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いやぁいいね
「みう先輩!少しお時間いいですか!!」
と私を止めた1人の男の子。見るからに年下だよね。てか、背たかっ…!何cmあるんだろ…そんな事を考えていたら、さっきゆいとが女の子と抱きついていた事を思い出してしまい涙が溢れてきた。
突然の涙に年下の男の子は焦ってしまい、
「みう先輩…?!ご、ごめんさい!迷惑でしたよね…!!」
とずっと謝ってきた。私が「違う」と言おうとしても声が出なかった。それぐらいショックだったんだろうな…。だって約1年、ゆいとに恋してたもん…なのに。と私がずっと泣いていると年下の男の子が何かを察したらしく、自分が持っていたハンカチを私に渡して、
「みう先輩、1回場所移動しませんか?」
と言って体育館を一緒に出た。
私が落ち着くと年下の男の子が私に水を買ってきてくれた。「ありがとう」とお礼を言うと、
「どういたしまして!」と優しく微笑んだ。
そういえば、名前聞いてなかったな…。と私はさっき貸してもらったハンカチを見ていたら名前が書いてあった。「みつき?」とボソッと言うと、「みう先輩!僕の名前知ってるんですか?!」
と目をキラキラさせて私に近付いてきた。みつきくん…。も、もしかして…。私が苦手なタイプの「犬系男子」かもしれん…。
それを知った私はすぐここを離れたかったので「バイバイ」と言おうとした時、みつきくんが私の目を塞いできた。色々とパニックになったが、私は何となく察してしまった。多分、近くにゆいととゆいとの彼女さんがいるんだと…。だからみつきくんは目を塞いだんだろうな…優しいなみつきくんは…と思ってしまった。まぁ、初対面だったけど笑。
そして次の日、いつものようにゆいとは朝のお迎えに来てくれなかった。。まぁ新しい1日の始まり!!と思っていると
「みうせんぱ〜い!どこですか〜?」
と教室のドアを思いっきり開けて私の名前を大声で呼ぶみつきくんがいた。これだから犬系男子は…!!と目立ちたくないので私は知らないフリをした。でもみつきくんが私を見つけると
「あ!みう先輩〜!!おはようございます〜!」
と言ってきた。まてまて?!私とみつきくんの距離10m離れてるよね?!そんな大声で叫ばないでよ〜泣、とこれが1日ならいいけど、1ヶ月…1ヶ月だよ?!なんと1ヶ月も続いたんだ…。
たまに可哀想だから「おはよ」と声をかけると何故かみつきくんの耳が赤くなるんだ。可愛いな…ん?なに可愛いと思ってんだ私!?だめだめ、今は恋愛する気ないんだから!!とこんな日が続いた。
そんなある日、1人で帰っていると、道のど真ん中で3人ほど、たむろっていた。私が「邪魔だな〜」と思いながらも通ろうと帰ろうとした。その時、誰かが「助けて!!誰か!!」と叫んでいた。ゆいとの彼女さんだ。でもここは誰も通らない道、他の人ならどうするかな?そのまま無視するんだろうか?でも私は
「ねぇ、君たちなにしてるの?その女の子を離して」と言ってしまった。無視する事はできなかったんだ。それにうちの高校の制服…、1年か…。
ゆいとの彼女さんは離してもらい、
「早く家に帰りなさい」と言って家に帰らせた。あ、この後どうしよう…!何も考えてなかったぁ…。私が逃げようとした時1人の子に捕まった。私が「やめて!」と手を振り払おうとしたけどやっぱり力の差があった。
「あれ〜?これみつきの好きな人じゃね〜?」
と1人の子が言った。みつきくんの好きな人…?え、あ、私?!
「てか、コイツ生意気じゃね〜?勝手に入りきやがって…」
さっきからじゃね〜ってうるさいんよ。
「私一応2年生ですよ!!早く離して…!」
「学年なんて関係ない、一発殴らないと分からないようだな?」
とその中でボス?的な人が言った。
そして、2人は私の手を掴んだ。あ、これ殴られる…、と私は思った。普通、恋愛マンガや小説では、彼氏、好きな人が助けに来るんだけど…笑。まぁ来るわけがない、少しの我慢…と目を瞑った時、
と殴られた。痛い…クラクラする…。これワンチャン死ぬかも…笑。まぁ、勝手に入り込んだの私だし仕方ないや…。やっぱ、助けない方が良かったかな。ともう1回殴られそうになった時。
「みう先輩…?」とみつきくんが言った。走って来たのか分からないけど汗がダラダラと流れていた。「みつきくん」と言おうとした時、また殴られてしまい、そのまま気絶してしまった。
最後の記憶はみつきくんの見たことのない顔だった。
私が目を覚ました時、誰かにおんぶされていた。
「あ、起きましたか?一応手当はしましたが安静にしててくださいね」
この声…みつきくんだ。みつきくんはゆいとの彼女さんに呼ばれて急いで走ったけどもうその時には遅かったんだって。
「ごめんなさい…僕がもっと足が速ければ…間に合ったのに、」
そんなに謝らなくていいのにさ…笑。
「助けてくれてありがと…」
と私がギュッと抱きつくとまた耳が赤くなっていたみつきくん。
「家分からなくて、僕の家に向かってるんですけど、お父さんとお母さん心配しませんか?」
「お母さんは深夜まで働いてるしお父さんは出張中だから大丈夫だよ」
「僕の家と同じですね!」
みつきくんの家はとても大きいマンション…。しゅ、しゅげー…。家に着くとみつきくんのベッドに寝せられてしまう。
ん?この家に私とみつきくん2人っきり…色々とやばいのでは?!と思ってみつきくんの方をチラッと見ると怪我しているのが見えた。
「みつきくん…怪我してる…自分の手当しなかったの?」
と聞くとコクンッと頷くみつきくん、私が無意識にみつきくんの頬に触れると、
「え、あ…み、みう…先輩…??? 」
と顔が赤くなっていた。こんなに怪我してる…。私のせいでこんな綺麗な顔が、、、と私が手を離そうとした時、みつきくんが私の手を掴んで
「まだ…こうしてたいかも…です」と言った。
可愛いな…いや、好きだな…と思ってしまった自分がいた。
「お母さんとお父さんにそんな事あったの?!」
「まだ付き合ってないんだよね…?」
「あの時、お母さん恋に落ちちゃった☆」
「私もそう言う恋してみたい!!」
「お姉ちゃんには無理無理〜笑」
ガチャッ
「ただいまぁ〜!!」
「おかえり〜みつき」
終 制作・著作 りくるま