⚠️百合⚠️
セミ姉夢小説
長め
バスに揺られながら
まだ眠りから覚め切れていない街を
ぼーっと眺めていた.
バスを降り、時計を眺め
流石に早すぎたか?と思いながらも
早くセミに会いたくて歩くスピードを
更に速くする.
セミの住んでいる街に着いた.
会う時間を決めておけば良かった.
確かセミは朝起きるのが苦手らしいから
この時間から向かうのは私の早とちりだった、かもしれない.
セミと待ち合わせした場所でベンチに座る.
よく景色が見える場所で、まだ多数の人達が
寝ているであろう家々を見下ろした.
セミはいつ来るだろうか.
もしかしたら夜?
いや、昼頃?それにしても早すぎたか?
など、様々な事を思いながらセミを待った.
1時間が経過した.
流石に時間が早すぎたのだろうか.
こんな朝っぱらから向かった私が
馬鹿だったかもしれない.
私は自分を落ち着かせ
景色を眺めながらセミを待った.
どれくらい時間が経っただろうか.
もう昼前だ.
セミは来ないのだろうか.
私が期待しすぎただけなのだろうか.
よく考えれば、
あんな謎のゲーム会場で出会って私が
一目惚れしただけなのにセミは外に出てまで
私と会いたいと思うか?
セミは可愛いからモテそうだし
私はただ弄ばれてただけなのかもしれない.
嗚呼、きっとそうだ.
期待しすぎた自分が急に恥ずかしい.
期待させたセミも悪い.
私、わざわざ朝から何してるんだろう
1粒涙が落ちた.
風に吹かれる長い髪が涙で顔に張り付いて
邪魔くさかった.
もうセミくらいまで短く切ってしまおうか.
失恋したし、それもありかもしれない.
そんな事を考えながら重い腰を上げた.
その時、後ろから私を呼ぶ声が聞こえた.
「〇〇!」
「..!セミ!」
「ごめん、遅かったよね、」
「遅いよ!私、遊ばれただけかと
思ったじゃん!セミのばか!」
「ごめん.笑 あれ.〇〇、泣いてる?」
「セミのせい.」泣
「ごめんって!ね、ほら」
セミは謝りながら私の髪の毛を横にはける.
「セミが遅いから、泣 私ただ弄ばれた
だけかと思った泣 」
「ごめん、朝起きるの苦手で…」
セミは私の背に合わせて屈んでくれた.
「もう!知ってるよ!そんな事!」(叩)
「いてっ!」
セミとおでこをくっ付けて笑いあった.
良かった.
セミが裏切る訳無いもんね.
「ねぇ、〇〇」
「なに?」
「私、ちゃんと言ってなかったよね.」
「え、何が?」
「〇〇、好きだよ.」 (〇〇 の頭を撫で)
「私も!好きだよ!」
セミと2人で笑いあった.
私、お金が無くても幸せかも.
「お昼食べた?」
「セミのこと待ってたから朝ごはんも
食べてない!」
「ごめんって 」
「う~ん.許す!」
「許すんだ.笑 やっぱ〇〇は優しいね.笑」
「ね、私の家で一緒にご飯食べよ!作る!」
「いいの?じゃあ行こうかな」
私の家でご飯を食べることになった.
家、綺麗にしておいてよかった~…
2人で手を繋ぎながらバス停に並ぶ.
私は嬉しすぎてずっと頬が緩んでいた.
絶対に付き合えないと思って居た相手と
今こうして手を繋げて居る.
しかも、出会って約3日という短い時間で
ここまで発展できた.
もはやこれは運命ではないか?
そんな馬鹿な事を考えて居たらセミに
頬を摘まれた.
「〇〇、そんなニヤニヤして何考え事
してるの?笑」
「いててて.
う~ん、セミの事かな! 」
「なにそれ.笑 可愛い 笑」
時間と少しズレて来たバスに
乗り私の家へと 向かう.
