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お久しぶりです…(>_<)
合わせる顔もないです本当にすみません全然更新してなくて…😭💦
気づいたら2025年…、恐ろしい。
いいねとフォロワー様信じられないくらい増えてて感無量ですありがとうございます !✨️
⚠︎︎内容が凄く鬱っぽいところがあります
苦手な方はブラウザバック推奨⚠︎︎
内容忘れてしまった方はお手数ですが最初から読んでもらえたら助かります……(土下座)
今回書き溜めてた為めちゃくちゃ長いですよろしくお願いしますm(*_ _)m
それではどうぞ〜 ✧︎*。
𓂃 ◌𓈒𓋪
「はじめまして、俺の名前は不破湊。
お前の、」
「…ダチだよ。」
”不破湊”
ドアの前に立つ、溜め息が出る程顔の良い銀髪の彼は自身をそう名乗った。
…俺の友達?
友達、か。
思わず頭を抱えたくなる。
あぁ悔しいな
やっぱなんも思い出せないや…。
彼は少し微笑んだ後、俺のベッドに駆け寄って来た。
「にゃはは!明那そんな無理に思い出さなくてええんよ。またゆっくりお互いのこと知ってこ?な?これからまたよろしくな!」
よろしくの握手のつもりか、手を差し伸べられた。
その手に視線をやる。
手を取るのを躊躇ってしまうくらい、細長くて綺麗な指。
手入れを怠っていないのであろう形の良い爪。
所々指にはめられている高そうな指輪。
私服も凄くセンスがいい。
俺こんなにかっこいい人と…。
窓から太陽の光が差し込んでいるせいか、眩しいくらいにきらきらしている彼の笑った顔。
…顔、マジで整いすぎじゃね?
「よろ、しくお願いします…。」
少しの戸惑いの中手をとると、一回り大きい手に優しくぎゅっと自身のてのひらが包み込まれる。
…手、あったかいなぁ。
初めてじゃないような安心感。
あぁ、きっとそうなんだ。
俺たちは”友達”だったんだって。
けど、彼の顔がほんの少し腑に落ちないような顔なのは一体何故?
もちろん、現在進行形で初めましてなばっかりの彼に、俺はそんな事など聞けずにいた。
「んはは〜wよろしくお願いしますってw敬語はなんかなぁ。むず痒いしタメでええよ?」
「えっ!あ、うっうん…!」
なんで、この人と話してると、
心臓が、変、だ。
壊れちゃいそうなくらい鼓動が早くなって
どきどきする…。
「あっ!てか明那、ほっぺのケガ大丈夫か?
こんなかわいい顔に傷なんてついたら俺嫌やわぁ…。」
「!?かわっ…、俺が!?」
「にゃはは〜まあでも顔に傷がついてても俺は明那のことめっちゃ好k…」
fw side 𓏸︎︎︎︎𓈒 𓂃
うわっ!
おっと、やべやべ…
危ない危ない…!
咄嗟に自分の口を塞ぐ。
「…??」
「明那は傷がついててもめっちゃ顔かわちいから!!うん!!」
「えっ、うん?ありがと…う?」
何とか誤魔化した。明那は頭上にはてなマークを浮かべて不思議そうな顔をしている。
うわ〜〜〜!//
やば俺マジでニヤけてないかな。
何気に明那と喋るん久々やもんね…。
それより!
明那に対するこの気持ちはもう閉まっておくって、さっき決めたばかりじゃないか…!
そんな事を俺が思っていると、それを遮るように明那が口を開く。
「あっ、あのさ…!」
「ん?どした〜?」
「俺…って、君のこと、何て呼んでた?」
「ん?あー、まぁ、ふわっちやな!」
「ふわっち…。」
「んはは!出来れば俺はまたふわっちって呼んで欲しいなぁ」
「…分かった!」
「これからよろしくね、ふわっち!」
明那が以前変わらない顔でふにゃっと微笑む。
ふと、記憶を失う前の明那と重なる。
明那のこの笑った顔、何時ぶりだろうね…?
