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「ガチャ」と嫌な音が鳴り響く。 そう、お袋がついに帰ってきたのだ。 「おい!怜央!!あんたいるんでしょ?こっち来なさいよ!」とお袋は叫ぶ。 俺達はこんな状態(お酒に溺れてる)のお袋に逆らうと普段と比べ物にならないほど殴られる。だから俺達は逆らわず嫌々母親の言うことをきいている。 そして毎回最初に呼ばれるのが兄貴だ。俺はつみ木で遊ばせている怜の耳を塞いで物騒な音を聞こえさせないようにした下から聞こえる音は殴られる音、物が落ちたり割れたり壊れたりする音、何かがぶつかっていた音だった。
数分経つとまたお袋は男遊びかパチンコに出かける俺はその隙に兄貴の様子を見た。俺は少しゾッとした。なんせ兄貴の手足は血管が切れ紫色に染まっていておまけにガラスの破片らしき物で腕を切られた形跡があった。幸い手首には無かったがその他にも、頭からは血を流し気を失っていたからだ。俺はすぐに兄貴を抱えて怜の元へ戻った。
兄貴の状態を見た怜は少しゾッとしていたが、すぐにタブレットで手当ての仕方を調べ丁寧に兄貴を手当てした。怜が手当てしている間、俺は後悔をしていた。あの時少しでもあの場に割り込んでいればこんなに傷を負うことは無かったと思う。なのに殴られるのをまるで兄貴に任せたような状況にしてしまったように思えてきたからだ。
数分後兄貴は目を覚ました。 「いてて….まさかガラスの破片で切られるとは思わなかったよ。」と笑い話のように話す。俺は安心と恐怖で泣きながら兄貴に抱きついた。
「ごめ”んな”ざい俺が..少しでもあの場にいれば兄貴はこんなに傷を負うことは無かったのに動かなくて..ごめん”な”ざい」「大丈夫…大丈夫だよ。怖かったんだよね、人は危険な状況でさ、思うほどすぐには動けないからさ、気にすること無いよ。」と俺の頭を撫でた。こんな優しいからこそお袋に狙われるのだろう。すると「兄さん、お母さんは?」と怜が問う。「多分またパチンコか男遊びに行った」「じゃぁまた俺がご飯作るね」 「駄目!兄貴はそんなに傷だらけなのに動いたら痛いだろうし傷が広がるから駄目!」と強く兄貴に言う。すると 「じゃぁ、二人にご飯お願いしようかな?」と少し笑いながら言う。 「あぁ!任せろ!」と怜と俺でどや顔をしてキッチンに向かった。 そこで俺達は一つ重大な事に気づいた。
…..料理ってなにして作ればいいんだ?