「お、お母さん……これ、どこ……?」
主は泣きそうな顔で、見知らぬ巨大戦艦の甲板に立っていた。
理由は単純だった。誤ってアトラス号に乗ってしまったのである。
本当は海外留学に行く予定だったのに、気がついたら戦場と化したアトラス号の乗客リストに追加されていたのだった。
「え、え、え? ちょっと待って、ここ戦場!? なんか大砲の音とかしてるんだけど!!!」
彼の叫び声は、ちょうど戦艦のメガホンで拡声され、船全体に響き渡った。
「誰だ今の!? 敵か!?」
「いや、なんか泣きそうな少年の声だな……」
「また妙なのが乗り込んだのか……」
すでに混乱の極みである。
船の上では、各勢力が入り乱れて戦っていた。そんな中、主は恐る恐る背中に背負った巨大な絵筆を取り出した。
「と、とにかく、なんか描けば……!」
ガタガタ震えながらも、彼は必死で絵を描いた。
まずは武器を描こう!
彼の筆が空を滑ると、そこには大剣が出現した。
「よし! 剣!! これで戦……」
ベチャッ!!
……ベチャ?
出てきたのは、明らかに溶けたチョコレートの剣だった。
「えええ!? なんで!? なんでチョコ!?」
焦る主。しかし、敵は待ってくれない。
「おい! そこのガキ、何者だ!」
目の前に現れたのは、アトラス号を狙う海賊たちだった。彼らは銃を構え、主に迫る。
「ひ、ひぃぃぃ!!」
主は涙目で、無我夢中で筆を振るった。
すると――
「ぬ、ぬぉぉおおおおお!!??」
突然、海賊たちの前に巨大なクマのぬいぐるみが現れた。
モコモコでフワフワ、めちゃくちゃ可愛い。
「お、おお? ぬいぐるみ?」
「……なんだこれ、ちょっと可愛くない?」
海賊たちが油断した瞬間だった。
ドガァァァァァン!!!!!
突如、クマのぬいぐるみが大爆発し、海賊たちは吹っ飛ばされた。
「ひぃぃぃ!? ご、ごめんなさい!! 僕、爆発するつもりじゃ……!」
主は自分の能力のヤバさに気付き、さらに混乱するのだった。
コメント
4件
え。。主ちゃんかわいい。。 ()
ぬふふふ、、、最高だぜ
わぁぁ!!私の子出てきたぁ!!!!✨可愛i(((あと小説書くの上手すぎなんですよぉ…!!続きも楽しみです!