コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
クリスマス。
皆がリア充だのデートだので狼狽えながら叫ぶ姿を見るのは、実に滑稽…いや、面白いのだが。
私……小雪は、ある事を考えていました。…
「小雪ちゃん小雪ちゃん」
それはある日のこと。
私の主人…(仮)の姉にあたる、椿さんから話しかけられました。
「はい、なんですか?」
「小雪ちゃんってさ、誕生日いつ?」
誕生日?どうしてそんなことを言っているのでしょうか…
いや、それよりも。
「椿さん、その手に持ってるパイなんですか?」
「あぁ、蓮に投げるよう」
????????え?
椿さん、蓮さんは仮にも弟ですよ……
「そんな顔しないで、本気で」
「あ、すみません」
「怒ってる訳じゃないんだけどなぁ…」
そうなんですか。いや、そういえば…
「椿さん、誕生日の話ですが。」
「軌道修正ありがと。で、まずある?」
「ないですね…」
ない前提で話してくれるのは有り難いのですが、パイを向けるのは辞めてくれないですかね?
まぁ聞こえないですし…
「たっだいま〜ー!!」
「お帰りなさいませ、美桜さん。」
ただいま帰ってきたのは、椿さんの妹にあたる美桜さん。
その身長…いえ、その体から思いつかないぐらい強いです。
言動と行動さえ頑張れば良くなると思うのですが…
まぁ、刀があるので無理ですね。
「はぁ〜、椿ねぇ、なんかおやつちょーだい」
「無理。あ、蓮に投げるようのパイならあげるよ?」
「え欲しいほしい、ちょ〜だい!!!」
因みに美桜さんはなんでも食べます。
たとえダークマダーでも………
「それは駄目ですよ、多分腐ってるので」
「は、まじ?やべぇやんけぇぇぇ!!!!」
「たらいまぁ★」
「お帰りなさいませ、翼さん。」
この方は夜桜翼さん。夜桜の次女です。
大体の事は出来るエリートですが、なんと魔法の能力が素晴らしく優れています。
ただし、料理や裁縫などの、細かい作業?は苦手です。
一度料理を作ってもらった事があるのですが…
………死にかけました。
「ただいま…」
「お帰り、つかにぃ」
「お帰りなさいませ、司さん」
「その硬っ苦しい敬語どうにかなんない?」
「あ、司パイいる?」
この方は夜桜司さん。夜桜家の…ボス?ですかね。
偉いのはすっごい伝わるのですが…
なんか全てにおいて平均的だそうです。
あるいみ凄いんだとか。
まぁ、優しくて美しい?ので、大体は笑顔で許されるそうです。
あと、幸運体質ですって。秘密ですよ?
「あ、少し部屋に籠ります。」
「おっけ〜!小雪ちゃん、無理は駄目だよ?」
「はい、分かってますよ。」
ふぅ…、部屋に戻りましょうか。
部屋…
「ふぅ………」
誕生日の話から急に飛びましたね。まぁいつもの事ですが。
そういえば…、能力を最近使ってないかも?
使ってみても良いかもしれません。
もしかしたら、誕生日について何かわかるかもしれません!!やってみましょう〜!
『えーと。MEMORIALshock!』
記憶の中…
はい、驚いたでしょうか?
これが私の能力。記憶を操ることや、見ることもできます。
なので一度、夜桜の皆さんの記憶を見たのですが…
想像以上に厳しい過去がありました。
みなさん、どうしてそんなに笑えるのか、凄いです。
さて、私の過去を探しましょうか。
見つけました。ですが………………
誕生日…今日ですか…………??????
「えぇ………」
今日ってクリスマスですよね?そんな事あります?
いや、クリスマスイブか。それなら安心…
じゃないです!まって!まってくださーい!
どう説明すれば…「今日でした」なんて言えば、皆さんの冷ややかな視線が……?
そんな事にならないよう、注意しなければ…
でも私、今日で何歳なんでしょうか?
一応オオカミなので、人間換算すると……
19歳ですね。お酒飲めますかね?
でも少し楽しみです。あ、晩御飯の準備がまだでした。
早く戻らないと……
リビング…
「そういえば、蓮さんまだですか?」
「あ、蓮そういやいねぇ。」
翼さん、そこは気づいてください。弟ですよね←
「ただいま〜」
あ、帰ってきました?
「小雪ちゃん、尻尾振ってるね〜」
え、マジデスカ
「そんなことないですー!」
「はは…とりあえず今日の主役を待たせた蓮は後でお仕置きで……」
椿さん、目が笑ってないですよ………
言ったら怒られそうですけど……
言ったら怒られそうですけど!←二回目
「あはは…ごめんて」
「じゃあ言うよ…せーの!!」
………………え?
なんで分かって…………???
「あら?失敗?失敗した?」
「翼、それは違うと思うけど……」
「驚いたでしょ!ねぇ、ねぇ〜」
「椿、虐めてやるな。」
「何で誕生日がわかったって顔してる?」
はい。シャベルのが落ち着かないので頷きました。
「いや〜、小雪ってさ、俺の能力シッテマス?」
蓮さんの能力ですよね。確か……
「誰かの能力を『一時的に使用』できる……だったですよね?」
それがどうしたんだろうか。どうして私の誕生日を……
………………待ってください。まさか。まさか……
「あ、気づいた?」
待ってください…ちょっといきなりですよね。
「俺が小雪の能力を『借りて』記憶の中除いたの。勝手に悪かった?」
悪い訳ないじゃないですか。目頭が熱くなる。皆さんの前で泣いてはいけませんのに……
「あ、小雪ちゃん泣いてる!蓮泣かせただろ〜」
「はぁ!?俺じゃねぇよ!大体美桜が……」
フフッ、やっぱり皆さんいつも通りです。
明るくて強い美桜さん。
優しくて賢い翼さん。
攻撃的だけど仲間思いの椿さん。
いつでも笑顔で笑ってくれる司さん。
そして、私のご主人。蓮さん。
私は、私は……
なんて幸せなんでしょうか。
「私、私……、」
「ん?なんて…」
もし、私の過去を蓮さんが見てしまっていたら。
もし、私の正体がバレてしまっても。
私は、この人達についていく。
あの日、少なくとも私は救われた。
だから、今度は私が…………
ーユキノヒノホシクズー
〜完〜