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95日目

 

 

んー…何あげたらいいんだろ、

 

 

やっぱり絵?

でも何を描けば……

 

 

あ、そうだ。

今日瑞希が来るらしいし、相談してみようかな

 

 

 

絵名


 

病室でぼんやりと考えていたら、突然病室の扉が開いた。

 

 

ハッとして横を見ると、瑞希とまふゆがビニール袋を下げながら病室に入ってきた。

 

 

「ヤッホー絵名!そこのコンビニでカットフルーツとか買ってきたよ~」 


 

『え、本当!?ありがと~』 


 

「……奏は今日、来れないみたいだから」 


 

『あ、そう……』 


 

 

 

瑞希とまふゆは目の前の椅子に座り、ビニール袋から何かを取り出した。

 

 

「じゃじゃーん!カットフルーツとバウムクーヘン~」 


 

『わ~美味しそう!!』   


 

「ジュースもあるよ。…飲む?」 


 

『うん!食べるし飲む!!』 


 

「はしゃぎすぎだよ~‪𐤔」 


 

 

バウムクーヘンを1口食べる。

久しぶりに食べた優しい味で思わず感動してしまった。

 

 

『ん~美味しっ……』


 

「あははっ」 


 

「…そういえば絵名、奏にあげる物は決まったの?」 


 

『えっ、あ~……まだ決まってないんだよね、』 


 

「そっかぁ…ちなみに候補とかはないの?」 


 

『一応……絵、とか、、』 


 

「いいじゃん!絵にしたら?」


 

「…良いと思うよ」 


  

『……でも、』 


 

「ん?…嫌なの?」


 

『…まぁね、、せっかくならクオリティの高い絵をあげたいし、でも時間ないし…』   


 

「クオリティなんて関係ないと思う。」

「……奏は、絵名の描いた絵なら何でも嬉しいと思う」

 

 

いつもはこんな事言うキャラじゃないが故に私は少し動揺してしまう。

 

 

『で、でもっ…落書きレベルな絵をあげられる訳ないじゃない』

 

 

「ん~困ったね~……他にあげられそうな物はないの?」

 

  

『…瑞希みたいに手芸も出来ないし、まふゆみたいに曲も作れない。』

『そうなると私は絵かな、って思ったけど…才能が、無い……から、』

 

 

「え」

   

 

「……」

 

 

気付いたら目から暖かいものが伝っていた。

 

 

『いつも、奏に救われてきた…っ』

『だから今度は、私達の番だって……思ったのに、、私は、こんなだから…』

 

 

「絵名…」

 

 

「……」

 

 

まふゆは私を無言で見つめ、瑞希は私の涙をハンカチで拭いてくれる。

 

 

『っ…悔しいの、』

 

 

「え?」

 

 

『私は……奏、まふゆ、瑞希と違って…才能が無いんだって、思い知らされて……!』

 

 

瑞希は涙を拭く手を辞めた。

まふゆも、冷たい目に変わる。


 

 

……怒らせた、?

           

 

『っ……、?』

『何…』

 

 

「絵名、絵名は何も分かってないね」

 

 

「そうだね~いや~困っちゃうなぁ~」

 

 

まふゆと瑞希はぐんぐん私に近付いてくる

 

 

『は!?な、何…怖いんだけど……!』

 

 

「「絵名は才能があるよ」」

  

 

『え……』

 

 

まふゆと瑞希は私の涙を手で拭ってくれる。

 

 

『何、言って…』

 

 

 

「絵名は才能があると思う。」

   

 

「うんうん!そうでなきゃニーゴのイラスト担当に選ばれてないと思うけど?」   

 

 

『っ…そんなの、お世辞じゃない……』

『たまたま、運が良かっただけで……』

 

 

「そんなことないってば!」

 

 

「…奏は運任せで大事な役割を決めないと思う」

 

 

「そうだそうだー!」

 

 

『っ……』

 

  

私は唖然とする。

 

2人がここまで言ってくれるなんて予想もしてなかった。

 

 

……それに、例えもしもこれがお世辞だとしても…素直に嬉しかったんだ。 

 

 

『な、何よもう…//』


 

「あれ~?もしかして照れてる~?」

 

 

『うるさい!!』

   

  

「絵名、うるさいよ」   

 

 

『はああ!?』

 

 

「まぁまぁ~‪𐤔」

 

 

 

……こんな日々が、続けばいいな。

100日後に自✘‎する予定の私の日記

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