ちゃん俺と付き合ってくれる?」
待て待て理解が追いつかない……。蘭の好きや奴が俺で俺の好きな奴が蘭…。それを今蘭から告白されたと…。……まさか両思いとは思って無かったから聞き返してしまった。迷いの無い蘭の瞳を見て泣きそうになったと同時に、自分の顔が赤くなったのが分かる。
「……っ…お前何…言って…///」
「…可愛い〜春…?返事は…?」
「……俺も…蘭が好き///」
もう自分に素直になることにした。やっぱり自分に嘘はつけねぇし、つかしてくれないみたいだ。
そう言ったと同時に俺は蘭の腕に包まれた。少しタバコ臭い匂いと、それを打ち消す香水の匂い。その蘭の匂いが愛おしくて暖かい。暖かいと感じた時、零れそうになりながら必死に我慢していた涙が零れ落ちた。
「…え…?何…?春ちゃん泣いてんの…?…可愛い〜」
「泣いてね…ぇし…」
《全ての指示をクリアされました。表示していた通り、ドアを開けます。お疲れ様でした。》
―――
「……なんやかんや不思議な体験だったね…。」
「あぁ…あそこの空間は何だったんだろうな…」
あの不思議な体験をしてから3ヶ月。次に目が覚めると俺は蘭と部下の運転する車の中で眠っていたらしい。どうやら2人ともアジトに帰るまでの移動中に寝てしまっていたようだ。しかしこの不思議な出来事は夢では無かった用で、時々その話を蘭と2人ですることがある。これからも幸せを噛み締めながら生きていこうと思う。
「それにしても…何で俺とお前が両思いなの分かってたんだよ…」
「…あーそれね…。春ちゃんが俺に好意がある事…結構前から気づいてたんだよね…。春ちゃん分かりやすいし。」
部下が運転するこの車…運転席に部下がいて、後ろの席に俺と蘭が座っている。部下は気まずそうにしていたが、俺たちは気にせずに話続ける。
「例えば…?」
「春ちゃん何故か俺とだけ目合わせないよね…?」
「…無意識のうちに…目合わせてなかったのか…」
「他にもね、春ちゃんの寝言聞いた事あるんだよね…」
「……何て言ってた…?」
「…俺蘭の事好きだけど蘭は俺の事好きじゃないだろうから諦める…みたいなこと言ってた。」
「…ポーカーフェイス出来てなかったか…。俺はまさか蘭が俺の事好きとか考えた事も無かった…」
「…春ちゃんは鈍感だよね。」
「……は?俺鈍感じゃねぇよ。蘭がもっと分かりやすくしろよ。」
「えー俺結構分かりやすくしてたんだけどな…可愛いとか普段から言ってたり…」
「あれはバカにされてると思ってたわ」
「…鈍感…w」
「…ムスッ…」
「…可愛…」
キャラ設定
三途春千夜
梵天のNo.2。ヤク中でキレやすい。でも根は真面目で誰よりも忠誠心がある。蘭に口調が強いのは素直になれないツンデレだから。
灰谷蘭
梵天の幹部。マイペースでサイコパス。兄だからか、良く人の事を見ていて意外と空気が読める。本命童貞。春千夜の事は一目惚れ。
ここからは見なくていい主の後書き。
初めて1話完結の物語書いてみました。1話完結って難しいですね…。一応読み切りにしていますが好評だったら続きが出るかもしれません。色んな方を参考にして書かして貰ってるんでそこはご了承ください。この作品の似たような作品があった場合はすみません。余りにも内容が似すぎて、気になった場合は教えてください…。(作品を非公開にします。)最後まで見てくださってありがとうございました。言葉の使い方がおかしかったり、漢字間違いは気にせずスルーしてくれるとありがたいです。どうしても気になる場合は教えてください。