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“きっとあの輝かしい笑顔に当てられたんだろう…”《僕はアルツ・グラディウス。女だが、男として育てられた為、男装して入学し、学園生活を送った。彼と出会ったのはほんの些細な事だった…》
〜廊下〜
アルツ「ローズハート先輩!」
リドル「おや、アルツかい」(カリムと話していた)
アルツ「あ、お話中にすいません💦」
リドル「いや、大丈夫だ。何の用だい?」
アルツ「クローバー先輩から頼まれてこれを」(大切な書類を渡した)
リドル(受け取った)「ありがとう、アルツ」
アルツ「はい!では、失礼します!」(行った)
リドル「ああ」
カリム「…」(アルツが行った方を見た)
アルツ(確かあの人はスカラビアの寮長 カリム・アル・アジーム先輩…同級生で同じ寮長だから話してたのかな?)「…ま、僕には関係ないか」
《アジーム先輩とはすれ違い程度しか見なかった。でも、不思議な事が起こった》
〜中庭〜
カリム「よう!奇遇だな、アルツ」
アルツ「…え?」
カリム「え⁈俺名前間違えたか⁈」
アルツ「いえ⁈間違えてないですけど、なんで名前…」
カリム「ん?リドルに教えてもらった」
アルツ「ローズハート先輩が?」
カリム「ああ!」
アルツ「…なんで僕なんですか?」
カリム「ん?何がだ?」
アルツ「いや、後輩はたくさんいるのになんで他寮の僕に構うのかなって思って」
カリム「…ん〜、分かんね。けど、初めてお前を見て俺自身アルツと仲良くなりたいって思ったんだ」
アルツ「…変わった人ですね」
カリム「そうか?」
アルツ「そうです。普通真っ正面から仲良くなりたいって言わないと思いますよ」
カリム「え⁈そうなのか⁈」
アルツ「分からないですよ?自分は少しずつ話してお互いを理解して仲良くなるので」
カリム「そっかぁ〜。でも、お前と仲良くなりたいのも本当だぞ」
アルツ「…分かりました。(手を出した)よろしくお願いします、アジーム先輩」
カリム「おう!(アルツの手と握手)よろしくな!」
《最初はびっくりした。でも、いい人って思った。悪い感じはしなかった。これきっかけに先輩と交流が多くなった》
〜魔法薬学室〜
カリム「お、アルツ!」
アルツ「アジーム先輩」
カリム「今日合同授業だってさ。一緒にやろうぜ!」
アルツ「いいですよ」
カリム「やった〜!」
ー数時間後ー
〜廊下〜
ジャック「なんか懐かれてねぇか?アルツ」
アルツ「やっぱり?ジャックもそう思うんだ」
ジャック「誰だって見て分かるぐらいだぞ。お前、何したんだ?」
アルツ「さぁ?僕は何もしてない。ただの気まぐれとかじゃない?」
ジャック「流石に気まぐれはないだろ。フロイド先輩じゃあるまいし」
アルツ「…まぁ、そうかもね」
《なんでかずっと分からなかった。どうして僕に構うのか。そして、真実が明るみになった》
〜校舎裏の森〜
アルツ「ない…ない…」(どうしよう。早くチョーカーしないと男装ってバレる。誰か来る前に…)
カリム「あれ?アルツ?」
アルツ「え…」(あ、終わった。ここにいられない。どうしよう…母さん…)
カリム「アルツ?どうした?何かあったのか?」
アルツ「え?えっと、チョーカーが見当たらなくて…」
カリム「!いつも付けてるやつか?」
アルツ「あ、はい。木の枝に引っかかってそこからどっかに…」
カリム「分かった。俺も探す!」
アルツ「え、ちょっ、待って!待ってください!」
カリム「ん?どうした?早く探さないとダメだろ?」
アルツ「そりゃそうですけど、聞かないんですか?」
カリム「ん〜、気になるのは間違いないけど、今はアルツが困ってるから先にチョーカーを探す!」
アルツ「…」
《驚いた。普通なら問い詰めるか言いふらすとかなのに。この人はまるで異質に思えた》
ー数分後ー
カリム「あった!」
アルツ「!本当ですか⁈」
カリム「これだろ?」(見せた)
アルツ「そうです!ありがとうございます…」(涙目)
カリム「⁈大丈夫か⁈どうした?怪我したのか?」
アルツ「いえ、嬉し涙です。本当に良かった…」
カリム「…(アルツに渡した)そんなに大切な物なんだな」
アルツ(受け取った)「はい。これ母が僕を思って作ってくれた魔道具なんです。それにこれがないとここにはいられないので…」
カリム「そう言えば、いつもより髪が長いな。どうしてだ?」
アルツ「…実は僕は女の子なんです。理由あって男装してたんです。このチョーカーはつけることにより、(つけた)幻覚魔法で男として見えるようになるんです」
カリム「おー!凄いな!」
アルツ「…アジーム先輩」
カリム「ん?」
アルツ「なんで自分にそんなに気にかけてくれるんですか?僕は貴方に何もしてませんよ?」
カリム「ん〜…俺初めて見た時、お前の瞳になんか吸い込まれた感じがしたんだ」
アルツ「は?」
カリム「おかしいかもしれねぇ。でも、本当の事だ。それ以来お前を探しながら歩いていた。そしたらお前が剣の修行していたのを見かけたんだ」
アルツ(み、見られてた⁈)
カリム「その時なんか胸がガシッと掴まれた感じで、でも目が離せなくてさ。だから、俺その時からかな。アルツともっと話したい。仲良くなりたいって思ったんだ!」
《こんな事初めて言われて驚いた。僕を思ってくれる人はデュースと母さんだけかと思った。この人は少し変わってるけど、この人なら心から許せると思った》
アルツ「…ぷっ、やっぱり変な人」
カリム「それ前にも聞いたぞ。そんなに変か?」
アルツ「僕にとってはそうですよ。あまりうちの学園にはいないタイプ的な」
カリム「え〜?」
アルツ「…アジーム先輩」
カリム「ん?」
アルツ「一応僕が女の子だと言うの内緒にしてください!」
カリム「…いいぞ!」
アルツ「!いいん、ですか?」
カリム「おう!だって言ったらアルツは困るんだろ?」
アルツ「あ、はい」
カリム「なら言わない!」
アルツ「え、本当にいいんですか?なんというか見返りとか、」
カリム「見返り?そんなのいらないぜ!俺達、友達だろ?」
アルツ「…そっか。友達…」
カリム「ん?どうした?」
アルツ「…なんでもありません。戻りましょう」
カリム「おう!」
《貴方はいつも太陽の笑顔。だけど、僕の素性を知ったら、》
“きっと幻滅するだろう…”
〜to be conteneu〜
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