episode5 メンバーの一員
「藤澤さん….」
ファンの子達が心配そうに見つめる。
「そんな心配そうな顔しなくて大丈夫だって〜!笑」
「でも、鼻血が… 」
「こんなのどうってことないよん!」
ファンの子がくれたポケットティッシュで鼻血を拭いながら元気に答える。
「元貴、ごめんね〜こんな大層なことになっちゃって。」
「ぁ…いや、まぁでも今日は駅前の方も会場空きがないみたいだし、お開きにしよう。」
「わぁ〜まじかぁ〜…ごめんねぇミセスファンの子達、」
「あ、 いえいえ….!むしろありがとうございました!言われっぱなしでめっちゃむかついてたんで!笑」
そう?と涼ちゃんが聞き返すとうんうんと首を縦に振る。
ならよかった!といつもの笑顔で微笑む。
「では!また駅前のライブハウスで!!」
ファンの子が帰るのをしっかり見届ける。
それにしてもあんなふわふわした人が人を煽るなんて、正直びっくり。
「涼ちゃんなんか今日はかっこよ…」
「ぇえ゛え゛え゛ぇぇ….いだがっだぁ゛!!」
若井の発言を遮ってわんわん泣き出す涼ちゃん。
「おぉ急に何。」
「あの人何?!いきなり殴ってきてさぁ?!すごい理不尽なんだけど!!別に僕間違ったこと言ってないのに!!」
人殴るなんて最低!と言いながら殴られたところを冷えた水が入っているペットボトルをピタッと当てていたたた…とこたえている。
「でも…よかったの、?」
「ん?なにが? 」
「いや、あの..気に入ってたんでしょ?あの人たちのバンド。」
「あぁ〜…まぁ、うん。曲調は好きだったけどあんな人だとは思わなかった。音楽は人を表すって言うのに〜」
見抜けなかったなんてまだまだだわぁと落ち込む涼ちゃん。
「はぁ〜折角このメロディどう?って聞きたかったのに〜」
そういいながら黒い大きなカバンをガサゴソと漁る。
「ん?何持ってきたの?」
若井が尋ねると
「え、電子ピアノ。もちろん持ち運び式のね。」
「え?!涼ちゃんキーボード弾けるの?!」
俺が声を荒らげると戸惑いながら
「キーボードは触ったことないけど…ピアノは小さい頃から習ってたよ!」
これは運命だと思った。
「あのさ、!俺らとバンドしない?!」
「え!!」
という嬉しそうな声と
「え゛」
という困惑の声が混ざって聞こえた。
「いいの?!」
「逆にいいの!?」
「うん、!入って欲しい…!」
「えぇ〜!嬉しい!!」
きゃっきゃとはしゃぐ俺らを横目に不貞腐れているやつがただ1人。
「んだよ、なんか文句あんのかよ若井。」
「あ!別に嫌なら嫌って言ってね!」
涼ちゃんにどれだけ助けられたと思ってんだ、も〜こいつは…
「いつもなら嫌って即答してたけど…まぁ、涼ちゃんだし….」
モジモジしながら照れている若井の姿を見て涼ちゃんはぱぁあああ…!と表情が明るくなっていく。
「わかぁいぃ!!!」
「うわっ!ちょ!!抱きつくなバカ!!」
2人とならなんとかやっていけそう。
そう思った俺なのでした。
エンカウンター 𝐹𝑖𝑛.
久々に連載で、はじめてこんな短い物語書きました!
んん…飽き性にはちょうどいいぐらいですね!
エンカウンターって出会いって意味らしいですよ。かっこいいですね。
では!お知らせです!!
私の作品で『ねぇ、にぃに。』という完結した作品あるんですけど、
リクエストで面白そうだったので来世編書いてみようかなぁと思います!
アンサー小説?って言うのかな、やってみようかなと思います💪🏻
どんな感じにするかの目処が決まったら第1話書こうと思うのでお待ちください🙇♀️
それでは!見てくれてありがとうございました!
次作も見てくれると嬉しいです✨
コメント
29件
最高ううううう!!!🥹🥹🥹💕 続編楽しみ!!!!!!
リクエストした御方に感謝… そしてえのに I love you♡
んふふふふふふふふふふふふふふふふふふふへへへへへへへへへへへへ^ὢ^ガハハハハハハハハハハハハハ