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#創作百合
𝓐𝓴𝓪𝓻𝓲
497
友としても命の限り。
だって、私とお嬢様じゃ立場が違うもの。
私は子爵令嬢で伯爵家のメイド。
エレノア・ルーシェフ
お嬢様は伯爵家の令嬢。
ジェニファー・グレスリア様。
絶対に釣り合わない立場。
隣に居れるだけ十分。
そう思ってた。
でもある日お母様から言われたの。
『隣に居れれば十分だなと、過ぎた願いだわ。
恥を知りなさい。
我が家は今破綻寸前なんですからね。
我が家はまだしも伯爵家に泥を塗るつもり!?』
なけなしの全てでお嬢様と客としてパーティへ行った。
私は子爵令嬢として。
お嬢様は伯爵令嬢として。
そして、
ウィーズリー小公爵の婚約者として。
私には踊ってくれる人も居ない。
好きな人にだってダンスを誘えなくてパーティ開始早々にバルコニーに逃げた臆病者だ。
適当にバルコニーで星に願って祈って。
『好きな人とずっと居れますように』
なんて、願って叶うはずもないのに。
バルコニーから戻ってきたらパーティも終盤。
お嬢様とウィーズリー小公爵が寄り添う姿はとても嬉しいけどとても眩しいほど羨ましいけど。
とても憎らしいわ。
いつかお嬢様と離れる時が来るだろう。
覚えていて欲しい。
忘れないでいて欲しい。
そこにひとつの片想いがあったこと。
秀麗なダンスで令嬢を終えるのは私も貴女も同じだから!
とても憎いらしいけどとても辛いけど。
金の為だけに消えもする運命だから。
ずっとお嬢様と一緒には居られないわ。
最後のダンスも終わって、
いよいよ終わりに近ずく。
このパーティの主催する家、
ウィーズリー家の小公爵が、
お嬢様の婚約者が。
ガヤガヤとするパーティ会場を静めた。
そして__
『私は今日をもって、ジェニファー・グリスリアとの婚約を解消する!
そして、新たにエレノア・ルーシェフと婚約を発表する!』
なにそれ、なにそれ!
なにそれ聞いてない!
「待ってください小公爵様。
私と小公爵様が婚約?嘘でしょう、今日はエープリルフールではありませんよ?」
『嘘では無い。
私は伯爵家で君に一目惚れしたんだ。』
「だからって勝手に婚約?
ふざけないでください。」
パチィン__
会場内の誰もがどよめいていた。
それはきっと私が小公爵をビンタしたからだろう。
「私、貴方のこと嫌いです。
そして、婚約したつもりもありませんから。
帰ります。」
「さようなら」
最低限の礼儀として去り際にはちゃんとカーテシーをして。
あの男へ。
最後の御挨拶を。
『待って!レア!
私も帰るわ!』
こんな私にも
優しくて、美しいジェニファー様。
どうしてあんな男と婚約してたんでしょう。
ずっと私と居てくれて、
素敵なレアなんて愛称をくれて。
そんな優しい人をあの男は振ったの。
帰りの馬車。
どうせ住み込みで働いている私が帰る家はお嬢様と一緒だ。
目上の人にあんなことを言ってあんなことをしてしまった。
どう咎められるか、
でも、私だって勝手に好きでもない相手と婚約なんてされて、腹が立った。
ボロボロと勝手に大粒の涙が溢れ出た。
馬車の窓の外には雨。
私の空も雨模様。
帰ってきて1番最初。
お母様が待ち構えてて、
私はビンタされた。
『小公爵様に求婚されて断ったですって!?
いい玉の輿だったのにこのバカ娘!
家に泥を塗るなを言っているでしょうが!
言ったのはこれで何回目!?いい飽きたわ!
家に帰ってこないでちょうだい!』
「ええ、そうですか。
ではさようなら」
クソッタレな両親へ。
私をお嬢様と合わせてくれたこと。
それだけ感謝しているわ。
貴方が初めて教えてくれた礼儀作法のこのカーテシーで、
永遠の別れを。
雨が降ってて、無一文の私はずぶ濡れで。
帰る家もなくて。
頼る人もいなくて。
どうしようもなくて。
こんな時にいつも手を差し伸べてくれてくれるのは__
ジェニファー様だけだった。
「エレ__
レ_ア
レア!」
『…?ジェニファー様…..?』
「レア、急だけど私と一緒に暮らさない?」
『え__
ど、どうして?私はメイドをクビになって、家族から縁を切られたんですよ?』
「実はね、私も婚約破棄されたことお父様に怒られて。
家族の縁は切らないけど屋敷のちょっと遠いけど森に小さな家があるの。
お母様が森で大半を過ごしてたから建てられたの。
継母が来てからは行けてないけど、そこで暮らしなさいって、好きなメイドを1人連れて行ってもいいって!」
『え…..?
ジェニファー様は、悲しくないんですか?』
「いいえ!全く、むしろ嬉しいわ!
息が詰まるような生活から解放されて!お母様の家で過ごせて!
オマケに、
好きな子と過ごせるなんて!
もちろんあなたにも拒否権はあるけど、もし過ごせたら。」
「最高だと思わない?」
『ええ、それは最高ですね。』
「つまりそれって…..」
『私も!貴女と過ごしたいんです。』
「やった!
私、ずっと貴女と二人で過ごしたかったの!
好きなの、貴女のことが!」
『あら、それは嬉しい。
同じ気持ちですね!』
朝日が上り。
雨が止み。
私は一夜で愛を手にした。
『ジェニファー様ー!』
「ちょっとレア!
私のことは呼び捨てでいいって言ってるじゃない!もう!」
嗚呼、最っ高の人生だわ!
私が大っ嫌いな人達!
綺麗な私だけ覚えて。
今の私の笑顔も知らないで私を忘れることができないでしょう。
カーテシーにかけたそんなお呪い、
効いていますでしょうか!
コメント
1件
え〜〜〜!😭💕 めっちゃ良かった…! 第1話(最終話)ってタイトルで一気に読ませる完成度、すごいです…! 「カーテシーにかけたお呪い」のフレーズがめちゃくちゃエモくて、最後の朝日と雨上がりで二人が結ばれるシーンに胸がギュってなったよ…!✨ 短いのにドラマチックで、レアの強さとジェニファー様の優しさがめっちゃ刺さった…! 最高のラブストーリーでした🌸