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衝動書き短編⑤です。
多分割とSS?
結構がっつり百合注意
彼女は正に聖女のような人だった。
どんな事も笑って受け入れ、どんな人にも優しく接する。
例え罪を犯した人だって、罪を償えば優しく迎え入れる。
「罪を憎んで人を憎まず」を体現した少女。
聖女と呼ばれるからには、そうでありたいと誓っている心優しい少女。
だけど、全てを愛するが故に唯一が無い。
不特定多数に博愛を向けるだけで、愛慕を誰かに向ける事は無かった。
だから別に良かった。
大昔から一緒な幼馴染。
特別ではなくても、他の人とは違うから。
それで良かった。
…良かったのに。
未だ燃え盛る炎。
焦げつきた城の跡地。
月夜の下、だだっ広い空間に二人きり。
「とっても素敵な場面だと思わない?」
そう、ボロボロになった彼女に笑い掛ける。
こんな惨状になって尚、光を失わぬ目。
でもその目に、一度も抱かれた事のない強い憎悪を乗せて。
「_なんで、」
「何でこんな事するのッ、アイビーッ!!!」
悲嘆な声。
「ぜーんぶ君のせいだよ」
「君が、最愛なんて作るから」
他人に愛慕を向けた。
私を、他の奴らと同じ程度にした。
「許せないじゃん。」
何を言ってるんだ、とばかりの顔を向けられる。
涙でぐっちゃぐちゃで、でも怒りでいつもの笑顔も浮かべられない。
憎悪に塗れた顔。
他の誰にも向けない、私だけの“特別”。
これを向けてくれるまでいくら掛かったか!
全てに博愛を向ける彼女が、一人の男に恋をした。
彼女と同じ類、正義を語り善を行う勇者と呼ばれた男。
彼女が、唯一の感情を向けた男。
周りは持て囃した。
めでたいだのお似合いだの、それはもう褒めちぎった。
…何がおめでたいのだ?
彼女に特別が出来てしまった。
私が他の物と同じになってしまった。
どうして?
私は特別じゃないのに。
どうしてお前なんかが特別になるの?
気付けば壊していた。
勇者の大切な人を無惨に殺していったら簡単に精神が壊れた。
これでやっと特別がいなくなったと思った。
でも彼女は尚も愛慕を向け続けたままだった。
でも、それでも良かった。
彼女の“特別”になる方法を見つけたから。
それからは簡単だった。
彼女の大切なものを壊して、殺して、惨状を作り上げて。
最後に世界を焼いた。
その頃には、彼女も私だけを見てくれた。
その憎悪に塗れた目で。
だって勇者の心を壊した時、初めて憎悪の感情を抱いていたから。
どんな人でも許す彼女の“唯一”。
手に入れなきゃって思った。
それが彼女の特別になる方法だから。
あぁ十分だ、大満足!
彼女が憎しみを向けてくれている!
何でもっと早く気づかなかったかな?
愛慕を取られたなら、別の憎しみを手に入れればいい。
愛と同じくらい強い感情を。
「ずーっと私だけを憎んでいてね、アイリス♡」
おわりー
憎しみっていう唯一を得るためなら世界を焼く大分力のあるヤンデレアイビーちゃんと
アイビーちゃんに執着された哀れな博愛聖女アイリスちゃんのお話でした
「愛慕を取られたなら、別の憎しみを手に入れればいい。」
のワードを書きたくなって衝動書き。
たまにはドロドロのヤンデレ書きたくて…
この二人は確実にバッドエンドです。ちげえねぇ。
つくもがみ
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#ファンタジー
翠琉
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コメント
13件
濃い百合ありがとう
うわっ(消滅)(滅却)(炭) 花言葉調べてさ、てさ。死んでも離れないってさぁ……さぁ……
「愛慕を取られたなら、別の憎しみを手に入れればいい」って言葉、マジでヤバすぎて鳥肌立った😭💕 アイビーの執着が狂気と純愛の境界線をぶっ壊してて、逆に美しさすら感じたよ…! アイリスが初めて見せた憎悪の表情、それが“特別”になるって発想がドロドロで最高すぎる。バッドエンド確定なのもまたエモい…一気に読ませる衝動書き、さすがです!✨