あぁ…やっぱ好きだなぁ。
明那が好きなこの気持ちに誤魔化しなんて効かないよ。
でもまっじで幸せ。
見てよこのかわいい笑顔、ほんと守りたい。
俺がいつも何気にしてる
リスナーからよく指摘される
なんの感情もこもってないあの愛想笑いは
好きな明那の目の前じゃ出せないんだな。
明那は存在が特別なんだ。
𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
-次の日-
「あっきなぁー!きたよぉ〜!」
にこにこ顔で明那のいる病室のドアを開ける。
明那はまた昨日みたいに戸惑った顔をした。
「あっえっと…、どちら様でしたっけ…?」
(あ…。)
ズキ、と胸が強く突かれる。
(…そうだ、何忘れてんだ俺。)
決めただろ?
明那がどれだけ俺の名前を忘れようが、何度でも名前ぐらい、いくらでも言うって。
明那には俺が傍にいるって分からせるって。
けどそんなモヤついた感情は明那の前では出さずに、俺は間の抜けたような声でへらへらと笑った。
「んはは、ええんやで明那!無理に思い出さんくても大丈夫だからな?俺の名前は不破湊。ふわっちでええよ!よろしくな〜」
「ふわ…み、なと。」
明那が俯きながら俺の名前をぼそっと繰り返して言う。
「思い出せなくて、ごめん…なさい。」
明那が眉をきゅっと八の字にして、酷く切なそうな顔をする。
あぁ、その顔…。
「いや全然いいっての!んはは、頼むからそんな顔せんでよ〜。」
俺がそう言うと、明那がゆっくりと顔を上げ、
「もしかして、昨日も来てくれたりしました…?」
「ん〜…、まぁ来たな!来た来た!
てか大丈夫!明那が俺の事ちゃーんと思い出すまで、名前くらいいっくらでも言うから!減るもんじゃないし!あ、あと敬語禁止な?w」
「…!うっ、うん!ありがとう…。」
「そういえばさ、明那何も覚えてないんやろ?俺達の配信のアーカイブでも一緒に見て少しでも思い出そうや!」
俺は自身のジャージのポケットからスマホを取り出した。
「え…っと、俺って、ふわっちと一緒に何かやってたの?」
「んーっとなぁ、どっから説明したらいいんか…。まぁとりま、俺と明那は”にじさんじ”っていうVTuber事務所に所属していたんよね。あ、なんか間違えて過去形になってるけど、一応今もよ?w」
「にじさんじ…。」
akn side𓂃 ◌𓈒𓋪
ズキッ
「痛ッッ…、!?」
「!?どした明那!」
「いや、な、んか…今頭いたく、って…。」
「ぇえぇぇ…!!大丈夫か!?俺がいるからな!?おー、よしよし…!」
酷い痛みは今のを最後に、怖いくらい瞬時にして治まった。
(今の、何…。)
やはり主に事故のせいだろうか。
頭を一番強く打ったからな、当たり前か…。
大分モヤっとはするが、とりあえず忘れたフリをしてやり過ごそう。
「あ、もう大丈夫…!治った!」
「ふぁ〜…、それなら良かったわ〜。」
「…あ!えっ、とそれで、なんだったっけ?」
「あ、でなでなー?俺たちは良く一緒に配信したり、歌ってみた出したりしてたんよ。ふっふっふ…、けっこー仲良しペアだったんだぞ〜??ふわぐさなんて言われてw」
「…!そう、だったんだ…。」
明那がしょぼ、と悲しそうな顔をした。
「それなのに、思い出せなくて本当にごめん…。」
____あぁ、また、胸が痛い。
「いやいやいや!だから全然大丈夫やって!ゆっくり思い出してこ?な?」
「…う、うん。ほんとにごめん、ふわっちって優しいね。」
「んははなにそれ、なんか照れるなぁ〜」
でも、嬉しい。
俺こんな良い人と友達だったなんて。
