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「せーろ〜また振られたよ〜」

いつからだろう。こいつが涙目で俺に「振られた」と泣きついてくるようになったのは。


「お前またかよwもう諦めれば?」

「やーだー!だって女の子可愛いじゃん!彼女ほしいじゃん〜!」

「いつまでそんなこと言ってんのよw

お前そろそろ事務所持つんだろ?」

「でも〜…」

「事務所持ったら今まで以上にマスコミ増えるだろ?それで振られてるの記事にされたら最悪だぞ?」

「わかってるよ〜

やーだー!彼女欲しい〜!俺を労って欲しい〜…」

「ま、上鳴の好きなようにしなよ

いつでもこうやって聞いてやるから」

「振られる前提で励まさないでくれる??」

「あ、バレた?w」

「わかるわ!」

「うぅ〜なんでいつもみんな離れてっちゃうの〜…俺はただ労って欲しいだけなのに〜…」

「まあがんば〜

今日は俺奢ってやるから元気出せ?(ナデ…)」

「いいの?(ぱああ)」

「おう、彼女が出来ない上鳴クンを労ってやるわw」

「やった〜!瀬呂神〜!!」

一生彼女なんか出来なければいいのに。

いつまでこいつは俺にこうやって甘えてきてくれるのだろうか。

いつまで嬉しそうな眩しい笑顔を俺にみせてくれるのだろうか。


自分でも甘えている自覚はあった。

俺が「振られた」と言うと優しく励ましてくれるあいつに。

俺は瀬呂に何度も「振られた」と言っているうちに瀬呂の事が好きになっていった。

本当は自分で伝えればいいと分かってる。それなのに俺は「振られた」を口実に瀬呂に甘えている。そうでもしないとあいつに会えない気がするから。

ああ、いつまであいつは俺の事を甘やかしてくれるのだろうか。

あいつは俺が「好きだ」と伝えたらどんな顔をするのだろうか。

もし伝えたとしたらあいつと「親友」のままで居られるのだろうか。


「あんたさ、いつまで瀬呂に告白しないつもりなの?」

「うぇぃ!?えっ、まって耳郎??なんで??」

「あんた瀬呂の事好きなんでしょ?」

「なんで、知ってんの?」

「やっぱりね。あんた振られる度に瀬呂に会ってるでしょ?」

「え、あ、ま、まぁ」

「そんなに何度も振られてるのに瀬呂には告白出来ないわけ?」

「うぐっ…」

「…でも、瀬呂とはずっと仲良しのままで居たいんだよね。俺が告白して仲が崩れたら怖い…なって…」

「まあ、私はどーでもいいんだけどさ。瀬呂なら受け止めてくれると思うよ?」


耳郎の言ってることは分かってる。瀬呂なら引いたりしないで俺の気持ちをしっかり聞いてくれるって。

あいつはそういう奴だから。どんなに酷い振られ方しても、俺が悪かった時でも、絶対に俺を責めたりしない。

でも、だからこそ、そんな優しいあいつを困らせたくない。


「耳郎〜俺どうしたらいいんだよ〜」

「私はどうでもいいって言ってるでしょ?自分たちで解決しなさいよ」

「分かってるけど〜…

アドバイス!アドバイスだけでも!アドバイスくれたら頑張れる!」

「分かった、分かったから。

じゃあこのドリンク奢りなら聞いたげる」

「もちろんでございます!!」


(そろそろ…あいつに気持ちを伝えた方がいいかもな…)

「あ、セロファンさん。お疲れ様です。」

「 お疲れ様です。俺そろそろタイムカード押したら帰りますね。」

「はい。お疲れ様です。」

「今日夜勤でしたっけ。頑張ってください。」

「はい。ありがとうございます。」

「それでは、また。」

「あ!待ってください!」

「どうしました?」

「あの、これ。最近始めたばかりなんですが、うちの親戚がハンバーガー屋を初めまして。良かったら。」

「割引券、ですか?」

「はい!良かったらご友人などと!」

(そういえば上鳴ってハンバーガー好きだったな。)

「ありがとうございます。ぜひそうします。」

「はい。ちなみにソイミートを使ったハンバーガーも取り扱っていて、もし興味があればそちらもオススメですよ!」

「本当ですか!食べてみます!」

「ありがとうございます!

すみません。引き止めてしまって…」

「大丈夫ですよ。割引券、ありがとうございます!」


(ソイミート、気になってたんだけどなかなか良さそうなのが見つかんなかったんだよな…お、これパンには野菜練り込まれんだな。良さげだな)

『上鳴、このハンバーガー屋の割引券貰ったんだけど明日か明後日くらい一緒にいかね?』

‹ピロン♪›

『え!マジ?行く行く〜!!』

「ふはっw返信早w」

『返信早すぎだろww

じゃあいつ行ける?』

『( ´-ω- )フッ電気クンの好物センサーは鋭いのだ!

明日なら空いてるぜ!近くに行きたいとこあるから10時半いつもんとこ集合でいいよな!』

『好物センサーってなんだよw

10時半な!おけ』

『よっしゃ!じゃあまた明日な!』

『おう、また明日。』

「…ちょっと新しい服着てくか」


(…早く着きすぎた〜…いや俺にしては珍しくね??だって!瀬呂に告白する絶好の!チャンス!こんなチャンス一生来ねえぞ?

おし!今日絶対に瀬呂に告白する!)


