ー遠い昔、1人の男が大きな魔法石から魔力を得た。その男は魔力を使い、沢山の浮島を造った。さらにその浮島を使ってできた一つの国がある。その名は“マーフェクタス“。ー
(彼は他にどんなことをしたんだろうか…?)
カイは大図書館で歴史の本を読んでいた。
「ーぇ、ねぇカイ、聞いてる?」
「なんだよ?」
カイに話しかけたのはヴェーラという少女。カイの妹で、フレンドリーで明るい性格をしている。
「さっきお父さんが外でカイのこと呼んでたよ。」
「またかよ…」
「早く行っておいでよもー!」
「へいへい」
カイのこういうところに少し苛立っているヴェーラをよそに、カイはものすごくめんどくさそうな顔をして図書館を出た。
「なんだよ親父?」
「やぁ!カイ!元気にしてるか?」
カイが図書館を出た後、彼の父親「ハウズナオギウツ・ルスピナ」通称ハウルス が扉のすぐ横に立っていた。
「クソ元気だよ…てか先週4回も会ってるんだからそんな事聞かなくてよくね?」
「まぁまぁ、そんなこと言わずに…」
「で?用はなんだよ?」
「そんな怒らないでよ〜僕はカイに会いたいから直接来てるんだよ?」
「あっそ」
「とまぁそんなことは置いておいて…はい、コレ。僕の新しい本なんだけど僕のコーナーに置いておいてくれない?」
彼の本…というのも、実はカイの父親はマーフェクタス1の小説家なのだ。
「そんなことかよ…まぁいいけど…」
「ありがとうカイ!じゃあまた今週のうちにね!」
(はぁ…こんなのがマーフェクタス1の小説家だなんて…)
父親が去った後、カイは渡された本を手に、図書館へ戻っていった。
「あ、おかえり、カイ。私借りたい本も借りれたしもう行くね。」
「おー。勝手に行ってろー。」
「本当カイは態度悪いんだから…それだから友達できないんだよ。ばーかばーか。」
「はぁ?別に俺は友達なんか___
と、言い返そうと言葉を口に出したが、すでにヴェーラは行ってしまった。
「どいつもこいつも……はぁ…とりあえずこの本置いて来るか…」
カイが父親から受け取った本を置きに、父親のブックコーナーに着いた時だった。普段は見慣れないような、古くて厚い、他の本よりも目立っていた本があった。
「なんだこの太いの…?親父こんなの書いてたっけ?」
カイはさっき受け取った本を適当に棚に入れ、その古くて厚い本を読み始めた。
ペラペラとページをめくっていくと、とあるページが目についた。
「…これはマーフェクタスか?」
そこにはマーフェクタスの浮島と思われるものが描かれていた。そしてもう一つ、そのマーフェクタスの絵の下に、よくわからない複雑で大きなものが描かれていた。
「なんだこれ…よくわかんねぇな。あとで親父に聞いてみるか。」
第1話-カイが発見した本 完
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