#.4 悪魔の囁き
⚠mzri要素あり
_rir- side_
手に付着したドロリとした赤黒い液体に、不快感を覚える。それ以上に自分に、あの”悪魔”に不快感を覚える。
辺りを見渡すと、屍のなかに自分が立っているだけだった。足元に視線を落とすと、そこには、”私が56した”…もはや肉塊と化したmzr先生が横たわっていた。
いつも通りを、幸せを破壊したのは、悪魔。そして、悪魔にまんまと操られてしまった、紛れもない私自身だった。
ri「んーーっ!!勉強終わり!」
勉強続けで凝り固まった体を伸ばす。夕食の時間までまだあるようだ。すると突然、勉強部屋のドアが軽い音を鳴らした。
小さい子たちかな?遊びたいのかな。
そう思い、すぐにドアを開けた。
??「こんにちは」
ri「え、ぁ…?」
そこには見慣れない顔があった。吸い寄せられるような藍色の瞳に、紺色の長髪が綺麗な女性だった。施設では見覚えのない。少し警戒の意で後退る。
??「私は、mmntmrといいます」
mm「貴方、騙されてますよ」
ri「はぁ…?」
意味がわからず、ただ呆然と彼女を見つめる。彼女は真剣な眼差しで、しげしげとこちらを見つめている。
mm「ここの子供は、みんな売られていくんです」
「13になると、ね」
ri「ぇ…、?」
何故かその言葉が、頭でぐるぐると駆け巡る。確かに、里親が見つかったのは大体12、13のある程度育った子達ばかりだった。
mm「勉強してるのは、飯を食べさせて貰ってるのは、力と知能を蓄えて奴隷にするため」
ri「…はぁ、…?そ、んな、わけ…」
ガツンと頭に衝撃が走る。声が震える。絶対に違う。そう思っているのに、辻褄が合ってしまう。嫌だ。そんなの違う。違う違う違う違う!
ri「でもッ…mzr、さん、は、…私をッ…助けッ…」
mm「そんなの信用稼ぎに決まってます」
「信じやすそうな子を助け、騙して売る」
涙が溢れ出た。歯を食いしばって止めようとしても、涙が床を汚した。脳裏にあるmzrさんの優しい顔が、薄れて消えていく。それと同時に、黒い感情が芽を出した。
mm「ほら、これ。」
ri「ッッ…!」
そういって、彼女は、ナイフを差し出した。刃先が鋭くて、触れただけで切れてしまいそう。
そのナイフを受け取った瞬間、心でどす黒い花を咲いた。憎しみで満たされるようだった。今までの思い出を黒く塗り潰す。ナイフを握る手は、決意の意で固くなった。
mm「捨てろ、今までの先入観を。目の前の事実を受け入れろ。」
「お前がやらなきゃ、誰がやる。」
耳もとでそう囁かれ、思わず振り向いた。周りを見回したところで、そこにはナイフを握った私しかいなかった。落ち着いた足取りで、階段を下りる。
ri「やることは、変わらない。」
mz「ふんふんふーん♪」
mzrさんの鼻歌がかすかに聞こえる。台所からは、暖かみのある、馴染みのあるカレーの匂い。ナイフを隠し、そっと台所へ向かう。
ri「mzrさん。」
mz「わ、rir-さん、お勉強終わったんですね!お疲れ様です」
そういって、mzrさんはにっこりと微笑みかけてくれた。心がズキリと痛む。
本当に、mzrさんが?本当に、?
今更ながら、疑念が浮かぶ。脳裏に浮かんで消えたmzrさんの暖かい言葉。手放したいと思ってしまったナイフ。
『そんなんだから騙されてるんです』
『私の言うことを信じなさい』
ri「ッ_!」
頭痛が走る。脳内で何度もその声が、その言葉がリピートされる。感情も、体も、すべて誰かに支配されたみたいに、自分で動かせない。
ri「…つき。」
mz「…ん?」
ri「嘘つきッッ!!!!」
食い気味に叫んだ。もう後戻りできないくらい、心は黒く染まってしまった。ナイフを握り直して、mzrさんの方へ向ける。mzrさんの顔は、さっと血の気が引いて青ざめた。
mz「どこからそんなもの!早く渡しなさい!!」
ri「信じてたのに!!!」
そういって、mzrさんにナイフを向けたまま、無我夢中に突っ走った。
グシャ
コメント
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うっわぁあぁぁぁ!! 流石嘘がうまいmmntmr(風評被害)