記憶失ったら良いことなんて一つもないって思ってたけど、違った。
ふわっちが椅子を俺のベットの傍までガタガタと音を立てながら寄せて動かし、スマホを俺が見やすいようにとこちらに向けてくれる。
…距離、めっちゃ近い。
なんかいい匂いするし。
なんなのふわっち、
イケメンで優しくて気遣い出来ておまけにめちゃくちゃいい匂いとか…。
完璧過ぎて嫉妬とかそういうのもうないや。
彼の横顔を見つめる。
思わず見惚れてしまう。
あまりにも整った顔で、ずっと見つめていたら目がおかしくなりそうになる。
モテるんだろうなぁ確実に。
それにこんなに綺麗な人、絶対忘れる訳ないのに…。
「ま!アーカイブ見ようや!結構リスナーからもウケ良いしな?w」
「うっ、うん…!」
ふわっちが見せてくれたのは、楽しそうに言葉を交わす俺達で、
基本的に「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!」とか「ウワア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!」とか叫んだり、
下ネタを連発してたりしてるもんだから、
いやこれ俺ら大分奇人コンビじゃなかったのかと少し心配になった。
ピー音入んないとヤバいワード沢山あったし。
けど画面の俺は、
今の俺とは遠くかけ離れた表情で、
声色で…
リスナーのコメントが凄いスピードでどんどん上へと消えてゆく。
「うるせぇ」とか「てぇてぇ」などと、いちいち温度差が激しいリスナー達のコメントが飛び交っている。
今の時点で視聴者数は4.1万人。
俺達のファンが想像以上にいたことに驚きが隠せなかった。
(…今の俺じゃ、こんな元気に振る舞うこと自体笑い話だ。)
『もうそろ配信切るで〜!じゃあねッッ⤴︎︎︎⤴︎︎︎』
『おやすみッッ!!⤴︎︎︎⤴︎︎︎😸👋』
お互いの間抜けな掛け声で配信がぷつっと切れ、真っ黒な画面になった。
「や〜、我ながら騒がしかったなーwどうだった明那ー?」
ふわっちがスマホをポケットにしまいながら言う。
「えぇ〜、見たところなんかさぁ俺大分キモくてびっくりした…。」
「んははwww明那のこれは実際に会ってもこうだったからな?w」
「え”!?そうなの!?wしんどwwww」
「あ!今明那笑った!」
ぱっとふわっちが顔を覗かせる。
急すぎて少しドキッとした。
ふわっちの顔は妙にきらきらしていた。
「明那入院して記憶無くしてから、ずっと元気なさそうな顔ばっかしてたからなぁ〜〜…!!俺嬉しいよぉぉ〜!」
「そっか〜…。ふわっちに心配かけてたのかぁ俺。」
「とりま、元気出たっぽくて良かったわ!
あっやべ、もつこんな時間か。
ごめんな明那!面会時間過ぎそうやからまた明日な!」
「え、あ!うん。」
ふわっちは荷物をリュックにささっとまとめて椅子から立ち上がった。
(…もう帰っちゃうのか。)
明那がしゅんとした顔をする。
____やっぱ、どこか寂しい。
ぎゅ
「んぇ?」
「えっ?ん…?うわっっっ!!」
気がつくと、俺はベットに座ったまま立ち上がったばかりのふわっちの背中に後ろから抱きついていた。
咄嗟に勢いよくばっと離れる。
「イイイいやっ、いやいやいやいや!!
こっ、これは違くて!///なっ、なんていうか…、ふわっちが帰っちゃうの、俺少し寂しいってゆーか…!!」
ぱっと手を離す。
「〜〜〜〜ッッッッハァァァァァ………」(クソデカ溜息)
ふわっちがへなへなと床に倒れ込む。
「え!?ふわっちどした!?」
「いやもぉ無自覚にゃんこかお前は…!!
