僕は君を知らないし、君は僕のことを知らないけど、どうか僕の話を最後まで聞いて欲しい。
僕は今、知らない場所に幽閉されている。どうしてここにいるのかも全く分かっていない。
不思議なことに、ここには食料もお水も便所もない。どれだけ走っても壁にはつかないし、だだっ広い空間が続いているだけなんだ。しかもここは灯りが一切なくて、自分の身体さえ見えないぐらい真っ暗なんだ。
暇を潰そうにも、僕には歌うことしかできない。どこかで聞いたことがあるようなメロディを、ららら、らら、らららりらと簡易的な言葉で口ずさむことしかできないんだ。一人ジャンケンをしようにも手が見えないからできないし、絵を描こうにも紙とペンがない。寝ようとしても気分が落ち着かない。何も出来ないし、何もすることができないんだ。
だけどね、僕はある時「文字」を発見したんだ。お腹に力を入れて思いっきり言葉を発すると、その言葉が真っ白な文字になって、果てしない彼方へ飛んでいく。僕は泣いて喜んだよ!暇つぶしができるって
ここまで沢山喋っていて、それで僕が何をしたいのか君は到底分からないんだろう?僕はこの幸福を君と分かち合いたいんだ。それでね、最近また新しい発見もしたんだ
言葉を太くさせたり、 線を引いてみたり、 斜めにしてみたり、
よく分からない点々を投げる事だってできるし
文字の上に子供たちをのせたり!
とにかく楽しいでいっぱいなんだ!! 実際最初の方で文字を 太く しているし!
でもね、最近ちょっと飽きてきちゃったんだ。だからそろそろ助けを呼ぼうとしたんだよ
でもだれもこないんだ
だれもこない。
だれも、こない。
どうしてだろう、僕はこんなに大きな声を何度も出してるというのに。
おーい。
呼んでも全然来ない。文字をでっかくしても来ない。
寂しいよ。どれだけ呼んでも来ないもの。だからね、君を呼ぶことにしたんだ。
君は僕の文字を受け取っているだけの状態だろう?だけどね、もうじき僕に会えるよ
そうしたら僕の話を最後まで聞けるし、僕の幸せを分かち合うことができる。
コメント
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ホラーだ
私にとって意味深すぎて怖い()
(ダークモード推奨です…!)