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Mrs. GREEN APPLE/事実と異なります




















藤澤「…じゃあ、俺はこれで。今までありがとうございました。2人と活動できて、楽しかった」



脱退の話を進めた彼が笑う。その瞳に明らかな寂しさが残った

彼の秘密を全て知っていて、彼の思考回路も理解している俺は恐れていることを吐き出した。



大森「……….死なないでね」



彼はまた笑う








藤澤「それはどうかな笑」



















数週間前、俺は涼ちゃんの全てを知ってしまった。

もちろん人間には、嘘の一つや二つくらいあった方が良いと思ってるから、知りたくて自分から掘り下げた訳ではない


涼ちゃんから、言ってきたんだ。



〜数週間前〜

藤澤「元貴」

大森「ん〜?」


涼ちゃんはある日俺を空き部屋に呼び出した


大森「どうしたのそんな改まって笑」

藤澤「あのね、相談があるんだけど…。」

大森「うん?どうした?」


藤澤「相談っていうか、決定事項」

大森「聞くよ」


藤澤「俺、ミセス抜ける」


大森「は、?」

突然の宣言に思わず固まった。聞くとは言っても、脱退なんて覚悟は決めてなかった


大森「なんで今更、?今まで色々乗り越えてきたじゃん」

藤澤「違うの。活動の問題じゃなくて…」

大森「じゃあなに?」


涼ちゃんの手が震えていく。



藤澤「俺さ、、人殺してるんだよね」







大森「ぇ……..いやいやいや、笑。流石に誰も信じないわ。ふざけてないで、ちゃんと話して」

藤澤「嘘じゃないよ。信じたくないなら、それでも構わない。俺は元から最低な人間だったんだ。皆が思ってる優しい”涼ちゃん”は俺じゃない」


今までに見た事無いくらいの真剣な眼差し。

信じたくないけど、おふざけにしては度が過ぎてる


大森「…誰を、殺したの」

藤澤「、、、、、、、両親」


それから涼ちゃんは今まであったことを全て話してくれた。

中には耳を塞ぎたくなるような場面がいくつもあったが、最後までちゃんと聞くことが俺の役割だと思い耳を傾けた


















涼ちゃんは小さい頃から両親の喧嘩を見ていて、


“涼ちゃん”の保育園料

“涼ちゃん”の教育費

“涼ちゃん”の習い事

“涼ちゃん”の食事代


その喧嘩は、全て涼ちゃんに対するお金の使い方が原因だったみたいで、そんな環境だったから小さいながらにずっと自殺志願者であったみたいだ



小学生の頃に、両親には多額の借金があることが判明したらしく、親が不在というていで借金取りを追い返す役をやらされたらしい



それが嫌になって、中学生の時に殺したと。


藤澤「もうほんと、嫌になっちゃうよね笑。最期にさ、”やめてくれ”なんて泣きながら悲願してきて笑。………こっちのセリフだよ。お金が無いのにどうして僕を産んだの。借金取りを追い返したり、空腹を我慢して満腹を装ったり、そんなことしてまで産まれてきたくはなかった」



事情が事情だったため罪には問われなかったものの、人殺しを精一杯隠して生きてきたらしい。


藤澤「好きなことって言ったら音楽で、ミセスを組んだ時に俺は”これだ!”ってなった。自分が人殺しってことを忘れてたし考えないようにしてた。でもね、それはいけないことで、大切な2人が人殺しと活動してるって考えると凄く苦しくなった」


いくらあの親でも、人を殺した事に変わりは無いから。なんて微笑む涼ちゃん。

あまりにも残酷だった


かと言って、俺がここで止められる術はない。普段はあんなに歌詞を書いているのに、いざと言う時にかける言葉が綴れない。


俺は本当に最低だ



















藤澤「…じゃあ、俺はこれで。今までありがとうございました。2人と活動できて、楽しかった」


あれから話が進んでしまって、今日をもって藤澤涼架はMrs. GREEN APPLEを脱退する。

若井には精神的にキツイと説明したようで、涼ちゃんの意志を尊重すると言って案外快く受け入れた


今まで致死量の毒を飲み込み闇を抱えた涼ちゃんはまだ幸せになれないのだろうか。

神様がいるなら、どうか頼みます。彼は優しい人なんです。


なんて願っても無駄だ。俺はせめて1番恐れていることだけは避けてほしくて口を開いた


大森「…….涼ちゃん」

藤澤「んー?」

どこか寂しそうな瞳。でも、何かの覚悟を決めたように涙を飲み込んだ。


大森「……….死なないでね」


一瞬驚いた表情をするも、すぐに笑い





藤澤「それはどうかな笑」



























ふざけんなよ。涼ちゃん、涼ちゃん。

白く四角い箱になった涼ちゃんを抱え今日も眠りにつく。

目が覚めたら、彼のところに合流してないだろうか。淡い期待さえ醜く終わる

俺はきっと、選択を間違えたんだ。

支えてあげられたら。もし、あの時止めていれば。


涼ちゃんは暖かったよ。優しかったよ。人殺しなんかじゃない。

あの時だって、しょうがなくやったんでしょ?

涼ちゃんは”悪くないよ”

あの時にこれを伝えられていたらな








暗闇の中で手放してしまった光をもう一度、確かめながら俺も涼ちゃんと同じ場所へ行こう

辿り着いたその先で、若井を気長に待ちながら新しいミセスについて話そうよ。

メンバーの1人として_______

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