私は朝から何も食べていないので
すごくお腹が空いた.
気を抜いたらお腹が音を上げそう.
「〇〇、髪長いよね.伸ばしてるの? (髪触)
「う~ん、伸ばしてるというか伸びてた?」
「そっか.笑 私ショートだからちょっと
ロングに憧れあるな」
「セミは美人だからなんでも似合うよ.」
「そうかな?ありがとう.」
アナウンス[次は□□□□.
ご乗車ありがとうございました~.]
「ついた!降りるよ!」
「結構早かったね.」
「ね.セミと住んでる所が近くて嬉しい!」
「そっか.笑」
私の住んでいる場所は結構な都会で
人がすごく多い.
なんで家を探す時、都会を選んだんだろう…
「う~、人が多い…」
「〇〇、大丈夫?」
「大丈夫…」
「〇〇 背が低いから人に埋もれてる 笑」
「迷子になっちゃうよ~.
だから、セミ 手離さないでね!」
「当たり前でしょ.笑」
都会と言ってもあまりにも人が多すぎる.
ここは韓国で一番の都会だから
知り合いにもよく会う.
よく会うと言うより、毎日会う.
偶然だよ?偶然毎日会うはやばいでしょ.
今日も誰かに会いそうだ.
私の直感が語り掛けている.
「あ、お前ら!」
後ろから声を掛けられた.
嫌な予感がする.
この声は…
「兄貴!この女達ゲームに居た奴ですよ!」
「あ~アイツらか.」
「何.なんか用?」
セミは私を後ろに隠し、そいつらに挑んだ.
挑んだっておかしいか.そんな敵みたいな.
いや、私からしたら敵だ.
あの、ナムギュ?とかいう奴は私を殴ろうと
してきた.
立派な敵だ.
「お前ら、手繋いで余程仲良いんだな.笑」
「裏切ったbitch同士お似合いだぜbaby」
「裏切ったって何?笑 約束してないんだから
裏切ったも何も無いでしょ.笑」
「セミの言う通り!よくその頭でラッパー
できんね.笑 よく考えたら分かるでしょ. 」
「テメェ.」 (手上げ)
「あんた、こんな所で暴力騒ぎ起こしていいの?笑 そろそろ大会とかあったりして 笑 」
セミは私を後ろに隠した.
「そうっすよ兄貴.
大会出れなくなりますよ…」
ナムギュ?が必死に紫の奴を宥めている.
「〇〇行くよ!」
今のうち!と言わんばかりにセミは
私の手を取って走った.
「え、う、うん!」
私はびっくりして足がほつれたが
なんとか転ばずに走った.
後ろからは私達のことを呼ぶ声が聞こえた.
数分間走り続けた.
私は体力が無くて息切れしまくりだったけれど、
セミは息切れひとつしていない.
「セミ!ここ私の家!汚いけど、上がって!」
「お邪魔します.全然綺麗じゃん 笑
私の家より綺麗だよ 笑」
「え~?セミ綺麗好きそう 笑」
「全然そんなことないかも 笑」
「私が今度掃除しに行ってあげる!」
「うん 笑 ありがと 笑」
絶対美味しいご飯を作る!と意気込みながら
髪を結んでいるとセミが髪に触れた.
「? どしたセミ」
「髪、結ばないで欲しい.
私下ろしてる方が好き.」
「うん、邪魔くさいしな.
まぁ セミが言うなら下ろしておくね 」
「うん.ありがと 笑」
邪魔くさい髪の毛は気にしない様に
ご飯作るしかないか~…と脳裏に不満が出るも
セミがせっかく言ってくれたしと思い
その思考を打ち消す.
狭い部屋で2人私の作ったご飯を食べる.
セミは美味しい美味しいと頬張っていた.
セミといるだけで全てが幸せ.
お金も、娯楽も、何も要らない.
セミが居てくれればそれでいい.
2人で夜中まで一緒に居て、
セミは夜が明けてからバスで帰って行った.
