「都合よく」
あなたの手を取って目の端に海を捉えながら。
走りだす。
あなたは泣いていた。
あなたの涙に耐えられなくて
隣から聞こえる啜り声に耐えられなくて
いつの間にか走ってた。
まだ後ろから啜り声が聞こえる
それはだんだん減っていき
後ろから笑い声がした。
「人生なんてどうでもいい!」
私は叫ぶ。
「どうせ死ぬなら楽しみたい!
この世は自由な人が1番だ!
今楽しければそれでいい!」
子供じみた言葉を並べてていたら
いつの間にか足が止まっていた。
足が走り疲れてじりじりしている
そんな感覚さえ楽しいと思えた。
「この世で自由じゃない人なんていない!
自由じゃないなら勇気が足りねぇ!」
海に向かって叫ぶ。
「みんな地面に縮こまって自分を守ってたらいい!
私たちはたった2人で立ち上がって楽しく生きるんだ!
隣から笑い声が聞こえる。
笑ってる。
あなたの笑顔がこんなにも素敵だなんて
私はあなたの顔を見て
「私たちは世界で1番優しくて、都合よく生きればいい!
お互いがお互いに利用し合おうよ。
そして、」
「2人で幸せになろう」
友達の小指と
私の小指を交えた。
あの時の空は茜色だったろうか。
それとも青色だったろうか。
少なくとも
今の空は私たちの色だ。
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えもももももももももももも
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