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開かない

開かない、開かないのだ。海外土産で貰ったこのジャム、ベリーをふんだんに使ったこの美味しそうなジャム。しかし、ビンが開かない。

右に回す、開かない。

左に回す、開かない。

蓋には英語で回して開けると書いてあるはずなのに。なんなんだこれは、これを私に寄越した奴はおちょくっているのか。それとも、何か特殊な道具を使わなければ開かないというのか。

特殊な道具…幸い、私の仕事は建設関連。開けるために道具を用意するなど容易いことである。しかし、回して開けると書いてあるのに道具を使って開けるのはくやしい。しかし中がどうしても気になる、食べてみたい。究極の選択。

こんな選択を迫られるのはいつぶりだろうか。

選択…といえば、私の人生を思い返してみれば、私は常に選択を誤ってきたと思う。高校の文理選択では、苦手な英語から逃げるために理系を選択したのに、数学が出来ずにテストでは赤点を取ったり、しかも英語の時間数は変わらなかった…。選択を間違えたせいで彼女にも振られた。

だけどチャンスが巡ってきた!この選択を間違えないことで今までの自分とサヨナラしてやる!だから私はこれを…こじ開ける!!!

道具を使いビンを開けた、うん、美味しい、期待通りだった。私は始めて正しい選択を出来た気がした。

すると、このジャムを寄越した知人から電話がかかってきた。

「あのジャムの事なんだけど、一応開け方説明しとくわ。適当な袋に入れて回すの。そしたら遠心力で蓋が空いて、さらに中身もちょうどよく混ざってるってワケ。まさかとは思うが、お前こじ開けたりしてないだろうな…」

私は英語が苦手だった。

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