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#シークレットベビー
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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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西原衣都
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猫塚ルイ

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「希海くん!」
羽衣子は顔を綻ばせると、勢いよく飛び込んできた希海をぎゅっと抱きしめ返した。
二人のやり取りに、その場の空気がふっと和らぐ。
車の外に立つ昴の姿が視界に入った瞬間、羽衣子の胸が小さく跳ね、先程の乙哉との会話が頭を過ぎる。
(経験……昴さんなら、やっぱりあるよね……)
それを意識するなと言われても無理だった。
目が合いそうになるだけで落ち着かず慌てて視線を逸らしてしまうと、その様子を見た昴が不思議そうに眉をひそめた。
「羽衣子」
「は、はい?」
「どうかしたのか?」
「い、いえ! 何でもないです」
否定はするも、明らかに様子がおかしい羽衣子に昴が更に問いかけようとしたその時だった。
嫌な予感を察した乙哉が慌てて口を挟む。
「よし! それじゃ帰りますか!」
半ば強引に話を進められて昴は少し怪訝そうな顔をしたもののそれ以上は追及せず、一行を乗せた車は自宅へ向けて走っていく。
家に着くと、羽衣子と遊びたい希海が彼女の手を引いて玄関へ向かう。
そんな二人が家の中へ消えたのを確認してから乙哉も後に続こうとしたものの、
「乙哉」
低い声に呼び止められ、乙哉の肩がびくりと震える。
「は、はい?」
振り返ると鋭い瞳を向けた昴がじっと乙哉を捉えていた。
「俺に何か隠してないか?」
「いや、別に何も無いっすけど……」
「……羽衣子の様子がおかしいが……二人きりで何を話してたんだ?」
「…………」
乙哉は思わず目を逸らす。
「俺には言えないことなのか?」
「……いや、そんなことは……」
沈黙が続く中、観念したように乙哉は頭を掻くと言葉を続けていく。
「その……」
「何だ」
「昴さんと羽衣子ちゃんの空気が変わったっていうか、距離が縮まった気がしてたのと、昨日はホテルで二人きりだったから……」
昴の表情が微妙に険しくなるのを感じるも乙哉は話すのを止めず、
「てっきり、ヤッたのかと思って――」
そこまで言ってから言葉を止めると、
昴は片手で額を押さえながら深い溜め息を吐き、
「はぁ……」
呆れた様子で乙哉を睨みつけていた。
「すいませんって! 悪気は無かったんすよ……」
「口にして良いことと悪いことがあるだろうが」
「いや、でも普通そう思いません? 男女がホテルで一晩一緒にいたんすよ?」
「状況によるだろうが」
「いやいや、それなら尚更――」
反射的に言い返しかけた乙哉だったが、途中で言葉を飲み込んだ。
「……何だ?」
訝しげな視線を向けられた乙哉は気まずそうに頬を掻く。
「いや、その……羽衣子ちゃん相手だと昴さんって思った以上に紳士なんだなって」
「はあ?」
「い、いや! 何でもないっす!」
鋭く睨まれて乙哉は降参とばかりに慌てて両手を振った。
「本当にすいませんでした! もう余計なこと言わないんで!」
そう言い残すと逃げるように家の中へ駆け込んでいく。
乙哉が家の中へ入って行った後、静かになった庭先で昴は額を押さえながらもう一度深く息を吐いた。
「ったく乙哉の奴、余計なことを」
思わず零れた愚痴は誰に聞かれることもなく風に乗って消えていく。
普段なら適当に流せる話だったが今回はそうもいかない。
羽衣子の反応があまりにも分かりやすかったからだ。
まあ、見るからに耐性も無さそうな羽衣子があんな話を聞かされれば意識するのも無理はないだろう。
「……はぁ」
三度目の溜め息を吐いた、その時、玄関の扉がそっと開いた。
「昴……さん?」
そこには恐る恐る顔を覗かせた羽衣子の姿が。
「どうした?」
「あの……お茶、淹れたんですけど……」
未だどこか落ち着かない様子を見ると、まだ意識しているらしい。
昴は内心で乙哉を一発殴りたい気分になった。
「分かった。今行く」
「は、はい」
昴が返事をすると羽衣子は安心したような表情を浮かべ、先に家の中へ戻ろうとしたところでふいに振り返った。
「あの……」
「何だ?」
羽衣子は少し迷うように視線を彷徨わせた後、
「……すみません……さっきはよそよそしい態度を取ってしまって……」
「…………」
「その……私……」
必死に弁解しようとする羽衣子を前に昴は、
「別に怒ってる訳じゃない。ただ、乙哉には発言に気をつけるよう、きちんと言っておいたがな」
「…………っ!」
「アイツの言ったことは気にするな。ほら、お茶が冷めるんだろ」
「あ、はい!」
これ以上考えたところで仕方がないと、昴は羽衣子と共に家の中へ入って行った。
コメント
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うわああ第52話読み終わったよ〜!!😭💕 乙哉の「ヤッたのかと思って」発言に思わず私も「ああああ!!」ってなった笑笑 昴さんの「口にして良いことと悪いこと」のツッコミがもう大人の余裕すぎて尊い…。でもその後で羽衣子ちゃんが自分から謝りに来るシーン、不器用だけど一生懸命でめっちゃキュンときたよ⋆♡ お茶冷める前に二人の距離がまた一歩縮まった感じがして、次の話が待ちきれない!!🚗💨