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初めての友達

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初めての友達

13 - 第12話 のんびりと

♥

12

2024年09月29日

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イズミ視点


「…?え!?」


「「お、ちょ!!」」


カナメが驚いて飛び起きた瞬間に、

部屋にマイクがあれば完全に響くだろって言う程のぶつかる音がした。

それもそうだよな…起きたら俺が目の前にいんだから


「「わ、悪ぃ…。いってぇー」」


「いや、こっちこそ…」


カナメ視点


眠りから醒めて、目を開ければイズミの顔が目の前にあった。流石に驚いて、飛び起きてしまって、おでこをぶつけてしまった。


心臓飛び出るかと思った。なんでこんな距離感だったんだろ…?キスできる距離だったよ

上手く頭が回らないし、深く気にしないでおこ 。


「「カナメおでこ大丈夫か?」」


近。ガチ恋距離?


「うん、ちょっと痛いけど大丈夫」


「んの前にイズミおでこ真っ赤w」


「「カナメもピエピタ外したら絶対赤いから!!」」


「じゃあ外すよ?乾いてるしw」


「「おう」」



ペラッとピエピタを剥がし、地味におでこがジンジンするのを感じる



「……はい」


「「赤w」」


「最悪なんだけどw」


「「まぁまぁw」」


「…そういや、イズミピエピタどこ行ったんだ?」


「「…うわ、おでこにねぇ!」」



イズミは、額に両手を当てて、本当にピエピタがないことを確認し、ベッドから離れて色んな所を探している



「どこに置いてったんだよ。ピエピタちゃん」


少しノリで、ピエピタをちゃん付けで言うと、イズミもそのノリに乗ってきた。流石だね


「「ピエピタちゃーん。あ、あった」」


何故か端にあった。

寝てる間に投げ飛ばしたりした?


「床に落とすなよ〜ピエピタちゃん」


「「ごめんごめん。捨てよ」」


イズミは、ベッドの横にある机にスマホを手に取り、通知が来てないかチェックしていた


「「あれ、母さんから連絡来てた」」


「なんて?」


「「寿司がそろそろ届くだろうから、リビング来てねって来てた」」


「んじゃあ行こっか」


「「おっけー」」


ベッドに座ってた俺を、イズミは手を伸ばしてくれていて、俺の手はイズミの手に添えて、リビングまでエスコートしてくれた。


フラつかないように気を遣ってくれてんのかな。優しいな…


階段降りてる最中に、イズミが2段下にいる時に俺の方を見てたから、俺も見たけど、 イズミってこんな優しい瞳してるのか。



染めたのか知らないけど、金髪に似合う黒い瞳だ

黒い瞳なんて、何千億人といるはずで、レアな目以外同じものと思っていたが、何故かイズミの瞳は、どこの誰よりも綺麗に見えた。




残り数段となった頃に、イズミが俺の方に振り返り、突然の俺を頭の先からつま先まで見るから、身動きが出来なかった。



そして俺の全身を見て、俺と目を合わせて

「「カナメってカリンチョリンだな」」

とニヤニヤしながら言われた。


イズミに言われたくないわ第2カリンチョリンが


「イズミもカリンチョリンでしょ」


「「うるせ!」」


「変な奴w」















階段降りた先に、イタチくんが目が棒のようで、とんでもない顔して、爺ちゃんみたいな腰になって寿司のパックの上に飲み物を積み上げて運んでいた。



笑いがでそう…


「「うぉ、寿司届いてんじゃん」」


イタチ「ついさっきね〜ていうか兄ちゃんこの上にある飲み物持ってくんない!?」


「「俺カナメの道標してるのに忙しいから悪ぃな〜?その代わり筋肉付くだろ?」」


イタチ「その前に重くて腕もげるよ!!」


「「ガンバガンバ〜。カナメ行こうぜ」」


「うん。イタチくん頑張ってね」


イタチ「う”ん”」


カナメ・イズミ(死にかけw)



イタチ「はい!どうぞ 」



先程見たとんでもない顔は、どっかに消え去っていて、清々しい顔をしていた



イズミ母「良く頑張ったわねイタチ!」

イズミ母「それにしても、カナメくんにイズミに…なんでそんなおでこ真っ赤なのよ」



蓋をされた寿司のパックを開け、全員分の飲み物をそれぞれの椅子の位置に置きながら、言われた



バレちゃった。


「「あ、えーと!おでこぶつけちゃって…な!カナメ」」


「そ〜そ!!ほんと痛かった」


イズミ母「気をつけなさいよね〜」

イズミの母さんは、そうふにゃっと笑いながら答えた。


やっぱりお母さんだから、そういう口調だよね。

俺、母さんにそんなこと言われたかな。やっぱ、いくら記憶から抹消しようとしても、ふとした瞬間に湧くんだなって思う。


寂しい…な


イタチ「ほらカナメくん!長時間立ってるとふらついちゃうでしょ?座っていいよ!」

椅子を引いている所へイタチくんが立っていた



「ありがとう」


「「カナメって好きなのあんの?サーモンとか!」」


俺の隣の席の椅子を引きながら、答えてた。


「やっぱ定番のサーモンは当たり前でしょ?後は〜、イクラとか…ほとんどのは好きだよ」


「「じゃあカナメにサーモン2巻差しあげよーう」」


イタチ「兄ちゃん!?僕のも残しててよね!」



棚に置かれている皿へ目掛けて手を伸ばしながら、こちらへ喋りかけている。



皿と一緒にコケないよね…大丈夫…?


