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あとがき2
その1.無意識の偏見(バイアス)とは
私たちは人間社会で生きている中で、自分が気づかず、物の見方や捉え方が偏ってしまうことがあるのではないでしょうか。つまり誰しもがこの無意識の偏見に囚われていると言えます。
これは性別、属性、外見に対する思い込みが有力だと思っており、例えば『男だから全員力持ち』、『Z世代の若者たちは全員メンタルが弱い』、『金髪をしているギャルは全員明るく軽い性格』等です。
それを持つこと自体誰しもが、私たちが持っているバイアスですが、それが時に知らず知らずに他人を傷つけてしまうことがあると言うことです。
難しいですが、対処法としては一度自分を客観視してみること、自分の意見に偏りがないかどうか、立ち止まって疑ってみることが大事だと考えています。なぜこの話をしたのかと言うと、社会が歪んでしまう一つの原因としてはこの無意識な偏見も関わっていると考察したからです。
その2.空気を読むということはどういうことか
空気を読むということは一般的には場所によってやり方が違うかも知れませんが、相手の気持ちや雰囲気を察するに有効な手段であることは共通であると言えます。
それから**『空気を読むこととマナーを守ることは本質的に同じ』**だと考察したことがあります。
つまり海外旅行等でマナーが悪いことは空気が読めない、つまりKYだと言えるのではないでしょうか。
私作者自身は空気を読むことに自信がないことを自覚しています。だからこそ先程話した通り閉鎖的な小中学校の同窓会や成人式に行くのを断念しました。
もし行ったとしたら、周りから『社会の恥』や『出来損ないのKY』という心無いレッテルを貼り付けられて生きづらい思いをしていた可能性も否定はできません。
高校、短大、専門、大学の同窓会では同じ目標を持った個性豊かな同士たちが集まることもあり、無理をしてまで空気を読む必要はないかと考えています。
それから私作者の世界観における東京24区の一つである東京フリーク区での空気の読み方としては『特定のラベルで人を判断してはいけないこと。相手に敬意を表する呼び方をすること』、『外面だけで人を判断せず、歴史を通して自分の内面と深く向き合うこと』です。
東京フリーク区とは対照的に港区にある完璧ヒルズは住人たち全員が『オーッホッホッホッホ!!!!』という高笑いを表現しないとKYだとみなされます。
その社会にしたのは完璧な場所であることをアピールするためです。
性別問わず、誰しもその笑いをしないと自己表現や自己主張ができないとみなされて学校や職場ではいじめの対象になる世界観なのです。
そのため、自分に自信があり、マウントも取れ、空気が読めることが最大の誇りであり美徳だと完璧ヒルズの住人たちはそう主張し続けています。
なので、港区完璧ヒルズで披露した完璧な成人式でも『自分たちこそ今の自分に自信があり、空気が読めて自己主張ができる。マウントも取ることは生きていくための美徳』と成人生全員が一律も乱れずに発言するように書きました。
その3.ミュータントと非ミュータントの違いについて
ミュータントとは神話、妖怪、怪物の血が入っている完全ヒューマン型のことを指しています。
ただし、記号的な牙、角、尖った耳、変身等は一切なく見た目は人間と変わらないのが特徴です。あるとすれば能力が出せる程です。
作中に登場した毒島はじめ(手石はじめ/後の白川愛)がミュータントとされています。
なぜこの記号的なアイコンを外しているのかというと、ただ人間味が溢れるキャラクターにするのではなく、そのミュータントの能力があることによって、その見えないコンプレックス的で繊細な内面をどのように表現していくプロセスにこだわっているからです。
人口的にも東京フリーク区の方が完全ヒューマン型ミュータントの割合が8割もいます。
その4.正義とは
私は善悪を白黒はっきりつけるような勧善懲悪が好きではありません。
なぜなら**『正義の反対は悪ではなく別の正義』**だという自覚を持たないと、多角的な視点を持つことができないと考えているからです。
正義の本質とは自分の信念にあるのではないかと考えています。
ですが、一歩間違えると自分が正義だと思っていたとしても、相手からすれば悪だとみなされてしまうという負の側面があるからです。
なので、正義について研究するために過去の歴史を勉強するだけでなく、他の作品でも主人公と悪役の正義とは表裏一体だと考えました。
それこそ正義の反対は別の正義ではないのかと言及しています。
読者の皆様にお伝えいたします。
この小説を通して、歴史を学ぶことは自分の内面、背景とどのように向き合って人に寄り添っていくか一緒に考えてみませんか?
正解なんてありません。人それぞれ育った環境や価値観は全く異なる十人十色ですから。
その5.最後に
長編小説THE BIRTH OF HAJIMEを通して何か皆さんが大きな発見ができたら最高に嬉しいです。
(THE END)
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コメント
7件
あとがき、じっくり読ませてもらいました。「正義の反対は別の正義」という考え方、すごく響きます。完璧ヒルズの高笑い文化と東京フリーク区の在り方の対比は、社会の同調圧力の描き方として面白いですね。ミュータントに記号的アイコンを付けず、内面の繊細さを描くプロセスにこだわっている点も、世界観の設計者としてとても共感します。構造から作者さんの思想が滲み出ている回でした。