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開けた地へと着くとどうやらそこが会場らしく、広すぎて迷いそうだ。

キョロキョロと辺りを見渡しながら受験番号とあった席を探して座る。


大人しく復習をしていると、何だかザワザワと周りが騒がしい。

いつの間にかプレゼントマイクの話も終わっていたらしく、勿体ないことをしたなとは思いながらも反省も後悔もしていない。


チラリと視線だけを騒がしい方へと向けると主体となって全体的に良くも悪くも真面目を体現した様な眼鏡の男子生徒と、おどおどとして顔色が真っ青な、どこが見覚えがある緑のもじゃもじゃとした髪の毛にくりくりとした丸い瞳にふと小学生の頃を思い出す。


「⋯あ、そう、そうだ。 ⋯緑谷、出久だ。」


思い出してスッキリとしたので、庇う訳では無いがあまりにもこの状況がなんだか可哀想に思えるので、あえて空気を読まず音を立てぬように立ち上がり声をかけに行く。

知人の好ということで。

トッ、トッ、と軽く階段を降りて周りの見ている人達を掻き分けて騒ぎの中心へと近づきにっこりと笑って緑谷の肩へと触れて少し声を張って話しかける。


「まあ、⋯そこまでにしてさ。 ここは僕の顔を立てて落ち着いてくれない?」

「誰だ、君は?」

「え、⋯え?」


いきなり会話に割り込んできた自身に両者とも困惑しながら視線を向けてくる。


「緑谷の旧友ってところかな。 それよりもさ、⋯注意してたり、傍観してる時間があるくらいなら勉強しなくてもいいの ? 相当筆記に自信があるんだね、凄いなあ。」


そうわざと周りも含めて少し煽るように言ってしまうのは僕の悪い癖だが、ここでは案外良い方へと出たらしい。

少しぐぬぬ、という感じで顔を歪めながらも確かにな⋯と納得してくれたっぽいのでこれで静かになるな、と満足した僕は席へ戻ろうとするとブレザーの裾を緑谷に掴まれる。


「あ、ご、ごめんね。 ありがとう⋯えっと⋯、君は⋯?」


なんて名前を知ってるの、という困惑しているのが瞳から見て取れる。

ざっくりと3年は顔を合わせてはいないし、覚えていないのも当然だろう。

これ以上警戒させない為にも社交向けの人好きのする優しい笑顔をする。


「⋯僕の自己満足でやった事だから、別に⋯感謝されることでも謝られることでもないよ。 ”キミ”も⋯そんなことよりも、早く席へ戻ったほうがいいよ。」


わざと名前を呼ばずにそう言って、緑谷はいつの間にか手を離していたので今度は掴まれない速さで自身の持ち場へと戻る。

試験開始までもう時間は無いが、これまでの自身の努力を振り返ると何だかいけそうな気がしてきたので深呼吸をして時を待つ。


筆記試験の開始の合図が鳴った。










余談というか追記というか⋯

夢主ちゃんの立ち絵や設定いりますか?

コメントして教えてくださると嬉しいです。

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