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その日はおふろに入りました
おかあさんにははないしょです
真っ白な湯気の中、排水溝には
水と共にドロドロした液体が這いずり流れる
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おかしいわね…」
母親は利理の下着を見て言う
「パパ〜」
「んん?」
新聞を机に置く
見出しには”J民党票数前年比26.7%下落”
「なんだか最近利理がずっとおねしょ
してるのよ…」
「おねしょはもう幼稚園以来よ?」
「えぇ?別に普通じゃないの」
「あの年頃だったらよくありそうだろ?」
「でももう小学生よ?」
「もしかして学校でイジメを受けてたら…」
「そんな事ないって心配しすぎだよ」
心配症の妻を即座になだめる父
「なにか怖い夢でも見たんだろ」
「それか、何かあったら俺らでゆっくり
面倒見ればいいんだから」
「それは確かにそうだけど…」
「じゃあ今日は気分転換に
近くの公園で花火したら?」
「せっかくの夏だしこう言うことも
子育てって言うんじゃないか?」
「うん…たしかに、じゃあ
私買ってくるね」
「あぁ頼んだ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「リリちゃーーーーん!!」
「ママお出かけいってくるからーー!!」
「はーーーーーーい!!」
母親の声が1階から響く
「ちゃんと宿題するのよー!!!」
「はーーーーーーい!!」
「じゃあパパよろしくね」
「私行ってくるから」
「あぁ、女子会だったっけ」
「楽しんできてね」
「じゃあ利理の事頼んだわよ」
「いってきます」
まだ夏の暑い日
蝉はまだ鳴いている
「リリちゃん〜〜〜」
父親の
「んー?なーに」
「リリしゅくだいやってるんだけど」
「おー偉いじゃん」
「そろそろ疲れたんじゃない?」
「えーまだそんなにつかれてないよ」
そう言い利理は算数のワークに取り掛かる
他にも自由研究や絵日記、作文などが残っている
「まーまーゆっくりやろうよ」
「今日はママも居ないんだし」
家の中は蒸し暑い空気が部屋を圧迫する
「うん!わかった!」
「リリやすむ!」
「そうしよ、そうしよリリは頑張り屋さん
だから休む時間が必要だね〜」
「えへへ…」
「ならパパが”マッサージ”してあげるね」
「宿題のしすぎで疲れてるんじゃない?」
リリねまっさーじいたいからきらいなの
それにきたないし、、、
「えー…リリまっさーじ、いたいからいや」
「そんな事言わずにやろうね〜」
「疲れが飛ぶしこの前みたいに痛くないよ」
ツインテールの髪はゆらゆらと動く
「でもいや…」
沈黙が続く
「そっっかーーーーー」
「悲しいなーーーパパ、リリちゃんの為を
思って頑張ったのになーーーー」
「そ・れ・に”まっさーじ”した後は
お寿司食べに行こうと思ったのになー」
リリねおすしだいすき
でもまっさーじはきらい
だからすなばのおじさんもきらい
「いや、、、」
「はーーーそっか…パパ悲しいな」
「これから二度とお寿司食べれないのに」
…
「おすし、せんこたべる」
「まっさーじするなら勿論いいよ」
「リリの幸せはパパの幸せだからね」
「わかった…、、、」
「じゃあお風呂入ろっか
すっぽんぽんになってね」
夏の暑さが2人の汗を滑らせる
白い液体が毎度の如く水と融合し
ドロドロと排水溝へ這いずり流れる
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そのひはパパとママとでおすしを
たべにいきました。おいしかったです
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そこから数日経ち、日差しはより一層激しくなる
公園の葉は強く色彩を放つ様になった
「はーーーい!!今日はリリちゃんの
大好きな春巻きです!!」
「わーーーい!!やった、やった、」
「リリはるまきだいすき!!」
「パパーお皿あと3枚持ってきてーー」
「おーう」
和やかな家族の空間
夜にはあれほど鳴いていた蝉たちも落ち着き
今や蛙達の独占場となっている
「いただきます!!」
「いただきます、…!」
「いっただっきまーーーす!!」
「パパビール飲む?」
「あーー…いや今日はお得意様から
貰った山崎貰おうかな」
「はいはーーい」
「ママー!!!!」
「すっごくおいしい!!」
「ママが作った自慢の春巻きだからね」
「ゆっくり食べるんだよ」
「はーーー…ウッ……………」
オオッ…エ.、、…。
ボトボトと落ちる吐瀉物には
キノコとタケノコがたっぷり入った
春巻きが唾液と絡み床に落ちる