太宰 紅。
私は其の名前を聞いて背筋が凍った。
私と同じ名字の人物は一人のみしか考えられないのだから。
きょとんとした幼いような顔を此方に向けている。
「因みに、貴方のお名前は…?」
「あぁ、すまないね。」
私の名前は太宰治、と答えると、
「そうだったんですね…笑 貴方が…」
どうかしたのかい?と聞くと
「あぁ、否、貴方が前職ポートマフィア最年少幹部の治さんだったのかと納得しただけです」判ったことが一つ。
瞳の奥が嗤っていない私の黒の時代の時ととても似ている。真逆昔の私が反射(コピー)されたように。
「行きましょうか笑」
太宰紅は太宰家の隠し子であり、
人の心を持たない無感情の朱の翼を持つ
『Red grim reaper』
通称、『朱の死神』と呼ばれている。
異能力名は不明。何故なら、見られたら
全員始末されるからだ。
「どうしたんです?笑」
「嗚呼、すまない。考え事をしていてね…笑」
考え事をしている時に話し掛けられると矢張り吃驚してしまう。
「治さんの考えたことは、僕の正体ですね?」
……え?
何故此奴は私の考えを見抜いた?
否、表情は変えていない…見抜けないはず…なのに何故…?
「…ふふっ」
「判りやすいですね。治さんは」
「教えます。其れは、心拍数と体温、喉の動きなど動きかたで判ってしまうものなのですよ笑」
今思った事なのだが、この子…
鼠のフョードルと猟犬の条野にとても似ている。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!