今日も俺は走って
家 の近くにある海まで走っていく
そして海に着くと
こちらに気付いた彼女が少し振り返り
「………おかえり、めぐろ」
ねぇ見た?、可愛い
リピートアフターミー
可愛い
思わず彼女に向かって海に飛び込むと
「、ぉっ…と」
少し驚きながらも俺を濡らさないように
しっかり抱えてくれた
それがたまらなく嬉しくて
彼女の頬を両手で包む
目黒「ただいま、ソル」
〝ソル〟は俺がJrの時からの
…もう十年以上、付き合いのある
〝人魚〟だ
きっかけは俺が崖から海に落ちて
それをソルが助けてくれた事で
もう此処には 来てはいけないと言うソルを
フル無視して通い続けて今になる
学業とジャニーズの両立が出来なくて悩んでる時
なかなかデビュー出来なくて不安や焦りで押し潰されそうな時
失敗が続き先輩達に怒られて凹んでる時
いきなり新チームに加入が決まって整理ができない時
周りの風当たりが強くアンチが怖くて堪らなかった時
仕事が上手く回らなくて心が折れそうな時
黙って俺の話を聞いてくれた
それを思い出すとどうしても抱き締めたくなり
またソルを目掛けて海に飛び込んだ
いきなりだったけどまたしっかり抱えてくれた
抱えてくれた腕は人間とは違い
水から露出している部分は所々
鱗が浮き出てきており
下の方に目を向けると
浮かぶために動き続けている鰭
首にはエラがあり
人間の耳の代わりに鰭耳が生えている
肌は青白い
それすらも愛おしくて更に強く抱き締める
「めぐろ」
「離して」
目黒「……えー」
「明日も仕事あるでしょ。」
目黒「…分かった」
砂浜に上げるとソルは海に潜り
暫くすると首まで出した
「そろそろ帰って」
素直じゃないんだから
ま、そこも可愛い。らぶ
目黒「分かった。また明日も来るね」
「来なくていい」
目黒「ほんとは来てほしんでしょ」
「違う」
下から睨みつけられるが全く怖くない
だって口がモニュモニュしてるんだもん
目黒「じゃぁね、おやすみ」
「…おやすみ」
海に潜って行ったのを見届けると
俺は近くにある家へ帰る
これが毎日のルーティン
ソルと居られるのは夜だけで
時間は数十分、少なくて数分しかない
だけどこの時間がたまらなく好きだ
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