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青 お、おかっさん…お父さん…ッ、…

母 …なによ

父 お前のせいだ!!

全部!全部こうなったのも!!!

警察 いふくん!?ここから離れなさいっ!

青 …まろ、…まろね…



言いたいことも伝えたいことも全部頭から吹っ飛ぶ。取り押さえられてる母と父はまろを睨んでくる。いや、睨んでいるのはあにきだろうか、ずっと信頼して尻の下に置いてたあにきがこんなことするなんて、思いもしなかったのだろう。また、何かされるのが怖くて目を逸らす、言おうとした言葉は口が震え、発声できない。こんなに震えてたら、またバカにされる、ああやっぱり会うだなんて言わない方が良かったのかもしれない…。





桃 大丈夫…、俺らがいるから

黒 おん…何言っても、ええからな



ないことあにきがいる。大丈夫。まろは強いって言ってくれた。だから…








青 …ずっと、大嫌いだった

母 はっ!?どの口が言って!

警察 やめなさい

母 …っ


青 2年生のとき、家族の絵を描く授業があった、

みんな大好きなママ、パパって楽しそうに描いてて

羨ましかったの…

ないこも、まろも殴られて蹴られてるのに

幸せそうな絵を描くみんなが

…ずるくて、なんで僕だけなのって

思い始めたの

学校に行くのが、嫌になったよ

雨の日とか、みんな送り迎えを親にして貰ってるのに

ずぶ濡れになって歩く僕を見て

みんな笑ってきて

みんなは、送ってもらえるからずるいって

泣きながら肩を突き飛ばしちゃった

後からきた先生は、その瞬間しか見てなくて

まろが、悪いことにされたんだ、っ



桃 …え?そんな話聞いてなッ、

青 言えなかったの…

まろを庇ってお母さんに殴られてるないこみて

少しくらい我慢しないとって…

桃 …まろ、…

青 …学校嫌だってあにきに言ったら

お母さんとお父さんと違って

優しく頭を撫でてくれたの…

そしたら、別室に登校できるみたいって

あにきが教えてくれて

…しょー先生のとこに

通うことになったの


父 それと何が関係あるんだ!

弱いお前が悪いだろ!?

青 お前たちのせいで行けなくなったんだっ!!

父 …ッな、…



泣きながら、ずっと出せていなかった心の中からの悲鳴が出る。こんな大きい声を出したのは初めてかもしれない、こんなに感情をむき出しにしたのは初めてかもしれない。


青 何回も夢見たよ、

朝起きたらおはよって言ってくれるお母さんとか

帰ってきたら宿題教えてくれるお父さんとか

みんなで、おでかけしたりとか

何回も夢見て、身体のアザを見て目が覚めて

…こんな辛い想いしなきゃいけない理由が

わかんなかった

お前らが大っ嫌いだ…

やっと、悪夢から覚めれるんだねっ…、

痛い腕も、足も…お腹も

どんどん治っていくんだよね…


母 …、っ

父 それがなんだよッ…!!


青 …お前らがいなくなってうれしい

やっと、…幸せになれるんだね…っ

お母さんもお父さんもいない

普通じゃない家族だけど

…まろはそれが普通だって思い続けれるよ

…っ、…ぅ…ッ…



最後まで伝えたいのに、感情が溢れ出て、涙が止まらない。この涙はなんの感情なのか、自分もよくわからない、喋ろうとすればするほど溢れ出てくる。声にならない想いが涙として消化されていく。やっと、…やっと終わるんだね、




桃 …(撫

黒 …お前らのやり方は間違ってる

母 悠佑は違うと思ってたのに

裏切り者!!!!!

黒 …ふざけんなよ、二度と帰ってくんな



青 …ッ、う…ん

二度と、…こないでね…







青 …産んでくれてありがとう…、










お母さんに、お父さんにありがとうなんて思ったこともなかった。ずっと消えてしまえばいいのにと心の中で唱えるばかりで、だけど、ないことあにきと兄弟になれて、こんなに守ってくれるお兄ちゃんがいて、先生がいて、生まれてこなければよかったと思っていたクソみたいな感情も、生まれてきて良かったと心底思えるようになったんだ。




母 は、……

父 …ッ、…

警察 …署まで連行します。
























白 強いな…ほんま…っ、


小枝のように細い声が喉から抜けていく。虐待を受けていた親に対して、小さな男の子は、産んでくれてありがとうと発した。どんなやつでも、絶対に言えないその一言を震えながらも伝えた君は、この世界の誰よりもかっこいいと思えた。泣きながら、呻きながら、一生懸命、言葉が拙いなりに頑張って頑張って言葉にする。有名な小説なんかより、ドラマなんかより、僕は感動した。君は僕よりも、そこらへんで適当に生きている大人よりも、何倍も、何倍も強いよ。「頑張ったね」と褒めようとしたけど、そんな軽率な言葉じゃ物足りないと思った。「まろちゃんは強いね」「よくここまで耐えてきたね」そんな言葉じゃ、君の頑張りに釣り合わない気がした。何もできないまま、涙が頬をつたっていくのがわかった。


水 …いふくん、あの時はごめんね

青 …グス、だいじょぶ、っ…です…

水 絶対、大丈夫なんかじゃなかった

僕の一言が、壊れかけていたいふくんの心を

刺し殺しちゃったんだね…、

青 …ッ、ヒック、…グス…

桃 …ポロ…、(撫

黒 ほとけ先生は、いい先生です

水 …え、?汗

黒 まろ、ほとけ先生に勉強を教えてもらった日

色んなこと暗記して覚えて帰ってきます。

楽しそうに話すまろは、本当に、

…今は、大丈夫だと思ってます。

水 …そっか、…ありがとう、笑

青 …んふ、っ…



赤 …はぁッ…うっ”うん…グス

白 …りうちゃんって泣くんやな

赤 俺をなんだと思ってるの…w

白 んふ…w…よかった、よかったな、ッ

赤 …そうだね
















後日












赤 …集まって頂きありがとうございます。


あの日から何週間か経った。テスト期間がだったり、会議が重なったりと、あまり時間を取れなかったため、お話を伺う事ができずにいた。今日は忙しくもない日だったため 、悠佑くんも来れる時間帯に調整し、学校に来てもらった。


黒 あ、いえ、…この間は

助けて頂きありがとうございます。

赤 いえいえ…では、さっそく本題に入ります。


赤 いつ頃から、虐待を…?

