テラーノベル
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真っ白の何もない部屋に久太郎の咳が木霊する
久太郎は
「この部屋何〜?寒いんだけど〜…」
と辺りを見回しながらエメラルドグリーンのカーディガンで覆われた自身の両腕をさする。
しかし袖は捲られたままだった。
袖を伸ばせば良いだけの話だが。
それはさておき、相方である昭子は真面目そうなメガネっ娘という型を自ら破るように
「わぁ〜 ハグしないと出られないんですって〜!熱いですね〜」
とまるで他人事のように軽薄に笑っていた。
久太郎はうーむと顎下に拳を添え…
「よし!じゃあ俺がぎゅってするからおいで!」
と笑顔で両手を広げ恥ずかしげもなく昭子を呼ぶ。
昭子は
「ありがとうございます〜!ではお言葉に甘えて〜」
と近付いていき、久太郎の腕を手に取り自分の背中に回るように自ら動かす。
「わっ なんだよ」
とケラケラ笑い抱きしめる腕にゆっくりと力を込める。
「さっちゃんて意外と背大きいんだね」
と久太郎の低い声が耳元で聞こえる
昭子は心臓が跳ねるなんてことは微塵もなく
「そうですね 私172cmなので」
と変わらないトーンで平然と返す
「えぇ!?そうなの!俺175!」
と昭子から離れニカッと笑う。
2人は横並びで扉の方へ歩き出す。
「3センチ差なら牛乳沢山飲めば追いつきますかね〜」
と昭子は笑顔でぴょんぴょんと軽やかな足取りで部屋を出る
久太郎は
「追いつく……そっか!!よーし!出口まで競走!」
と廊下を走り出した。
「待ってくださいー!フライングですよー!」
と昭子は足音を鳴らしながら背中を追いかけていった。
コメント
1件
いやー、この回すごく良かった!ハグしないと出られないっていう謎ルールから、久太郎がさらっと「ぎゅってするよ」って言えるの、気持ち良すぎるだろ。昭子も172cmってサラッと返して、身長差の話から競走になる流れが自然で、ほっこりしたわ。タイトル回収も上手い!二人の仲の良さがにじみ出てて、続き読みたくなったよ🔥