しんどいかわいい死ねる………」
「え!?いやいや死なんといて!?w」
「無理無理俺を今からここに埋葬して」
「えぇ…」
ふわっちが俺の頭にぽんと手を置く。
「ハァァァァァ〜〜、もぉ、大丈夫だからな明那!!明日も俺絶ッッッッ対来るからな!?!?例え干からびてふわみな干しになろうとも行くからな!?」
「ふわみな干しってなにww」
ふわっちがふらふらしながらドアの取っ手に手をかける。
「ふわっち、気をつけて帰ってね!」
「…!おん、またな明那!!」
ひらひらと手を振って、廊下へと繋がるドアの向こうへと消えていってしまった。
ガチャとドアがゆっくり閉まる。
(…明日も、来てくれるんだ。)
いつの間にか、これからふわっちがお見舞いに来てくれることが、今俺の唯一の救いで、楽しみになっていた。
記憶を失った俺に残されたものなんて何も無いと思っていた。
けど、これからはふわっちがいる。
大丈夫って思えるから。
(あ、やっぱ俺、顔赤い…。)
自身の頬に手を添える。
あつい…。
俺はこの感情の名前を知らない。
どうやらふわっちの顔を見ると、自然とこうなってしまうらしい。
何かの病気じゃないといいな、なんて。
ふと病室のサイドテーブルに目をやる。
(あ、これ…。今日も書いたほうがいいかな。)
俺はパラッとそのページをめくった。
fw side𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
(はぁ〜〜…///マジで明那可愛かったなぁ…。
ぎゅってしたよな、ぎゅって。
てか俺が帰っちゃうの寂しがるとか何なん可愛すぎないか本当俺の命日なんじゃないですか今日え?)
機嫌は上々で、俺は病院を後にした。
𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
次の日も、その次の日も、俺が明那の病室に足を踏み入れない日は無かった。
__相変わらず、毎回来るたび俺の名前は忘れてしまうけれど。
(…実際さ、明那が生きててくれるだけで幸せなんじゃないのか俺は)
何か足りない、何かが違うという、
どこか我儘な自分の気持ちは無かったことにして、それを無理やり心の奥に閉じ込めた。
「やっほ〜!あっきなー!」
病室のドアをガラッと勢いよく開ける。
明那がベッドから上半身を起こしたまま、こちらを見た。
そしていつものように、
(…毎日恒例の自己紹介といきますかねー。)
けどその日の明那の瞳はいつもと違って見えた。
その時、
「あ、えっ、と…ふわっち?」
えっ…
え!?!?
ドドドと俺は猛スピードで明那の傍に駆け寄った。
「あきなぁぁぁ!!??え!?え!?ようやく俺の名前と顔覚えててくれるようになったの!!」
「うっ…うん…!!」
「んっはぁぁぁぁぁ嬉しぃぃぃぃ!!!」
興奮が抑えきれない。
…嬉しい。
記憶が徐々に戻り始めてきてるのだろう。
あまりの嬉しさに明那の手をぎゅっと握り、ぴょんぴょんと跳ねる。
もしかしたら、記憶を失う前の事もこれから少しずつ思い出していけるかもしれない。
少しだけ、進めた気がする。
それから明那はたまに俺の事を覚えててくれたりすることがあった。
忘れちゃったりする日の方が、やっぱまだ多いけど…。
その度に悲しそうな顔をして目を伏せてしまう明那が、俺の胸を痛いほど締め付ける。
でも大丈夫。
明那も頑張ってる。
ずっと自分の傷と戦ってる。
俺はずっと明那の傍にいるから…
𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
-数週間後-
「やっふぃー!あきな今日も来たぞー…って、あり?」
病室に明那の姿は無く、しいんと静まりかえっていた。
(…?どこ行ったんだろ?)
病室のドアを開けっ放しにしているところに、顔見知りの看護師さんが廊下を歩いているのが見えたので、聞いてみることにした。
「さーせん!明那どこ行ったか知りませんか??」
「不破さん、どうも。三枝くんなら確か先程お手洗いに行くのが見えましたよ。」
なんだぁ、トイレか。
失踪したらどうしようかと思ったじゃん…。
「そうなんすね、あざっす!」
お互い解釈だけして、俺は病室のドアを閉めた。
4分くらい経過しただろうか。
明那はまだ戻ってこない。
(明那えらい遅いなぁ。もしや結構な感じのう○こかなぁ…。)
「…ん?」
明那のベッドの上に、薄い無地のノートが置かれていた。
(なんだろこれ。明那のかな…?)
表紙のタイトルには何も書かれておらず、まっさらな状態だった。
どうしよ、見たい。
めっちゃ気になる…。
(…少し、少しっくらい見てもええよな?)
許してくれ明那…!