「おはよ〜上鳴はえーじゃんw珍しく」

「だろ?俺もびっくりしてる」

「そんなハンバーガー楽しみだったんだなww」

「おう、楽しみすぎて夜しか眠れなかったわww」

「夜眠れたならいいだろww」

「「www」」


「よし、行くか。俺行きたいとこあっちにあるから」

「テンションの差すげえな」


「そろそろ12時くらいか」

「んじゃ、そろそろハンバーガー行っちゃいます??」

「そうすっか〜」

「ふふんっ♪ふーん♪」

「上鳴クンはご機嫌だな」

「だって新しいハンバーガー屋だもん!早く食べたくて!」

「そうだな〜俺も気になってるやつあんのよね〜」

「あれだろ?大豆ミートのやつ!」

「正解〜」

‹カランコロン♪›

「いらっしゃいませ〜!先にお席を取ってからご注文下さい〜」

「瀬呂!あそこのテラス席行こうぜ!」

「おー!いいぜー!」

「いーねいーね!ここ映えそう!」

「いーな!んじゃ注文はあっちかな?」

「そうっぽい!いこ〜♪」

「上鳴どれにすんの?」

「俺はね〜照りマヨアボカドバーガー!」

「見た目きれーだな」

「だよな!肉もいい感じの分厚さ!」

「次の方〜!ご注文承ります」

「えーと、照りマヨアボカドバーガードリンクセットと!」

「ペッパーソイミートバーガーのサラダセットお願いします」

「ご注文承りました。出来次第お席にお持ちしますので少々お待ちください!」



「うわ〜!!オシャレ!映え!!」

「すげえな〜めっちゃ綺麗」

「よーし!イン○タあげよ〜!」

「丁度テラス席と相まってめっちゃいー感じだな〜」

「セロファンと新しく出来たハンバーガー屋なうっと」

「それじゃ食べるぞ〜!いただきまーす!」

「いただきま〜す」

「もぐっ…んまぁ〜!!」

「あむっ…うまっ…」

「マジで当たりだわここ。また来よ〜」

「 それなだわ。サラダもうめえわ」

「ちょっと瀬呂のもくれね?俺のもあげるから〜」

「いーぜいーぜ」

「あむっ…瀬呂のもうまい!!」

「ソースの味もいいな。」

「って、ぶっw上鳴、顔にソースついてるw」

「えどこ〜?」

「ここ、お、マヨネーズのとこも美味い」

「うぇぃ…///」

(…は?何その反応可愛すぎ。

静まれ俺。今日はハンバーガーたべにきただけ。焦るな焦るな…)

「サラダも食べるか?」

「うん…うっま!なにこれ!まじで大当たりすぎるわ!」


「いやぁ〜!美味かった!割引券でめっちゃ安くなったし!」

「元々も安くてよかったな、また来るか!」

「そーしよー!」

「んじゃ、俺トイレ行ってくるから待っててくんね?」

「おけおけ〜」

(告白する暇ねえ。

いや、勇気出せ俺!瀬呂に告白するんだ!当たって砕けろだー!)

「本当はずっと前から好きでした!

付き合ってください!」

「…なんか違うな〜…」

「好きだけど言えてなかった!出来ればでいいんだけど…!付き合ってほしい!」

「これでもない〜」

「俺と付き合ってくれ!」

「違うなぁ…」

「何何w告白の練習?」

「そーそー!」

(やべっ聞かれてた…良かったバレなくて…)

「次はどんな子なの?w」

「えーっとね〜身長高めの子かな〜」

「へえ〜まぁ頑張れ〜

今度こそ長く付き合えるといいな」


《瀬呂に告白すんならさ、普段の自分で告白しなよ》

《普段の自分?》

《そ。下手にかしこまるよりいつものアホで元気な上鳴で告白すんの。その方が瀬呂も受け止めやすいと思う。》

《なるほど…確かにそうなの、かも》

《とりあえずさ、あんたはなんも気にせず自分の気持ちを思いっきり伝えてこい!それが一番瀬呂に伝わるとおもうからさ!》


「……」

(自分の気持ちを思いっきり…)

「上鳴?どうした急に静かになって…」

「せろ!おれ、おれさ!瀬呂の事が好きだ!」

「…え?」

「もちろん、恋愛的な意味で好きなんだ!おれ、女の子と付き合っててそれで振られて…その間に…たぶん、だんだん瀬呂の事が好きになってって…おれ、瀬呂と付き合いたい!」

「…」

「あっ…ごめん。嫌だったよな…」

「…それはほんとに?」

「え、あっ、うん。…本音。」

「上鳴…」

「うぇっ!?せろ、?急に抱きついて…」

「おれも、上鳴のこと、好きだ」

「〜っ!」

「ずっと…上鳴が、女の子に振られる度に嬉しかった…ごめん…」

「…瀬呂」

「それでも、上鳴は俺の事好き?」

「うんっ。もちろん、大好きだよ…」

「じゃあ、俺たち両思いだな」(ちゅ)

「っ///」

「おやおや?女の子と沢山付き合ってきたのにちょっとおでこにキスされただけで照れちゃうのかな?」

「〜っ、うるさい〜」

「ははっこの後どこ行く?」

「じゃあ、あのショッピングモール行きたい!ショッピングモールデートしよーぜ!」

「いーぜいーぜww男二人でプリクラ撮ろうぜwww」

「いーな!賛成賛成!!」


「…手、繋ぐ?」

「うん!!!」

「元気だなw」

「…」(ジロジロ)

「どうした?」

「瀬呂、なんか今日服こだわってるね?もしや俺とのお出かけのためにちょっとオシャレしたのでは??」

「…そうだよ…悪いか//」

「あれ〜?瀬呂照れてる??」

「うるせえ///」

「もしや瀬呂の方が照れ屋さんかな〜?」

「だー!黙れ!」

「きゃあっ瀬呂くんこっわーい(笑)」


俺も、上鳴もいつまでこの関係が続くのかと考えてた。お互いが好きだから関係を崩したくなかった。

でも、いつまでなんで気にする必要はない。俺たちはこれから、二人で「恋人」として生きていくのだから。

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尊い★

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