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『 アーサーさんは、ペットとか飼われないのですか ~ ? 』
猫撫で声で俺に問い掛けてくる女優に反吐が出そうだったが、2秒要らずで作った営業スマイルで問に答えた。
「 最近、小さな黒猫を飼うことになりました。 」
『 えぇ ! 私、猫好きなんですよ ~ ! 良ければ猫ちゃんの御名前を聞いても宜しいですかね ! 』
「 それがまだ、名前が決まって居なくて 」
『 そうなんですね ! それなら、御写真とかって … あれば見せて頂いても宜しいですか ! 』
そろそろコイツへの対応にも面倒臭くなってきた。
「 すみません、結構な恥ずかしがり屋で、中々写真を撮らせてくれないんです。 」
『 そうなんですね … ! でもそれじゃぁ、懐くまで大変だったでしょう ? 』
「 そうですね、初日は警戒したままでしたが、2日目から少しづつ甘えて来るようになって、今ではもうベッタリ甘えて来ます。まぁ、どちらかと言うと俺がベッタリ何ですけどね。」
『 へぇ ~ ! そうなんですね ! 、あの … もし宜しければアーサーさんのお家に遊びに行っても宜しいですか ? 』
目を輝かせながら返事を求めるが、俺の答えは勿論 無理です ただこれ一つだけだ。
絶対にあんな奴に菊を合わせる訳には行かない。
女優はマネージャーに呼ばれ、帰って行った。
「 お前、猫なんて好きだったっけ ? 」
女優と入れ替わりで入ってきた髭が、俺に問い掛けた。
「 盗み聞きか ? 相変わらず品がないな 」
「 んな訳、あの子と1回お話してみたかったけど、絶対あの子アーサーのファンだよな ~ 」
「 へ ー そうなのか、だからと言って対応は変わらねぇがな 」
「 ふ ~ ん 」
「 猫って、お前大丈夫なのか ? あの女優余り良い噂は聞かないけど、《 ペット飼ってるとか女と同棲してるんじゃないか ~ 》とかってタレ込まれるかもしれないぞ ? 」
「 忠告は感謝する。だが、 その時はその女優を徹底的に潰すしかないな。もう社会には出て行けないレベルでな。 」
「 はぁ ~ 元ヤン怖い ! 」
そう言いながら部屋から出て言った。
時計を見ると、昼前になっていた。早く帰らなければ、今頃猫は寂しくて堪らないだろう。
厳重なオートロックのある高級マンションに帰り、自分の部屋へと軽い足取りで向かい扉を開くと、俺は直ぐに家の鍵を閉めた。なぜかって?勿論、猫が逃げないようの防犯である。
リビングに行くとソファーに座る菊を俺は抱きしめて、そのまま菊は「 おかえりなさい 」と俺にだけ聞こえるくらいの小さな声で呟く。菊が責任取るって約束したもの、だから俺はもう菊1人に全てを捧げるから、菊も俺1人に全て捧げてくれるよな、 ?
fin .