どうしても嫌な好奇心が勝ってしまい、
そろーりとノートのページをめくった。
そこには少々がたついた文字が7行ほど綴られていた。
11月5日と最初の行に書かれていた。
…あ、これ明那が目覚めた日だ。確か。
日記だろうか?
こういうの見ちゃいけないかなぁ、やっぱ。
いや、でも気になる…。
(ごめんな明那!えっとなになに…、)
『11月5日
医者が記憶喪失だって。
自分が誰なのかも、何をしていたのかも全然わかんない。
どうやら、歩道橋の階段から落ちて、頭をぶつけたらしい。重症だって。医者は目覚めて良かったって言ってくれた。あー頭いてぇ〜
俺の名前→三枝明那(さえぐさ あきな)』
胸がズキと強く突かれる。
(…え?これって…。)
次のページを恐る恐るめくる。
『11月6日
朝早くからたくさんの人がお見舞いに来てくれた。かなえさんって人と、えくすくんって人と…、他にもいっぱい来てたけど、やっぱり全員は名前覚えらんなかった。女の人も来てくれてた。嬉しかった😢
あと、昼頃からふわみなとっていう人も来てくれた。俺たちは友達だったらしい。親友かな?ふわっちって呼ぶことにした。すごく優しくてかっこいい人だった。安心感パないから絶対俺らダチだったんだなぁって。
てか俺って結構友達いたんだ。みんなさいこう!!』
(え、照れる//
でもこれ書いてるのって明那、記憶が毎日なくなっちゃうからだよな?
いつ忘れても大丈夫なように書いてあるってこと…?)
また一つページをめくる。
『11月7日
ふわっちって人がお見舞いに来てくれた。俺、あの人のこと思い出せなかった。帰ったあと、このノート見返して少し思い出した。罪悪感凄い。
本人が言ってたけど、昨日も来てくれたらしい。優しい人。
少しずつ思い出してこうって言ってくれた。
俺たちはにじさんじっていう、VTuber事務所に所属していたらしい。動画のアーカイブも一緒に見た。以外にも沢山の人が見てくれてたらしい。俺ら、がちで凄かったんだなぁ。』
…そうだよ、俺たちすごかったんだよ。
『11月11日
ふわっちが今日も来てくれた。今日は来る前にこのノート見たから顔と名前思い出せた。本人も喜んでくれてた。よかったぁ。
あとポッキーの日っぽいら「コンビニでポッキー全種買ってきたー!」って色んな味めっちゃ持ってきてくれたわらう😂
このノート見る限り、ふわっちの事が毎日書いてあるもんだから、ずっと欠かさずお見舞いに来てくれてるんだって分かる。嬉しいなぁ。今日も朝目が覚めたら自分の名前忘れてたから気をつけたい。』
あれ、次の日急に字が粗くなってる…。
『11月12日
今日もふわっちのこと思い出せなかった
なんでなの
俺、どうしよう
もう嫌だ
自分がいやだよ
大切な人の一人も思い出せない役立たず
自分の名前もまたわかんなくなっちゃった
これで何回目だ
おれって何
だれなの何がしたいの
ばかばかばかばかばかばか使えない頭で思い出せはやくはやくはやくはやく
あの人達の名前もあの日あった出来事も
なんで思い出せないんだふわっちとの全部
なんでわすれちゃうの?わすれたくないのに
大切なことなんだ覚えていたいんだよ
悲しいよ悔しいよこんなの
つらい苦しい
生きていたくない生きていたくない生きていたくない生きていたくない生きていていたくない
こんなんなら
もう
死んじゃいたい 』
____
『11月13日
今日も何も思い出せなかった。
このノート見返してあぁーってなることが出来るけど、やっぱり自力で思い出せるようになりたいなー。
ちゃんとふわっちのこと
覚えてたいのに、
どれだけ頑張っても
どれだけこの使えない頭で考えても
また目が覚めたら
俺の中にふわっちは
居なくなってる
やだ、やなんだよ俺
寂しいんだ思い出せないのが、なんで思い出せない?』
『何もわかんないよ俺なんて、おれなんていなくなっちゃえばいいのに』
『つらい、今日も頭痛』
『しんどい、嫌だ、みんな俺の周りからいなくなんないで』
字が徐々にがたついていくのと同時に
序盤で書かれていた日付すらもう今のページには書かれていなくて
ただ最後らへんでは文字が1文字もなく
紙も破られたりぐしゃぐしゃになった状態だった。
紙の端っこが、微かに点々と湿っている。
あ、これ俺の涙?