「「どーだろーな?残せてるかな…。ちなみに俺も食うんでな!!」」


イタチ「皿も醤油も出してる暇じゃないんだけど!!ていうか母さんどこに行ったの!」


「「トイレ」」


イタチ「はぁぁぁ…」


溜め息は付いてるのに、顔はニコニコじゃん?イタチくん。楽しそう…



イズミ母「ただいま〜あら!もう準備出来てるの!さすがねー」


「「んな事より早く食おうぜ」」


イズミ母「はいはい。それじゃ」




全員「いただきまーーーーす」


「美味…!!」


「「ふほこのハーホンうばぁ!」」


「な、なんて?w」


イタチ「このサーモンうまぁ!って言ってたよ」


「「良く分かったなイタチ!」」


イタチ「舐めないで」


仲が良いなぁ。


俺も、母さんと父さん達とこうやって並んで食べたかったな。こうやって、何言ってんのか分からなくても、誰かが訳してくれるこの空間が羨ましい。

やっぱり、あの日俺が無理して帰れば良かったなそうしたら…状況も話してくれて、最期を過ごせて、一緒にこうしてご飯食べれて… 見送れて

葬式の日泣けたのかな。


「「次たまご食おっと!!」」


「イズミ俺にもちょーだーい」


「「おう!」」


イタチ「僕マグロたーべよ」


イズミ母「じゃあ私いくら〜」





それから飯は食い終わった。



机の真ん中に置かれていた寿司は、全部なく、米が数粒残っているものしかない


イズミのお母さん以外、俺も含め椅子に座ってダラーンとしている。足にほんの少し力入れておかないと、滑って落ちて行きそうな。



イズミは、どうしてこんなに眩しくて、こんな俺に優しく包んでくれるような事をしてくれるんだろう。

ねぇ、イズミ…。お前に俺のこの、今までの事を伝えたらさ…お前は拒絶するか…?

こんな過去を話しても、今のように…裏切らずに”友達”でいてくれるか?



イタチ「はぁ〜美味かった…。」


「「美味けりゃ心も浄化されんな!」」


イタチ「兄ちゃんだけじゃなーい?w」


「「はぁ!?カナメもそうなるでしょ?」」


「ん?ん〜どうだろ?少しはしたかもね」


「「 ほらな!!」」


イタチ「まぁ人それぞれ…あ!テスト勉強しなくちゃじゃあね!」

バタバタと、椅子から離れ、急いで自室へ戻っていくのを見送る。


「「逃げやがったなクソ!」」


イズミは、追いかけようとしていたが、ピタッと止まりこちらへと戻ってきた


イズミ母「はいはいよしなさい。カナメくん風邪薬持ってるんだけど、飲む?」


「はい。ありがとうございます」


イズミ母「親御さんに連絡しておこうか?それともカナメくんがする?」


「俺がしますよ。お気遣いありがとうございます」



一応愛想笑いをしたが、ちゃんと笑えていただろうか?最近笑顔の練習してないから…



流石にお願いして電話に出ないってなって…本当じゃなくて嘘の事を伝えるのは、俺にとっても…イズミのお母さんに対してもダメだ。


「「カナメ〜水と薬やるよ!早く治せよ」」


俺の目の前に、2粒程の薬と水を置き、座っていた椅子へと座り、こちらをジッと見つめてくる

俺の苦がる顔を見たいのか、心配してんのかどっちか分からない言い方をした。


顔は正常。


「分かったよ。じゃあ飲むね」

水と一緒に飲み込んで、何か喉に違和感が残っているが、苦くなかった。


「苦くないじゃん?」


「「あ、バレた?」」


「分かりやすいからw」


辺りを見回すと、俺とイズミだけだった。

知らない間にイズミのお母さんは、どっかに行っていた。


「そういや、イズミのお母さんは?」


「「ん?あー、風呂じゃねぇか?いつも黙ってどっか行くから分かんねぇんだよな」」


「なるほどね」


「「ま!ここに居ても何もねぇし、俺の部屋戻っか?」」


「そーだね」


「「んじゃま行こっか」」


椅子から離れ、ふらつかないように、机の端に手を置いて向かおうとしたが、ガサガサと後ろから聞こえ、振り返るとイズミは、 薬とか 冷やし続けられたピエピタを手一杯に持っていた。


いつでも、俺の事を考えているのだろうか。

なーんてね、自意識過剰か






イズミ視点


病人は油断大敵。俺は良くそう思う。

カナメに見られているが、家にある風邪薬やら解熱剤、咳を抑える薬…ピエピタやら、とにかく手一杯に持った。

これでカナメがいつでも熱、咳、嘔吐、倦怠感が出てもいいようになれた。安心して、ここに過ごして欲しいから。まるでこの家族になれたように


「「うっし!じゃあ行くか。歩けるか?」」


「うん。少しフラつくけど、歩ける」


「「のんびり歩くから焦らずにな」」


「うん」


こういう時って、理由とか聞かない方が良いよな

…俺って、今…どうしてあげれば良いんだろう

カナメが死にかけた日からずっと考える。

カナメを助けてやりてぇって気持ちがあるのに、どうしてあげたら良いのか分かんねぇよ…。

とりあえず今は、カナメを治す事だけを考えよ


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