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『 鬼の花嫁 、愛でられる時 』
・煌桃 、蒼桃
・平安
・エセ関西弁
すた ~ と☆ .ᐟ
時は平安 ___
貴族が絶大な力を持ち 、政治を動かすこの時代 。
そんな時代の貴族の中でも 、ある有名な家系が有りました 。
それが 『 華彩家 』
貴族政治の中でも頂点に登り詰め 、下の者を従える 代々の貴族 。
其の家系に 、美しい華の姫が産まれました 。
名を桃 、と言います 。
我らが誇る華彩家に相応しい 花の様なその美貌 。護られるべき 、高潔な方 。
そんな華の姫様は過保護気味にも 、安全にすくすくと育っていきました 。
其んな姫の 、成人日の前日 。
都はたった一人の誕生日を祝う為 、祭の様に街をズラリと並んだ提灯や露店 等で飾りました 。此れまでにない程 、都は賑やか 。
「 … 」
其の様子を 、桃は一人で見ていた 。
「 時の流れって 、早い物だな … 」
桃は賑やかな外を他所に 、屏風の前で唯一人夕食を食べていた 。
チラ 、と視界一杯に広がる屏風を見上げる 。正面の埋め込まれた金箔が月光を反射して 煌めいている 。左右に描かれた二人の鬼が 、各々の迫力を放っている 。
ふと 、瞬き一つ 。
「 … は 、」
神がいない 。広がるのは金の輝く面だけ 。
其の時 、視界が塞がれた 。生暖かい 、人肌の ___ 手の様な 。片方は冷たい 。
「 … 誰です 、 」
持っていた茶碗と箸を取り上げられて両手が空く 。
帰ってきたのは沈黙 。答えてもらえない 。
恐怖と不安が胸を締め付け 、嫌な冷や汗が額に滲む 。
こく 、と唾を飲み込む 。そして帰ってきたのは視界の開放と 、目の前の人間らしき物の顔が二つ 。
「 おぉ … やっぱ可愛えなぁ 。なあ蒼ちゃん?」ニコッ
「 … 綺麗な顔しとるな 、」
「 僕この子がええわ 。蒼ちゃんも同意見やろ?」
「 … そうやな 、」
突然桃の目の前で 、当の本人を蚊帳の外にし話し出す二人の ___ 鬼 。少し癖のある白髪と 、艶を帯びた青髪 。
先程まで屏風に描かれていたはずの二人の鬼にそっくりだ 。
「 ごめんなぁ 、ちょっと寝てもらうで … 」トンッ
「 ぁ 、… 」
そこで桃の意識は途絶え 、糸が切れた操り人形の様にくたりと背後の 白い鬼 に預けられた 。
「 … 寝顔も綺麗や 。」
「 煌 、惚れるの早すぎんか … 面食いやな 、」
「 ほ 、惚れっ … てか面食いちゃうわ 、!」
煌は桃を横に抱え 、襖の奥に広がる外に足を踏み入れた 。チャリ 、と桃の簪が風鈴の様に揺れる 。
「 … ちょっと揺れるからな 。おい煌 、ちゃんど掴んどけよ 。」
「 蒼ちゃんも人のこと言えんやん … 分かっとるよ 。姫様落とす分けないやろ 、笑 」
その言葉は 、今宵の闇の中に溶けて消えた 。__ 部屋に金箔だけの屏風を残して 。
コメント
1件
おお、これは面白い始まり方ですね。平安の貴族社会に、屏風から抜け出した二人の鬼――煌と蒼のエセ関西弁がキャラクターを一気に立たせていて、読んでいて「あ、この二人好きだな」とすぐに思いました。特に「僕この子がええわ」の軽さと、それに同意する蒼の淡々とした返しの対比が絶妙です。金箔の屏風の描写や簪のチャリという音など、視覚・聴覚に訴える細かい仕掛けが物語に奥行きを与えていて、プロローグとして完璧な引き込み方だと思います。続きが気になりますね!
ゆう(アホ隊長)
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