落ちてゆくそれは、まっさらな紙の上にぽたぽたと垂れて、じわじわ滲んで広がっていく。
あーあもう、最近明那のせいで、
涙腺ゆるゆるなんよなぁ、俺…。
明那俺が思ってるより、ずっとずっと記憶が取り戻せないこと悩んでたんじゃん。
知らなかった
全然何も分かってないよ俺も
無力な自分に腹が立つ
気づけなくてごめん、しか、いえない。
大切な人の事を思い出せないのがどれだけ辛いことなのか。
そんなんで今、息をしている明那
ほんとにほんとに
記憶が消えてしまった事が何よりも悔しくて
何も知らない、思い出せない自分に
毎日イラついて
腹が立って
どうしようもなかったんだ
ずっと明那は自分と戦ってたんだ
ほんとに今更だけど俺さぁ、
明那の支えになれてたかな…?
少しでも、明那を救えてたかな…。
この文面じゃ、そんな気がしないんだよ。
ほんとごめんな。
それがさ
不安で不安で仕方ないんよ。
一人、鼻水をすする音が病室に響き渡る。
死にたいだなんて言わないで
お願いだから…
お願いだから明那、俺のために生きてよ
死んじゃいやだよ…。
(…ノートは、明那の為にも見なかったことにしておこう。)
俺は明那のノートを、そっと元の場所に戻しておいた。
𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
しばらくして、明那が病室に戻ってきた。
「…!あっ、あれ〜!
え〜っと…」
病室に入った途端、俺を指さして考える仕草をする明那。
「ふわ…、ふわっち!!」
「そう!そうだよ明那!んふふ、今日は思い出せたね♪」
「いぇーい」
ほら、分かんないよ。
こんなに元気なフリしてるんだもん。
演技が上手すぎて気づかないよ…。
でも本当は辛いんだろ?
俺言って欲しいよ、
本心を明那の口から聞きたいよ。
けどもちろん無理にとは言わない。
明那のタイミングがあるから、俺いくらでも待つよ。
…だから、いつか話してね。
明那がベットに座る。
「いや〜、まじ久しぶりに出たわ〜快調快調w」
「んははなにそれ、良かったなー明那ーw」
やっぱう○こだったか、こんだけ遅ければそんな気がしてたけど。
取り繕ってる明那の表情が途端に切なくなって、今自分がどんな心情なのか分からないまま、明那のほっぺを触る。
信じられないくらい肌がすべすべしていて、明那の可愛くてあどけない目と目が合う。
その瞬間、心臓が甘く囁いた。
綺麗なブルーグレーの目。
明那は少しきょとんとした後、にこにこしながら俺の手に顔をすりすりと寄せる。
「ふわっちの手、俺好き〜!」
「…ッ//」
やばい…、なにこれ4ぬほどかわいい。
小動物か?いやにゃんにゃんだな。
(……。)
思い出してくれないかな
今までのこと
分かってる。
それがどれだけ明那にとって大変なことか、困難なことか。
例えば一緒にフォールガイズやった時のこととか、歌ってみた出した日のこととか…。
どんなにくだらなかった事でもいいからさ。
出来ることなら、あの日のことも思い出して欲しいなんて……
____『も〜!ふわっちったら酔ってるの〜?てか酔わなきゃそんな事言わんよねwそりゃふわっちは友達として好きだよ〜!もしかしてねむねむにゃ…』
____『違う!!!』
____『…どうしてっ、?…違うのに!!どうして分かってくんないの…?ッあきなぁ…。』
胸が締め付けられるような言葉が飛び交うあの場面が、脳裏に焼き付いて離れない。
今となってそれが鮮やかにフラッシュバックする。
お互い辛かったけど、
今ではあれが俺の気持ちのぜんぶだったんだなって思うんだ。
思い出すの、ゆっくりでいいなんて言っちゃった、俺。
そんなん本音じゃないくせにね__。
本当はね、
本当は、俺も忘れて欲しくなかったんよ。
おねがい、もどってよ______
ぎゅっ
「!ふわっち……?」
あきながきえちゃいそうで
こわい
このまま俺が離したら
ぱって消えちゃうんじゃないかな
明那の痩せ細ってしまった体をぎゅうっと抱きしめた。
折れちゃいそうなくらい痩せた。
ストレスか、病院食も喉を通らないってさっきの看護師さんに聞いた。
これ以上強く抱きしめたら、明那壊れちゃうかな…?
