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リオは遥の前で足を止めると、キョロキョロと周りを確認してかは、遥の左手首を掴み、勢いよく走り出した。
しばらくの間、何が起きたか分からなかった遥は状況を理解し、リオに声を掛けようとすると、
「ねぇ、空き教室とかってどこかにある?」
と、走りながらこちらを振り向いたリオに聞かれた。
「空き教室なら…」と言いかけた遥だが、リオに手を握られている事に気づくと、また硬直してしまった。
「え、固まってる?あ、ここ空き教室っぽい」
遥が固まっている事に気づいたリオは空き教室を見つけ、急いでその中に入った。
「…もう行ったかな」
リオは取り巻き達が完全に通りすぎたのを確認してから、意味がわからず床に座り込んでいる遥に向き直った。
「ごめん、驚かせたよね?」
何とか少しづつ状況を理解した遥はこくこくと頷いた。
「知ってるか分かんないけど、ここの文化祭についての投稿があってね」
「その投稿にはるかちゃんが載ってるの見て、仕事サボって来ちゃった。」
え、と遥は声を漏らしたと同時に冷や汗が出てきた。
(や、やばい…男ってバレた?気色悪がられるかも…)
なんて思っていた遥だったが、次にリオが放った発言は想定外のものだった。
「急にごめん、もっと驚かせると思うけど、、、」
ゴクリと遥は唾を飲み込んだ。
「お願い!俺と付き合ってください!」
「…え、」
あまりのトンデモ発言に意味がわからず、遥はまじまじとリオの顔を見てから、
「えええぇぇ!?」
と、叫んでしまった。
「つ、付き合ってとは、どういう意味での…?」
「もちろん、恋人としてっ!」
なぜ自分に告白してきたのか、いくら考えたって分からない遥は本人に聞いてみることにした。
「あの〜どうして僕なんでしょうか…?」
「え、じゃあできるだけ簡単に話すよ」
「はい」
どうしても理由が知りたい遥は、どんなに長い理由だろうと聞いてやる、と考えていた。
「はるかちゃん…あ、ようくんか」
「えぇ?!」
遥は自分のことを『はるか』だと思っていたはずのリオが、なぜか本当の読み方を知っている事に驚いた。
「な、なんで、、」
「昔、俺が地下アイドル時代に教えてくれたでしょ?」
「え、僕のこと覚えててくれたんですか?」
まさか自分のことを、しかも随分前の事を覚えててくれていたなんて、思ってもいなかった。
「てか…」
「?」
「初恋の相手のこと、忘れるわけない、でしょ…///」
「………ん?」
「な、なに?///」
(初恋?誰が?誰の?)
しばらく脳がショートしていたため、理解するのに時間がかかった遥だが、
「僕が、リオくんの、初恋…」
「う、うん…///」
「ぼ、僕が、リオくんの初恋!?」
口に出してやっと理解した。
「あの、あんま何回も言われると、恥ずかしいんだけど…///」
「あ、ごめん、///」
「…」
「あの、話してもいい?」
「あ、どうぞ」
しばらくの沈黙の後、リオが話の続きを話し出した。
「俺が地下アイドル時代のライブ中に一目惚れして、握手会でくれた手紙読んで、何となく人間性が分かって、もっと好きになって、毎回ライブが楽しみになって、握手会も」
遥はそこまで言われて段々顔が熱くなってきたのを感じて、急いで両手で顔を覆った。
「でも、人気が出始めてから、会えなくなっちゃったけど顔を覚えてたから、だからこの前の握手会の時、女装してたけど雰囲気がそのままで、」
その時、遥はやっと自分を呼び止めようとした理由がわかった。
「だからあの時!」
「そう!でも時間のせいで残念ながら無理だった…」
「だから、どうしてもまた会って遥くんか確かめたかったんだ。」
「それで、あの投稿に女装って書かれてるの見た時に『やっぱり遥くんだった』って確信して今日ここに来たんだ。」
あまりの恥ずかしさに顔が真っ赤になってしまった遥はうずくまってしまった。
するとリオが
「遥くん、顔見せて」
と、遥にお願いした。
「…」
(こんな顔見せたくない!)と思った遥は何故だか段々涙が出てきた。
「お願い、返事を聞きたいんだけど、」
「無理です…」
「え」
言ってから遥は失言をしてしまった事に気がついた。
焦った遥は勢いよく立ち上がると、
「そういう意味じゃっ…!」
と、顔を隠していた事を忘れて弁解してしまった。
すると、
「やっとこっち見た」
そう言いながら微笑んで、遥の両手を抑えると、しばらく遥の顔を見て固まった。
「え、リオくん?」
なかなか動かないので、遥が声を掛けると、
「わっ!」
リオが遥を押し倒した。
「リ、リオくん…?」
「ねぇ、それって誘ってる?」
(さそう?サソウ?sasou?)
遥がまた考えていると、
「やばい、しばらく抜いてないから…」
「ごめん、早く答えて。襲っていい?」
急かされた遥は焦って「はいっ…!」と言ってしまった。
修正しようとした時には時すでに遅し、
「一応ゴム持って来といてよかった…」
と言いながら、右ポケットからコ〇ドームを取り出した。
「へっ///」
初めて実際見るものに遥が戸惑っていると、
「約5年も我慢してたんだから、覚悟していてね///?」
そう言いながら、リオは口を使ってコン〇ームを開けた。