セミは別れ際も抱きしめてくれて、
姿が見えなくなるまで手を振ってくれた.
あんなに近くに住んでるのに.笑
あまりにも時間が経つのが早くて
もっと一緒に居たかったな.と独り言を零した.
数日後.
毎日のようにセミと会っていた.
ほぼセミと会うのは日課だった.
そして、今日もセミに会いに行こうと
していた所.
玄関の扉に何かが挟まっていることに
気づいた.
挟まっている物.それは、地下鉄で渡された
あのおぞましいゲームの名刺だった.
きっと再参加したい人は電話をかけろ。という事なのだろう.
だが、私の答えもう決まっている.
その名刺を握った状態で私は走り出した.
セミに、私と同じ事を言って欲しかった.
そう、前みたいに.
「「〇〇の事を死なせたくない」」と.
手の中に握った名刺がぐちゃぐちゃに
なるなんてこと気が付かないくらいに
必死に走った.
バスに乗っている間も気が気でなかった.
セミの住んでる家に着いて、インターホンを
押した.
少し待ってみたが誰も出ない.
普段なら寝てるのかな位にしか思わないが
今は不安で不安でしょうがなかった.
セミがもしかしたらもう一度ゲームに参加するかもしれない.
私の知らないところで
死んでしまうかもしれない.
そんなの耐えられない.
考えただけで心臓ががはち切れそうだ .
どれだけ待ってもセミは出てこない.
ただ立ち止まって待っているだけじゃ
どうしても落ち着かなくて、
私は既に走り出していた.
自分でもどこに走っているか
よく分からなかった.
自分の足に、自分の脳に任せて走り続けた.
そして、ある場所に着いた.
あそこだ.あのゲームを辞めてから、
初めてセミと会った場所.
セミが私に好きと言ってくれた場所.
セミとおでこをつけて笑いあった場所.
自然と足が私をここに運んでいた.
そこには見覚えのある後ろ姿があった.
「セミ! 」
セミだ。良かった、いた.
ゲームに参加していなかった。良かった.
「〇〇!どうしたの?」
「セミ~…!」
安堵で涙が溢れ出てきた.
飛びつく勢いでセミに抱きついた.
良かった.良かった.本当に良かった.
「〇〇どうしたの?泣いてんの?
なんかあった?」
「これが、玄関の扉に挟まってて、、」
私は強く握りすぎてぐしゃぐしゃになった
名刺をセミに見せた.
「これって、あのゲームの?」
「たぶん、そうだと思う… 」
「〇〇はこれを見て泣いてたの?笑」
「セミが、もう1回ゲームに参加したらどうしようって、私の知らない所で死んだらどうしようって心配になって..
心配でセミの家に行っても誰も出なくて..」泣
「心配させたよね.ごめん〇〇」
「いや、私が勝手に不安になっちゃっただけ
だから、ごめん…
でもこうしてセミに会えたからもう大丈夫!」
「〇〇.私は、もう絶対にゲームに参加するつもりなんて無いよ. 」
セミは私と目線を合わせて真剣に言った.
「どうして…?」
「こうして、大切な人も出来たしね.」
「ふふ.笑 私も絶対あんなゲーム一生しない! 」
「〇〇.好きだよ」
「セミ..」
私たちは夕日が眩しい丘で、
初めて口付けをした.
幸せだった.
ずっとセミと一緒にいれたらいいな.
2話ご覧頂きありがとうございました!
ハッピーエンド最高ですね~…!
3話目は1話目の続きで、もしゲームが続行
していたら….,を書こうと思います!
1話目も好評で嬉しいです!
3話目以降もぼちぼち書きづけて行こうと思いますので、ご愛顧よろしくお願いします!
コメント
6件
想像つきます💭 ストーリー作るのうますぎです!
セミ姉可愛すぎるしやばいです!!どうしたらこんないい作品が生まれるんだろ……