この小説は、クトゥルフ神話TRPG「鰯と柊」ゾムエミいわひらの前編後編を含んだ三次創作となります 。
( 全体的に明野さんのロールプレイ等を抜粋しております 。)
個人的解釈も含まれますので、ご注意下さい。
シナリオのネタバレがございますので、まだ未視聴の方はここで戻られるのをお勧め致します。
それでは 、 どうぞ 👋👋👋
______ 。。。
ベットの上 、 眠らなければならないが 、眠りたくない 。
最近 、嫌な夢を見る 。
妙に現実味を帯びていて、確実に自分なのに自分じゃない 。
まるで誰かに身体、意識、全てを乗っ取られている様を見てるような夢 ___ 。
青々とした空に手を掲げれば、四方八方から真っ赤な血がブシャリと噴き出す 。
清々しい青が、毒々しい赤に塗り替えられていく 。
げらげらと下卑た笑い声が私を包みこむようにしてこだまする 。
そんな怖い夢 ____ 。
それを想像するのも苦痛でぼんやりと今日の事を思い返していた 。
「 あぁっ … 教祖様 、 有難う御座います … 有難う御座います … !!!!
これでやっとあの子も報われる …
感謝してもしきれない … 本当に っ 、有難う御座います … ッ !!!! 」
私に縋るように笑顔を見せ”救われる”と泣いていた 。
…… 世の中は 、どうしてこんなにも醜いのだろう 。
私が幼い頃からずっと思って来たことだ。
どうして弱い者 ・ 強い者という概念が出来てしまうのか。お互いに対等な関係で居るという選択肢は無いのだろうか。
人間というものはなんて浅はかで、馬鹿な生き物なのだろう。
“人間は動物よりも上だ”なんて事を聞いた事がある。
果たしてそれは本当に真なのだろうか?
己が最大限自由に賢く生きていく術を見つけ、動植物と共存している様を見ていれば、幾分人間よりも素晴らしい生き物だと思う。
動物達も共喰いだったりをするだろうが、あくまでも己が生き抜く為、絶対に必要なものだから。致し方なくやっている事だ。
自己中心的なドロドロの心で相手を傷つけたり、増してや命を奪う程までに追い詰める事なんてしないのだ 。
それに比べて人は、そういう事を平気で行ってしまう。
「自分が上だ」
と思っているから。
そんなもの、理不尽極まりない事だ。
考えるべくして与えられた脳みそ。罪なき人を助ける為、もしくは大切な人を助ける為に与えられた身体。それら全てを動かす基盤となる為の心臓。
それなのに、悪事を働き。罪なき人を心の無い私欲に塗れた悪人が無差別に傷つける。
心が優しい人から、奪われてしまうのだ。
だから、人は、居るはずのない神なんぞに救いをこうんだ 。
…… その哀れな1人に、私も入る 。
“ 神の御加護 “なんて物 、望んで手に入れたものではない 。
私は神が怖い 。だって 、私が祈ったものはその神本人によって判決が下されるから 。
果たして、私が授かっている加護は正しい神からのものなのだろうか 。
神の加護なんて形だけ。
神に背けば、今までの代償が全て自らに降り注いでしまう。
この業を背負うのは私1人だけで十分だ。
なのに 。それなのに ……
” 神の御加護を武太郎様が授かった “
そう聞いた時、全身から全て水分が抜けきったのでは無いかと言う程にドッと汗がふきだした。
この重荷は、私一人だけでは足りなかったのか??
どうして彼が選ばれてしまった???
毎朝私の自室に起こしに来てくれる彼。
少し圧が凄い時もあるが、とても熱心な好青年。
子供のカルガモみたいに後ろを着いて来てくれる君は、いつも私の支えになってくれている。とっても心優しい大切な家族の1人。
ねぇ 、武太郎くん 。
私はね、君が段々と弱っていく姿を見たくないんだよ。
だって君、頬がどんどん痩せこけていってるでしょ??
きちんとご飯、食べてる?
プチトマトだけじゃなくて、他の物も食べてなかったりするのかなぁ?
食べてるのは分かってるよ、だって一緒に食卓を囲んでいるんだもの。
それでも心配になってしまうんだ。
ちゃんと睡眠、とってる?
もしかして武太郎くんも、畳派…かな?
君には無理をして欲しくない。
手を汚して欲しくもない。
薄々気付いてはいるんだ。
君が夜な夜な、どこかに出向いている事。
一体君はどこに行っているんだい?
武太郎くんが授かったって言われてる御加護、本当に私と同じ”御加護”なのかな 。
もしも違うのだったら、それはそれで安心しちゃうけど 。
でもきっと巡り巡って君にも、そして私にも。
罰がまわって来ると思うんだ 。
私は、君達家族が健康に、楽しく、幸せに暮らしてくれるだけで良いんだよ。
これ以上に何も望まない。これだけでも高望み、しちゃってるのかな 。
君達信者のみんなは、私を神と称して崇めてくれている。私が言う事全てに賛同してくれて、たまーに間違った事を言ったとしても、それが正しいのですって、笑顔でそう言ってくれるよね。
でもね 、みんな 、
表向きは、いい様に聞こえるこのお祈りだって、裏を返せば殺人と同じなんだ。
私は間接的にその役回りをしているだけ。
私がお祈りした相手にも、大切な人がいて。大切な場所があって。
それを幾度となく奪ってしまった私には、もう後戻りが出来ないんだ 。
___ ねぇ、武太郎くん。
私は本当に、人間、なのかな???
もう、一線を超えてしまった、何者でもない”ナニカ”なのかな 。
僕 、もう自分がなんなのか、分からなくなっちゃいそうで 、怖いんだ 。
__ ねぇ 、教えてくれないかい ?
教祖として生きている私には、
1人じゃ弱くて生きられない、鰯の様な人間として、 生きる価値があるのだろうか 。?
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読んで下さり、有難う御座いました !!
いやぁいわひら、永遠と引き摺ってしまいそうです。
あの純粋な狂信者っぷりと、あのドジっ子教祖様…最高ですね 。
リクエスト作品も、そろそろ完成しそうですので、もう暫しお待ち下さい … !!
もしかしたらこのいわひらの三次創作 、もう少し続くかも … しれません 。
もし続いたら 、温かい目で読んでいただければ嬉しい限りです ☺️☺️
では 、次回の作品でお会いしましょう 👋👋
コメント
4件
仕事の早さに負けた..._| ̄|○ il||liすっげぇ好き
Σ仕事早ッ! 早速の星辰くんサイド、ありがとうございます😊✨ いわひらといい、ちがふゆといい、zmemの互いを思い遣るディベート、すごく大好きです。 それを小説という形で昇華していただき、ありがとうございました!切なく苦しいほど素敵でした✨