次の日、優真は少し緊張しながら教室のドアを開けた。蓮は自分の席に座り、窓の外を眺めている。優真の姿を認めると、ほんの少しだけ目線を合わせた。その一瞬のアイコンタクトが、優真の胸を高鳴らせる。
授業中も、優真はつい蓮を目で追ってしまう。ノートに書かれた蓮の横顔は、優真にとって何よりも大切な宝物になった。
放課後、勇気を出して蓮の席に近づいた。「あの……今日、何か予定ある?」
蓮は少し驚いた様子で顔を上げた。「特にないけど……」
「よかったら、一緒に帰らない?」優真の声は、少し震えていた。
蓮は少し考えてから、「うん、いいよ」と答えた。
帰り道、昨日の雨の日とは違い、空はすっかり晴れ渡っていた。並んで歩く二人の間には、まだ少しぎこちない空気が流れている。優真は、何か話さなければと思いながらも、言葉が見つからない。
沈黙を破ったのは、蓮だった。「昨日、傘、ありがとう。助かった」
「どういたしまして」優真はほっとして笑った。「あれ、僕のなんですけど、よかったら、もしまた雨が降ったら使ってください」
蓮は少し考えて、「うん、ありがとう。でも、今度雨が降ったら、僕も傘持ってくるようにする」と言った。
その言葉に、優真はなぜか少しだけ寂しさを感じた。でも、蓮が自分に気を遣ってくれたことが、ほんの少しだけ嬉しかった。
公園の近くまで来た時、蓮が足を止めた。「ここで、いつも本を読んでるんだ」
優真が視線を向けると、夕焼けに照らされたベンチに、一冊の文庫本が置かれていた。
「よかったら、少しだけ付き合ってくれない?」蓮はそう言って、優真を見つめた。
優真は、自分の心臓が大きく跳ねるのを感じた。「はい!」
二人はベンチに並んで座り、沈黙の中で夕焼けを眺めた。時折、蓮が読んでいる本のことを少しだけ話してくれた。優真は、蓮の静かな声を聞いているだけで、心が満たされていくのを感じた。
帰り道、蓮は初めて、自分の好きな音楽について話してくれた。優真は、蓮の意外な一面を知ることができて、胸がときめいた。
「あの……もしよかったら、今度、僕の好きな音楽も聴いてみませんか?」優真は勇気を出して誘ってみた。
蓮は少し照れたように微笑んで、「うん、いいね」と答えた。
その日、優真は自分の部屋に戻ってからも、ずっとドキドキが止まらなかった。蓮との距離が、ほんの少しだけ縮まった気がした。これは、まだ始まったばかりの、甘く切ない物語。二人の距離が、これからどう変わっていくのだろうか。優真は、期待と不安が入り混じった気持ちで、夜空を見上げた。
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コメント
3件
20ぴったりだとう?
こやつ 生成AIやぞ
お前かくん早すぎわろす これ自分超えてるやろ