歩いて10分、往復20分
コンビニから帰ってきた。靴を脱ぎ散らかしてリビングに戻る。
なんだか嫌な予感がして。
「っ!ゆうくん?!」
床に蹲り、きつくお腹を抑えている。
「お腹いたいん?」
「っ、は、きそ…」
テーブルのお粥は半分くらい量を減らしている。
無理して食べたのだろう、顔面蒼白で震えている。
「ここ吐いて大丈夫やから」
用意してあったエチケット袋を渡し、背をさする。
「ん、、っゔ、、ぁ、、げほげほっ、、」
時折咳き込みながら吐き出させるお粥はほとんど消化されていない。
栄養を受け付けないのでは、また病院に連れて行くしかない。
「ごめん…な、、」
謝るアニキを止め、片付け、口を濯がせて消臭。
すこし落ち着いた様子のアニキに声をかける。
「ねえ、病院行こ」
「むり…」
「無理?」
きっと嫌だと言われると思っていたので驚いた。
「はく…たぶん、、」
「う〜ん…」
素直に無理だと認めた、つまり相当弱っているのだろう。
生理的なものなのか、目尻からシーツに涙がら伝っていく。
「ごめん…ほんまに、めいわく…かけ、て、、」
嘔吐により掠れた小さな声で謝罪される
迷惑などと思っていないと伝えたところで、その意味をこの人が本当に理解することはないのだろう。
それでも、
「平気やで。迷惑じゃないよ」
そう言うことしか俺にはできない。
(精神的にもそうとうきてるみたいだ…これだけ熱が続けば無理もないけど)
また熱が上がってきたように思う。
ほんとうにどうしよう
身震いするような焦りの中で、薄く涙の膜を張った目が、だんだんと虚になるのを見つめるしかなかった。
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