テラーノベル
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続きです
永久は車のシートに深く身を沈め、窓の外を流れる見慣れた景色を眺めていた。
相澤が「寝てろ」と言った通り、神野での負傷と連日の家庭訪問同行による疲労は、
確実に彼女の体力を削っている。サポーター越しに右腕をさすると、まだ鈍い痛みが走った。
永久 「、、あいつ、本当にバカだよね」
ぽつりと、永久が独り言をこぼす。
相澤 「、、爆豪か?」
永久 「、、あんなに顔赤くして怒鳴るくらいなら、素直に心配したって言えばいいのに。
、、、まあ、あいつにそれを望むのが間違いか」
オールマイトは助手席で小さく笑みを浮かべた。
オールマイト 「爆豪少年は、君の前ではいつも以上に自分を飾ることができないんだろうね。
君への負い目も、独占欲も、すべてが爆発のエネルギーに変換されているようだ」
永久 「独占欲なんて、そんな大層なもんじゃないでしょ、
ただの負けず嫌いだよ。私に守られたのが、一生の不覚だって思ってるだけ」
永久は目を閉じ、爆豪の私物であるTシャツの襟元を少し引き上げた。
微かに残る火薬の匂いが鼻腔をくすぐり、不覚にも少しだけ鼓動が速くなる。
彼女にとって「ヒーロー」は、自分を縛り付け、利用し、失望させてきた象徴だった。
けれど、爆豪という存在だけは、そのどの枠組みにも当てはまらない。
彼はただ、傲岸不遜に、けれど圧倒的な熱量で彼女の領域に踏み込んでくる。
永久 「(「俺が俺の力で、守る」、、か。)」
荼毘からの手紙の内容が、暗い記憶のように脳裏をかすめる。
「勧誘は生きてるぜ」。あの青い炎の男は、永久の心に巣食う「ヒーローへの嫌悪」を正確に見抜いていた。
もし、あの日爆豪がそこにいなければ。もし、緑谷たちが助けに来ていなければ。
自分は今頃、どちらの側に立っていただろうか。
相澤 「着いたぞ。ここだ」
永久 「知ってまぁす~」
相澤の声で、車が止まった。緑谷出久の住むマンションの前だ。
オールマイト 「敵愛少女、本当に、私一人でいいのかい?」
オールマイトが、少し不安そうに、けれど決意を秘めた瞳で問いかけてくる。
永久 「言ったでしょ。あんたたちの間には、他人が踏み込んじゃいけない領域がある。
デクも、あんたと同じ**『隠し事』**をしてる。そのけじめ、他人に任せてるようじゃ、
平和の象徴(引退したけど)失格だよ」
オールマイト 「、、、手厳しいな。君には、すべてお見通しということか」
永久 「知らん。勘だよ。ヴィランは鼻が利くんだよ」
永久はそう言って、再び深く目を閉じた。
相澤 「(、、お前はヒーローだよ、)」
オールマイトが車を降り、緑谷家の玄関へと向かう。相澤もまた、
教師としての重責を背負い、彼の後に続いた。 車内に残された永久は、
静寂の中で自分の呼吸音だけを聞いていた。
緑谷出久。 永久にとって、彼は爆豪とは対極にある存在だ。無個性だった少年が、
ある日突然、世界最強の力を継承し、その重圧に耐えながらボロボロになって人を救おうとしている。
永久はそんな彼の「狂気」に近い自己犠牲を、危ういと思いながらも、どこかで羨ましく思っていた。
永久 「(デクは、、、あんたが選んだ『後継者』なんだろ、オールマイト)」
彼女は、オールマイトが引退試合で見せたあの一撃を思い出す。「次は、君だ」という言葉。
それは、緑谷への指名だったはずだ。自分のような、ヒーローを屑だと蔑む人間にではなく、
真っ直ぐに光を見つめる少年への。
永久 「、、ふん。勝手にやってればいいよ、正義の味方ごっこ」
呟いた言葉とは裏腹に、彼女の指先は震えていた。 自分はヴィランが好きだ。
彼らの純粋な悪意、歪んだ信念、そして社会に弾かれた者同士の連帯感に、
どうしても惹かれてしまう。けれど今、自分の体を包んでいるのは、
最も自分を救いたいと願ってくれた少年の服だ。
永久 「、、どっちなんだろうね、私は」
かつて両親が自分に求めたのは「金」と「地位」だった。
荼毘が自分に求めたのは「復讐への意志」だった。 そして爆豪が自分に求めたのは、、
ただ、「隣にいること」だったような気がした。
どれくらいの時間が経っただろうか。 マンションの入り口から、
オールマイト、相澤、そして緑谷出久と彼の母親の姿が現れた。
緑谷の母親、引子は、涙を流しながらも、しっかりとオールマイトの言葉を受け止めたようだった。
緑谷自身の顔にも、神野での憔悴は消え、新しく重い使命を背負った者の顔つきになっていた。
永久 「、、終わったみたいだね」
永久は車窓を開け、外の空気を取り込んだ。
オールマイト 「待たせたね、敵愛少女」
戻ってきたオールマイトの顔は、どこか晴れやかで、同時にこれまでにない深い覚悟を湛えていた。
永久 「いい話、できた? ちゃんと謝った?」
オールマイト 「あぁ。、、伝えたよ。全力で、彼を育てると」
永久 「あっそ。じゃあ、もう行くよ。相澤、寮に入ったら、私に特別訓練つけて。
もっと、個性の出力を上げなきゃいけない。ヴィランを引き摺り戻すには、今のままじゃ足りないから」
相澤は運転席に座り、アクセルを軽く踏んだ。
相澤 「あぁ。お望み通り、吐くまでしごいてやるよ。」
車は夜の街を滑り出す。 永久は、胸の中に大切にしまい込んだ爆豪の怒鳴り声と、
荼毘の誘いを天秤にかけるように、暗い空を見上げた。
永久 「、、、あ!!!今日ゲームのイベント18:00からじゃん!!おい!!帰らせろや!!」
相澤 「はぁ、、、言ってる場合か、まだ2人残って、」
永久 「帰る!!!」
オールマイト 「ま、まぁ、いいんじゃない?敵愛少女も疲れてる、し?」
永久 「疲れた!そう、疲れた!!!」
相澤 「じゃあ車の上にいとけよ、、どうせ学校戻るんだから、」
永久 「ゲームのイベントがぁぁぁァァァァァァ、、、、、一回殴らせろ!!!」
相澤 「停学な、」
永久 「死ね!!!!」
はい、どうでしたか。
2529文字。終わります。
コメント
17件
面白かったです♪ ゲームのイベントって微妙な時間に来ますよね…続き楽しみです!
爆豪のシャツ着てんのかわええ 続き待ってる
ゲームしたい永久ちゃん可愛すぎる、、!!後継者のことやっぱ気づいてたか〜、、、 特別訓練でどんなことをするんだろ、、? 続き楽しみにしてる、!