あー俺、わがままでごめんなぁ
明那、また目を覚まさなくなっちゃうんじゃないかな…?
また、俺のせいで酷い怪我させちゃうんじゃないかな…?
笑えてくる。
いつからこんなネガティブ思考になったんだろうか。
明那を好きになってからか?
いや、それは幸せなことのはず。
(…自分の責任でしかないよな、こんなの。)
俺は何も口に出来ないまま、明那の体を離さないでいた。
少しの間変な沈黙が続く。
それを遮る様に、明那は抱きしめられてからずっと驚いた顔だったのがすぐ様いつものような笑顔になり、
「えへへ、どーしたのふわっち〜w
今日は甘えたなん〜?」
「…ッ //」
もう頭ん中明那でいっぱいで、照れ隠しなのか明那の肩に突っ伏している頭をぐりぐりさせた。
「ふははっwふわっちくすぐったいよw
よーしよし〜!」
明那が俺の後頭部を片手でわしゃわしゃと撫でる。
俺の元からパヤパヤした髪の毛が、更にパヤパヤした。
いや可愛すぎるだろ…、何お前。
はぁ…本当、病院内で襲っちゃいますよ?
んー…てかあきなの中、いい匂いする。
あの時のあきなんちと同じ、
優しい匂い。
明那の俺を撫でる手があまりにも優しくて、泣きたくなる。
これ、目の力抜いたらまた涙腺ぼろっといくやつよね〜。
あー、よくないよくない。
「…あきな、あったかいね。」
喉の奥底から力を込めて出した言葉がこれだ。
「んふふ、ふわっちもあったかいよぉ〜!」
明那が俺の背中を優しくさする。
お互いぎゅーし合っているこの状況が
なんかもう本当に幸せ過ぎて
俺たちのこの空間だけ、
永遠に時間が止まってしまえばいいのにとさえ思った。
ねぇ、明那教えて
俺このままずっと、明那の側にいてもいい?
これから俺
明那と同じ事務所に所属してる仲間として
ダチとして
一緒にここにいてもいい?
こんなちっぽけでさ
わがままな俺を許してくれる?
いや…、待ってよ
俺のばか、うそつき
ダチのままじゃ、
ずっと
ずっと
物足りなかったじゃないか
「明那」
「ん〜?」
あぁ、やっと
「好きだよ」
「…へ?」
言葉が
「…ッ、大好きだよ」
溢れて止まんない
「ほんとどうしようもないくらい…、
好きなんだ俺、明那が。
グスッ…、すき、だいすき…。」
「もう俺明那を突き放したりしないから…、だから…
俺のこと忘れないで…。」
こんな怪我させて、よく言うよな
「離さない、離させないから…。」
あれだけつき離したくせに
罪悪感が身体中を駆け巡るのと同時に
俺の頬に生温い何かが滴る。
あぁもう、また涙が…
泣き虫だな
必死に伝えようとするせいで
声に力が入って
震える
これで2回目の告白かな____
「…ねぇ、明那。明那は俺の事、好き?」
akn side 𓏸︎︎︎︎𓈒 𓂃
ふわっちが、俺の事を好き……?
頭が混乱してる、
だってあまりにも急すぎて。
状況が整理できない。一体いつから…?
___もしかして、俺が記憶を失う前から…?
ふわっちの紫とピンクが入り交じった大きな目からぽろぽろと涙が零れる。
それが息を呑むほど綺麗で、頭がショート寸前だ。
「…ねぇ、明那。明那は俺の事、好き?」
え…?
あれ待って…、
この言葉どこかで聞いたことがあるような…。
いや、
聞いた。
_____何かと、重なる。
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