『あ、そうだ!じゃあ、その噂を事実にしてあげようか?』
「は?」
『だめ?いい案を出したと思ったけど?』
「いや、それ告白になってんの分かってる?」
『うん。』
「うんじゃねえよ。私にそんなこと言っていいのかよ。取り巻き達が悲しむぞ。」
『いやあの子達はただのストーカーだよ。』
「うわ、あいつらが聞いたら倒れそう。」
『で、どうなの?良いの?悪いの?』
「いやそんなすぐに決めることじゃないでしょ。」
『じゃあ5秒、5……4……321』
「いや早い早いっ……いいよ。」
『え、いいの?意外なんだけど。即答で断ると思ってた。』
「ふふふ、だって考えてみたら噂してた奴らが本当に付き合ってるって知ったときどんな面白い顔するか気になっちゃって。」
『おーい性格悪いぞ。』
「その性格悪いのが今からお前の彼女になるんだよ。」
『あはは、じゃあ最悪じゃん。』
「そうかもしれないね。」
そして、また彼を見た。昼から変わらず学校中の人に聞いたら私以外の全員がイケメンと言うだろう彼だ。でも、昼とは違ってこいつが今から私の初めての彼氏になる。たった数時間で変化した関係に思わず笑う。
「ふふふ。」
『なんで笑ってんの?』
「いやなにも。そんなことより早く帰ろ。」
『はいはい(笑)、もう日が落ちそうだしね。』
「あ、ほんとだ。」
『気づいてなかったのかよ。』
そう言いながら先に立った彼は手をこっちに差し出してくる。私はその手を取りながら言った。
「好きだよ。」
『えっ⁉︎』
「嘘に決まってるでしょ。」
取った手を引っ張るようにして玄関に向かう。速いよと聞こえるが無視する。もう早く帰ってしまおう。
『じゃあ僕も好き。』
「急にどうした。」
『さっき好きって言ってくれたから。』
「嘘って言ったよね。あとそろそろ信号変わりそう。」
『本当に変わった。あ、そうだ!今度の休みデートとか行ってみる?』
「面倒だからいい。どうしてもって言うなら私の家に来たらいいじゃん。」
『じゃあ、そうさせてもらう。我が儘な彼女で僕も大変だな。』
「こっちも、バカな彼氏で大変だよ。」
『それはお互い様ってやつだよ。』
「ふふふ。改めてよろしく。」
『あはは、こちらこそ。』
えんどに、これからは恋人でよろしく
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明日から変わる男女の話