黒 …ないこ、まろ…話してええか?

桃 …うん、もう…気にしなくていいし笑

青 …まろも、…大丈夫っ!



黒 虐待という虐待ではありませんが、

ちょっとした無視や家事を

押し付け始めたのは俺がまだ小学生の頃です。

暴力が始まったのは…ないこが7歳の時です。

赤 …な、るほど

水 悠佑くんに暴力はなかったの?

黒 …はい。気に入られてましたので、

赤 …そうなんですね、…

黒 …一度、ないこの代わりに

俺を殴ってと言ったことがあります。

水 …え、!?

黒 話も聞いてもらえませんでした。

白 …まーじか、…

青 え、そんなことあったのっ…

桃 …あにき、かっこよかった

黒 結果救われへんかったし意味ないで

赤 そんなk

桃 そんなことない!

俺は、救われたよ…?

赤 …

桃 味方がいるって思えるだけで

十分心強かったよ、…笑

黒 …そうか、…

青 …んふ


白 まろちゃんに手出し始めたのはいつなん?

黒 ないこと同じ6、7歳くらいです

白 …はっやいなぁ、


赤 …今まで助けを求めなかったのは何故ですか?

黒 親にバレたら、ないことまろは

命がないと、…思ってたからです。

手当も極力俺がしてきました。

水 …隣が親御さんだよね?

こっそり夜中出るとかはできなかった?

黒 父が、夜遊びする人で

いつ帰ってくるかわからなくて

水 …なるほどね、…

青 まろ一回お父さんに

夜遊び連れて行かれそうになったの

黒 …は!?いつやそれ…

青 …1年くらい前、…トイレで夜起きたら

お父さんが扉叩いてて…

桃 あんだけ出るなって言ったのに…

青 ううん、出てないよっ

トイレの流す音が聞こえたみたいで

そこにいるんだろ!?って

…今日は殴らない、遊びについてこいって

言われちゃった…

黒 返事は…?

青 してないよ、静かに布団戻った

黒 …よかった

桃 あーあぶな…っ

白 夜中に来るとか、怖いな…

水 ね、考えただけで冷や汗やばいよ


赤 …なんか、ごめんね

黒 …ぇ…?

赤 過去、思い出させちゃって

  沢山の辛い想いしてたのに

  …無理やり話させちゃったみたいで


ないこくんといふくんの顔を見たら、顔を歪めながら話していたことに気づいた。こんな辛いことを掘り返してしまったことにひどく反省をする。簡単に話を聞くのは失礼だったかもしれない。



桃 俺は、話せて嬉しいですよ、

赤 ……え!?

桃 …んー、嬉しいっていうか

  今までされてたことが、

  ”過去”になったのが実感できて

  …終わったんだなって思えます

青 …まろもっ…全部が全部が過去形で

  話せてるから…大丈夫ですっ

赤 …そっか、…

黒 助けてもらった分には、

  全て話そうと思ってます。

赤 …うん、ありがとう笑



どこまでいい子なんだろうか、こんなにも理不尽で人間のドス黒い場面を何度も何度も見てきて、悩んで、しんどくて苦しかったはずなのに、性格が腐らずこんなにいい子に成長していることが何よりも嬉しいと思えた。






















水 …グス、うぅ…ッ…ポロ…

白 …う”ッ、うん…

赤 ……ぅ、…グス…、ん

桃 泣き過ぎですよ…w

青 …んふ、なんか…

  まろ達のためにこんなに泣いてくれる人、

  …いたんだね、…

黒 …そうやな…笑


君たちはどこまで心が素敵なんだろうか。































赤 気をつけて帰るんだよ〜!

白 明日待っとるなー!

水 また明日っ!


青 !…うん!さようならっ

桃 さようならー!

黒 ありがとうございました!




















青 …ねーね!

桃 …ん?

黒 どーしたん?

青 ほとけ先生…

  めっちゃいい事言ってくれたよね…っ

桃 …んね! めっちゃ嬉しかった…

黒 頼れる大人がおるって、

  すんごい心強いな…

青 …うん!まろ達の幸せは

  …まろ達にしかわかんないよねっ!

桃 …うん笑そうだね!

黒 頑張ろうな、俺たちで

青 …んふwうん!





















沢山の辛い思いをしたからこそ、なんの変哲もない平凡な日常は涙が出るほど幸せだと思える。小さいな悩みも、過ごせば過ごすほど大きい問題になり、後戻りのできない事が起こりうるかもしれない。そんな状況でも生き抜いて、濁った考えも飲み込まず、乗り越えた人にしかわからないものがある。見えない明かりも、周りの意見に絆されず自分の意見をしっかりと持っているだけで、他とは違うけどきっと自分だけの明かり が照らしてくれる。それがたとえ間違っていたとしても、僕はそれが正しいと言い続けるよ。

水 普通じゃない家族でも

  いふくん達の幸せは素敵だと思ってるよ。

  なにがどう言われても、

  それが普通なんだって

  普通の幸せなんだって

  …僕たちが証明してあげるからね。








   











  

     

 

 

     普通(僕らだけ) 幸せ









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