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きっとこの恋はもう届かない。


間違えてキスしてしまった。


「……は?」


左馬刻さんは驚いても可愛い。じゃなく!!


『す、すみません、、!!』


急いで謝った。左馬刻さんはまた一服。

そのまま、何も言うこともなく、目を合わすこともなく、俺たちは最悪(The Dirty Dawg解散)を迎えた。




それでも、忘れられない。

思い出す、あの日の感触。

バカみてぇだな。


「会いたかったぜ。偽善者の山田一郎くんよ……」

『左馬刻ぃ……』

「“さん”を付けろ」


心が痛い。好きだ。

抱いてはいけない感情を、一番向けてはいけない奴に……。


『左馬刻、俺が勝ったら……一つだけ、言うこと聞いてくれませんか?』

「いいぜ。まあ、俺様が負けるわけねぇけどよ、、」


なんでだろうな。左馬刻のそういうところが好きだ。


「ハァハァ……。ッハハ!一郎にしてはやるじゃねぇか……!」

『もう、立てねぇだろ……左馬刻さん』

「……負けは認めねぇが、今日はそういうことにしてやる。すげぇ、真剣だからよぉ……。聞いてやる。望みはなんだ」

『あんたが欲しい』

「は?」


また口走ってしまった。デジャブ。漫画に描いたようなデジャブ!!


「何言ってんだ?」

『……俺は、左馬刻…あんたが好きなんだよ。間違えてキスしてしまった…あの日から……ずっと、、』

「そうか……なら、付き合ってやんよ」

『え、い、いいのか、、?』

「まあな」

『左馬刻さん……好き』


その日、人生で二度目のキスをした。

あの日より、はるかに甘い。

酸味がなく、ただひたすらに甘かった。


それから何年経っても、左馬刻とはずっといた。


そして、俺たちは中央区と戦う日が来た。

みんなで、あの頃のように協力して。

ついに───。


だが、左馬刻は倒れた。

みんなで駆け寄って声をかけたが、反応はなかった。

俺は最後に、キスを落とした。

苦いようで、全く味がしない。


『じゃあな、左馬刻さん……』


左馬刻はその日、左馬刻の好きなみんなに囲まれて、永遠に眠った。

また、目を覚ますその日まで。




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